レバノンの情景#14
アンジャル遺跡とその周辺
Umayyad City Ruins in Anjar 2001
ベイルートの東、約50キロのベカー高原のアンジャル(Anjar)に、ウマイヤ朝の都市遺跡であるアンジャル遺跡(Umayyad City Ruins)があります。
ベカー高原にある遺跡といえば巨大なローマ神殿のあるバールベックが有名ですが、こちらはもっと後の時代、ウマイヤ朝のワリード1世の命により、8世紀に建設されたといわれています。この地はちょうどベイルートとダマスカスの交易路沿いにあたり、古くから中継地点として栄えていて、そこに夏の保養用の宮殿を建て、町を整備し、モスク、公共浴場なども建てて整備したようです。
この遺跡はウマイヤ朝時代の都市の構造がよく判る大規模な遺跡であり、またビザンチン建築の名残も各所で見られ、時代の移行期間という特殊性もあり、世界遺産に指定されています。
遺跡はそこまで多くの遺構が並んでいるといったものではありませんが、周囲は畑に囲まれ、シリアとの国境を成しているベーカー山脈もよく見え、とても開放的な雰囲気がする場所です。
* レバノン情景素写 *
* 感想など *
バスが到着する町からアンジャル遺跡までは少し距離があり、のんびりとアンジャルを歩いてみましたが、ほとんど人に出会う事がなく、遺跡に到着しても誰一人いなく、雄大な景色以上に寂しい観光だったのが印象に残っています。
遺跡自体は、バールベックのような力強く、大きな遺跡が好きな人には、これだけ・・・といったような物足りなさを感じると思います。でも雄大な周囲の景色やレバノンの農村を散策するつもりで訪れると、なかなか楽しい遺跡散策になるかと思います。
レバノンの情景#14
アンジャル遺跡とその周辺
Umayyad City Ruins in Anjar 2001
-風の旅人- (2019年12月更新)