ヨルダンの情景#8
サルトの町並み
Cityscape of Salt, 1996アンマンから北西に約30kmのところにあるサルトは、丘の斜面に古いオスマントルコ調の町並みが残っています。
サルトには鉄器時代の定住跡が残っている事から、この地では古くから人の暮らしがあったと推測されます。歴史に登場するのはローマ時代。ラテン語で森林を意味するサルトゥス(Saltus)の名がついていて、ビザンチン時代にかけて繁栄しました。
その後モンゴル勢力に侵略され、町は破壊されました。再び繁栄を取り戻したのは19世紀のオスマントルコ時代。多くの商人が移り住み、大きな商家が建てられ、ヨルダンの商業、文化の中心地となっていきました。その時にトルコ様式の特徴ある町造りが行われました。
第一次大戦後は一時期ヨルダンの首都として機能していたこともあります。その後首都はアンマンに移され、どんどんと町がにぎわい、拡大していったアンマンに対して、サルトでは時の進みが止まり、昔ながらの町が残りました。
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* ヨルダン情景素写 *
* 感想など *町を歩いていると、よく声をかけられました。最初は「うっ、出たな客引き。それとも詐欺野郎か」と身構えていたのですが、そのうちそういう種類の人間ではないと分かりました。
この町へ来る前までは観光客だらけのエジプト、そしてヨルダンに来てもペトラなどの観光コースしか歩いていなかったので、もう客引きや、日本語使いにはうんざりと言った気分でした。慣れない海外一人旅で少々人間不信に陥っていたのかもしれません。
異国人である私の姿が珍しかったのかもしれませんが、客をもてなす気配りといった感じで多くの人が話しかけてくれ、ここでは本来のヨルダンの人の暖かさに触れ合うことができました。
町の雰囲気も中世の町といった感じで雰囲気がよく、今でもとても思い出に残っている町です。
サルトの町並み
Cityscape of Salt, 1996 -風の旅人- (2020年1月更新)