スエズ港とスエズ運河
Suez Port and Suez Canal, 2001ヨーロッパからインドやアジア地域に船で向かう場合、本来ならアフリカ大陸を大回りしなければなりませんが、地中海からインド洋に抜けられる魔法のようなルートがあります。
それがスエズ運河で、紅海のスエズ湾の根元にあるスエズから地中海岸のポートサイドの間を人工的に運河を掘って、船の通行を可能にしています。ヨーロッパで消費される石油の3分の2はスエズ運河を経由して運ばれていることからもこの運河の重要度が分かります。
スエズ運河の開通は1869年11月17日。戦略的に重要な場所柄、開通にあたっては様々な妨害や思惑があり、工事がなかなか進みませんでした。開通後も中東戦争によって爆撃されたり、機雷がまかれたりして通行ができなくなることもありました。
開通後は拡張工事が繰り返され、現在では全長193.30km、深さ24m、幅205mの大きさがあり、巨大な船も通行可能です。
船の通行は一方通行で運営され、船のすれ違いは中間地点にあるバイパスや湖で行われます。時速8ノット(約15km)の速度で進むので、運河を通過するのにだいたい11~16時間かかります。
スエズ運河を船が通過する様子は運河沿いなら見られますが、印象的なのは地中海岸のポートサイド、中間地点のグレートビター湖、イスマイリヤなど、そして紅海側、運河の名になったスエズなどです。特に何があるわけではありませんが、巨大な船が目の前をゆっくりと進んでいく様子は見ていて楽しいです。
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* エジプト情景素写 *
* 感想など *スエズ運河はパナマ運河とともに世界の海運の要所と言っても過言ではありません。そういった場所を見たいというよりも、昔から地理のテストで必ずと言っていいほど出てきたので、地理大好き人間としてはやっぱり実物を見てみたい。そういった思いで訪れてみました。
シナイ半島側から訪れたので、最初バスの窓から砂漠の中を船が進んでいるかの様子に感動しました。そういった場所から写真を撮りたいなと思いつつ、さまよっていたら日が傾き、船が通らなくなってしまいました。時間帯や船の通行が多い日などは運次第でしょうか。
運河沿いで大きなコンテナ船などを見ながら、何が積まれているのだろう。どこへ運ばれていくのだろう。どこの国籍の船だろう。旅の空の下で色々と思いをはせてみるのもいいものです。
スエズ港とスエズ運河
Suez Port and Suez Canal, 2001 -風の旅人- (2020年1月更新)