レバノンの情景#4
サイダの旧市街
Saida historical city, 2001
ベイルートの南、約50キロのところにサイダの町があります。現在の都市名はサイダになりますが、かつてこの町はシドンと呼ばれ、南のティルスとともにフェニキア人の主要都市でした。
フェニキア人が自分たちのことをシドンの人と名乗ったり、聖書にもシドンの名が何度も登場するなど古くから広く知れ渡っている町です。ティルス同様にシドンも世界遺産の登録が行われたのですが、こちらの遺跡は登録にはいたりませんでした。
フェニキアの勢力が弱まった後は他の都市同様に多くの支配者に征服され、町は破壊と再建を繰り返し、最終的にはオスマントルコによって町は整備されました。しかしながらレバノン内戦ではイスラエル軍に攻撃されて、市街地は荒廃することとなってしまいました。
現在では町は復興し、レバノン第三の都市となっています。フェニキア時代の遺跡は郊外のエシュムーン神殿遺跡にしかなく、町中では十字軍が海上に築いた海の城砦がシンボル的な存在となっています。
* 情景素写 *
* 感想など *
港で海の要塞を見て、入場料を払って中に入らなくてもいいかなと、旧市街の方へ。ここは昔ながらの旧市街のまんまで、狭い路地が入り組み、まるで迷路の様でした。
知らない土地で狭く、視界の悪い路地を歩くのは少し怖さを感じるものですが、ここではすれ違う人が明るく挨拶をしてくれ、そういった思いをせずに済みました。
レバノンの情景#4
サイダの旧市街
Saida historical city, 2001
-風の旅人- (2019年12月更新)