ヨルダンの情景#9
ネボ山
Mount Nebo, 2001
エジプトのシナイ山で十戒を授かったモーセは、杖を振り上げ紅海の水を裂き、ヨルダンを北上して、ネボ山に辿り着いた。そして山頂からエルサレムを見て、あれが約束の地だと言い残し、その生涯を終えたそうです。
聖書にはピスガの頂から約束の地カナンを発見したとあり、そのピスガと考えられているのがネボ山の山頂、ラス・エ・シャーガです。モザイク画で有名なマダバから約10キロ離れた場所にあります。(他にも候補があります)
聖書にでてくるモーセが使った杖をイメージして作られたモニュメントがある山頂の展望台からは、眼下に死海などが見渡せます。晴れて視界のいい日には伝説にあるようにエルサレムまで見ることができるそうです。
山頂にはモーセ記念教会があります。オリジナルはモーセの死の場所をしのんで建てられた4世紀に建てられたものと推測されていて、1930年代にフランシスコ神父が買い取り、発掘をつづけました。現在でもフランシスコ教会によって管理されていて、モザイク画を雨風から守る為の壁や屋根が取り付けられています。
建物の両脇にはビザンチン時代のモザイク画が沢山飾られています。大きなものは当時のまま床にあり、小さいものは見やすいように立てかけられています。保存状態は比較的よく、マダバに劣らないほど素晴らしいモザイク画がそろっています。
ユダヤ教、キリスト教の聖地となっていて、多くの巡礼者や観光客が訪れていました。
* ヨルダン情景素写 *
* 感想など *
シナイ半島にあるシナイ山とともにモーセの伝説が残る山です。キリスト教徒や聖書を読んだことのある人、映画の十戒を見た人には思い深い場所になるでしょうか。多くの観光客や巡礼者が訪れていました。
伝説の地というのは場所や行われたことが不確かなことが多いですが、そういったことを想像して訪れるのが楽しいものです。
ヨルダンの情景#9
ネボ山
Mount Nebo, 2001
-風の旅人- (2020年1月更新)