レバノンの情景#2
ベイルートに残る内戦の傷跡
Traces of civil war in Beirut, 2001
レバノンと聞くと、内戦。そういうイメージしかない時代がありました。1975年に宗教対立で始まった内戦は、他国の思惑が絡んで泥沼化。特に隣国シリアとイスラエルの介入によって悲惨な状況となってしまいました。
内戦が収束したのは1990年。実に15年間内戦が続き、その間にはイスラエル軍のベイルート侵攻もあり、ベイルートの町は戦火によって大きな被害を受けました。
そういった傷跡は終戦後もしばらく残り、10年経った2001年に訪れたのですが、まだ地区によっては多くの建物が放置されていました。
観光客からすると、これがあのニュースでよくやっていた内戦の傷跡か・・・。と、身近にある光景ではないので珍しく感じますが、暮らしている人には思い出したくない負の遺産となっていました。
* 情景素写 *
* 感想など *
まだこれほどまでに内戦の傷跡が残っているとは思っていなかったので、銃弾が残る建物が多いことに町を歩きながら驚きました。
廃墟は廃墟なりに歴史があるわけで、銃弾が残る建物は銃撃戦が行われた痕跡であり、窓枠に集中的に残る銃痕を見ると、窓にいた人は生き残ったのだろうか、それとも・・・などと色んなことを想像してしまい、なかなかつらいものがあります。
内戦跡。面白そう。とまあ正直言って興味本位で訪れたのですが、想像以上に気分が悪くなってしまいました。こういった戦場跡は世界中にあり、そういったものが観光の目玉となっている場所もありますが、どこを訪れても虚しさしか感じません。
レバノンの情景#2
ベイルートに残る内戦の傷跡
Traces of civil war in Beirut, 2001
-風の旅人- (2019年12月更新)