タンヌーラ・ダンス
(スーフィーダンス)
Tanoura Dance (Sufi Dance), 2001
エジプトといえばピラミッドなどの考古学遺跡や博物館が観光の目玉となっていて、多くの人がそれを目当てに訪れています。
カイロの裏観光というわけではないですが、ひそかに観光客の間で人気となっているのがタンヌーラ・ダンス(スーフィーダンス)です。
スーフィーダンスというのは、簡単に書くなら踊り手がくるくると回り続ける旋回舞踊です。ダンスと書かれることが多いですが、実際は宗教的な意味合いが強く、ぐるぐる旋回し続けることでトランス状態となり、より神に近づけたり、神との対話ができるといった宗教儀式になります。
スーフィーダンスはトルコのイスラーム神秘主義(スーフィズム)のメヴレヴィー教団が有名で、ユネスコの文化遺産にもなっています。
そのメヴレヴィー教団の旋回舞踊セマーをエジプトの民族楽器でアップテンポな演奏で行ったり、カラフルなスカートを身にまとって回ったりと、エジプト風にアレンジしたのがタンヌーラ・ダンスです。
タンヌーラとはアラビア語でスカートの意味になります。リズミカルな音楽に合わせてカラフルな柄のスカートで回る様子はとても印象的です。
トルコのスーフィーダンスは神秘的なといった表現がふさわしいかもしれませんが、エジプトの方は陽気なエジプトらしく、見ていて楽しいといった表現がふさわしく感じます。
タンヌーラ・ダンスはホテルのディナーショー、レストラン、舞台など様々な場所で見ることが可能です。一番のお勧めは賑やかなハンハリーリ市場の近くにあるキャラバンサライのワカーラ・アル・ゴーリー(Wekalet El Ghoury)で行われているショーです。
週3回、月、水、土曜日の19:30~21:00に公演が行われていて、入場料は30ポンドです。会場の建物自体も1504年に建てられた文化財の建物なので、会場内の雰囲気も満点です。(*ここで載せている写真は同じ団体によるものですが、現在と会場が違います。)
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* エジプト情景素写 *
* 感想など *私が訪れた時はそんなに広くない会場で、踊り手を囲むように観客席が設置されていました。観客と演技者の距離が近く、会場が一体となった雰囲気がとても印象に残っています。入場料も無料だったのも感動した一つの要因です。
現在では大きな会場で行われ、入場料もかかり、時期によっては早めに並ばないと見ることができないようですが、それでも訪れる価値はあると思います。
昼間にぎゅうぎゅうなスケジュールでピラミッドなどの遺跡巡りをして、夜は疲れて動けなかったり、翌日のために早めに寝てといった観光もいいかもしれませんが、ゆっくりとハンハリーリ市場や旧市街を散策したり、こういったダンスを見るといった観光もいいのではないでしょうか。
タンヌーラ・ダンス(スーフィーダンス)
Tanoura Dance (Sufi Dance), 2001 -風の旅人- (2020年1月更新)