グレート・モスクとアレッポ旧市街
Great Mosque and Aleppo Old City, 2001アレッポの旧市街はグレート・モスクを中心に古くからの建物が多く並び、スークを代表するように石畳の細い路地が入り組み、独特の趣がある地域です。
グレート・モスクはアレッポの偉大なモスクとか、アレッポのウマイヤド・モスクとも称されるアレッポで最大かつ最古のモスクです。英語では「Jamaa Al-Kebir」とか言われていますが、その呼び名が多く、普通に「Great Mosque of Aleppo(グレートモスク)」と呼ばれることが多く、日本語では「アレッポの大モスク」とも呼ばれています。
ウマイヤ朝のカリフ、アル=ワリード1世によって建設が開始されたのが715年と言われ、ダマスカスのウマイヤド・モスクと同じぐらい古いモスクとなります。ダマスカスのウマイヤドモスクと同じようにこの場所もかつてはキリスト教の大聖堂がありました。
敷地には大理石の敷石が敷かれた広々とした中庭を持ち、それを囲むように正面にモスクの建物、周囲に列柱の回廊や時計塔のようなミナレットが配置されています。
ミナレットは高さ40mはあり、壁面には独特の模様が施されていて、アレッポでも象徴的で目立つ建造物でしたが、それ故に内戦では破壊されてしまいました。
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* シリア情景素写 *

トンネルが続く美しい道です。
スークの外もダンジョンになっていて、散策が楽しいです。
(Aleppo Old City, 26 Feb. 2001)

変わった紋章が取り付けられたゲートがありました。
(Aleppo Old City, 26 Feb. 2001)

Khan Al Wazir
かつてはキャラバンサライとして使われていたアル・ワジール。
アレッポのスークを形成している建物の一つです。
(Khan Al Wazir, 26 Feb. 2001)

Great Mosque(Jamaa Al-Kebir)
世界最古のダマスカスのウマイヤド・モスクより10年後にできたとされるモスクです。
グレート・モスクとか、アレッポのウマイヤドモスクとも呼ばれています。
(Great Mosque [Jamaa Al-Kebir], 26 Feb. 2001)

日本でいう手水舎です。
泉亭と言われ、日本の神社と一緒で入る前に体を清めます。
この泉亭はミルダース朝がアレッポを支配していた11世紀後半に建築されたとされています。
(Great Mosque [Jamaa Al-Kebir], 26 Feb. 2001)

中庭はとても広い空間があります。
敷石には大理石が使われ、幾何学的な模様が付けられています。
(Great Mosque [Jamaa Al-Kebir], 26 Feb. 2001)

円形でなく、時計塔とか、
櫓といったような四角い形が特徴のミナレットです。
壁面にはユニークなデザインや彫刻が施されていて、
顔のような模様はネパールの仏教寺院を連想してしまいました。
(Great Mosque [Jamaa Al-Kebir], 26 Feb. 2001)
古代都市と呼ばれるアレッポは、アレッポ城を中心に旧市街が広がり、旧市街は大モスクを中心にスークを主体とした古い町並みが迷宮のように広がっていました。
スークの先には何があるのだろう。路地を曲がると何があるのだろうと、当てもなく散策するには楽しい地域でした。今思えばもっといろんな時間帯に歩いておけばよかったなと少し後悔しています。
残念ながら内戦ではこの旧市街が激戦地となり、アレッポを象徴する建物の一つである大モスクのミナレットは破壊されてしまいました。その衝撃はシリアに暮らす人には相当なものだったはずです。
グレート・モスクとアレッポ旧市街
Great Mosque and Aleppo Old City, 2001 -風の旅人- (2019年12月更新)