マリ遺跡と国境の町ブカマル
Mari ruins & Abu Kamal, 2001マリ王国の王都だった都市遺跡が、デリゾールの南東約120キロ、イラクとの国境の町アブカマルの北西11キロのユーフラテス川の西岸にあります。
マリは紀元前3000~1700年頃に栄えていました。ちょうど同じころに栄えていたのがアレッポの南にあるエブラで、マリとは同じ交易都市としてライバル関係にあり、覇権争いをしていたと考えられています。
一度衰退したものの、アムル人のもとで再興され、紀元前1900年頃から始まった第二次黄金時代にはユーフラテス上流のトルコ領付近まで領土を拡大していきました。この時代に造られたマリの王ジムリ・リムの宮殿は300以上の部屋があったとされ、その評判は近隣諸国にとどろいていました。現在発掘され、遺跡内での最大の見どころとなっています。
その後、バビロニアのハンムラビによってマリは破壊されます。王室の図書室もその際に埋まったようで、遺跡の発掘の際に書簡や行政文書、祭祀の記録など楔形文字のアッカド語の書かれた25,000枚以上の粘土板(マリタブレット)が見つかりました。このタブレットによって多くの歴史的発見がありました。
とても歴史がある都市遺跡で、発掘品などは素晴らしいのですが、遺跡自体は痕跡ばかりで、見るべきものは少ないです。
このマリからはイラクの国境までは20キロほど。せっかくなので国境の町アブ・カマルにも訪れてみました。周辺に大きな都市遺跡があるようにアブ・カマルは古くから穀物や綿花栽培などの農業が盛んな土地です。国境にも近いしデリゾールのような活気があるのかなと期待して訪れたのですが、思ったほど活気がありませんでした。
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* シリア情景素写 *
* 感想など *ドゥラ・エウロポスの後にマリ遺跡を訪れました。ユーフラテス川沿いのスケールの大きなドゥラ・エウロポスを見た後だったので、ここは・・・、なんだか工事現場の様・・・。というのが素直な感想となってしまいました。順番を逆にすればよかったです。
まだまだ発掘の途中なので今後に期待・・・と思いたいのですが、内戦で盗掘が相次ぎ、遺跡内が穴だらけといった惨状になっているようです。
マリ遺跡と国境の町ブカマル
Mari(Tal Hariri) & Al Bukamal, 2001 -風の旅人- (2019年12月更新)