エジプトの情景#8
シワ・オアシス
Siwa Oasis, 1996, 2001
エジプトの西部、地中海からも離れ、リビアとの国境から約50kmといった砂漠の中にシワ・オアシスがあります。
陸の孤島のような立地ながら水量が豊かなオアシスで、集落の東西に大きな湖があり、集落内にも湧水の井戸が多くあります。水が多いことから農業が盛んで、ナツメヤシとオリーブは特産品となっていて、集落がナツメヤシに囲まれているといった緑豊かなオアシスです。
シーワに暮らしているのは生粋の砂漠の民であるベルベル人で、他のエジプトに暮らす人たちとは違った習慣や文化をもっています。
歴史もあり、古代エジプト王朝時代にはこの地にアモン神殿があり、アレクサンダー大王も神託を授かりにシーワを訪れたとされています。現在では廃墟状態となっていますが、当時の遺構も残っていて、砂漠の中で古代のロマンに浸ることもできます。
近年ではオアシスの滞在や砂漠ツアーを目当てに観光で訪れる人も多く、エジプトの秘境として人気となりつつあります。
* エジプト情景素写 *
* 感想など *
時がとまっているかのような空間。というのは大げさな表現ですが、初めてここを訪れたとき、ここの風景や雰囲気が今までの自分の知っている世界とはあまりにもかけ離れていて驚きました。
交通が発達した現代でもシワ・オアシスを訪れるまでの移動距離や移動時間は長く、陸の孤島という表現がぴったりです。手軽に訪れることができない場所だからこそ、都市部で忘れさられてしまったもの、失ってしまったものが今でも多く残り、訪れる者の心に訴えます。
私にとっては、少し苦労して訪れる場所にこそ本当に感動する風景や今まで知らない価値観があるんだなと勉強になったと同時に、砂漠が好きになり、砂漠へ足が向かうようになった場所です。とても思い出深いオアシスで、5年後の旅行でも再び訪れてしまいました。
エジプトの情景#8
シワ・オアシス
Siwa Oasis, 1996, 2001
-風の旅人- (2020年1月更新)