風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

甲府盆地ミステリーツーリング
#2 スポット1:立石神社

<2008年4月>

甲府盆地の巨石にまつわる神社や遺跡などを巡るミステリーツーリングを行ってみました。(全8話)

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2、ミステリースポット1:立石神社

地理院の地図
甲州市付近の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

本日最初の目的地は立石神社。塩山市から少し山に入った地図にも載っていないような小さな神社だ。(現在はgoogleマップにも載っていました)

立った石と書く立石の名前からして聳え立つような巨石があり、人里離れた立地からも何か隠れ里的な伝説だったり、天狗とか宇宙人とかが石を立てたという言い伝えが残っているかもしれない。

最初の目的地だし、色んなことを期待しつつ訪れるものの、神社が見つからない。いきなり今日の計画は終了か。いやいや困ったときは地元の人に聞くのが一番。農作業中のおじいさんに「立石神社に行きたいんですけど、どこでしょうか?」と尋ねると、丁寧に教えてくれた。

「お兄さんたち、どっから来た?」と聞かれたので、「東京からです。」と答えると、「えっ、東京から」と曲がった腰が真っすぐになってしまうほど驚いていた。大岩よりも東京からこんな場所まで来た我々の方がミステリーだったりして・・・。

立石神社に到着の写真
立石神社に到着

バイクで畑の中の細い道を入っていくと、周囲は畑と森といった場所に立石神社があった。見た感じ小さな神社のようだ。どんな石のミステリーが待っているのだろう。

後輩にはミステリーツーリングらしく、甲府に巨石を見に行くとしか伝えていなかった。後輩の顔を伺うと、地元の人に聞いて何とか訪れることができた神社に、どんな凄い謎があるのかと期待が高まっている様子。

実は私もよく知らない。大きな石がある神社というのを他のサイトで知っただけ。そのサイトは親切なことに大きな石の写真が一枚しか載っていなかった。だからこうしてワクワクしながらこの神社の前に立っている。

立石神社の社標の写真
立石神社の社標

探検開始だ。後輩と期待して境内に入っていくと、さっそく石で造られた立石神社の社標が立っていた。

おっ、こんな些細なものにも立派な石を使っている。これはこの後の展開に期待できるかも。些細なものを見つけるだけで期待が高まっていく。それがミステリーツーリングというものだ。

立石神社の写真
立石神社
鳥居と岩の写真
鳥居と岩

階段を登っていくと、石の鳥居があった。小さいけど年季の入った石の鳥居だ。その奥にはちょっと古めかしくていい味を出している拝殿があった。

境内を見渡すと、鳥居横や拝殿前にもさりげなく石がにょきにょきと生えていた。立石神社の名の通りといった感じで、石が立っている。もしかして石が土の中から生えてきたとか。自分で移動してきたとか・・・。なんて想像してみるのも面白い。

立石神社の拝殿の写真
立石神社の拝殿
拝殿の壁の写真
拝殿の壁

拝殿横の桜は咲きかけ、奥の早咲き桜は満開といった感じだった。ピンクに色付いた花や蕾が拝殿の赤い屋根といい感じに共演している。満開だったらいい風景になりそうだ。

まずはお参りしておこう。不謹慎な輩が境内をうろついているぞと、バチっと石が飛んで来たら大変。

拝殿に近づいてみると、壁の板がボロボロ。よく見ると寄付金を記した板がそのままが張ってあるようで、薄く名前と金額が読める。この絶妙な朽ち加減に哀愁を感じてしまう。夕方だったなら童謡ふるさとを口ずさんでいただろう。

御神体の岩と社殿の写真
岩と社殿

ここの神社の御神体は社殿の裏側にある八稜石と呼ばれる巨大な岩。この岩が立石神社の由来となっている。

拝殿の後ろに本殿があり、その後ろにちょっと大きな岩があり、更にその奥に立つようにそびえるように八稜石があった。

立石神社の御神体の写真
立石神社の御神体

これが立石神社の大岩か・・・。でも、でかいにはでかいけど、この程度の岩だったら偶然にここにあっただけかもしれない。磐座にしては座り心地が悪そうだし、形からすると陽石ってことで祭ったのかな。亀の頭が突き出ているようにも見えるな。とまあ色々と想像をしてはみるものの、特に石自体に不自然さを感じられなかった。

或いは氷山みたいに地上に出ている部分は全体の10%とか?それでもって日本で最大規模の岩だったりして・・・。って、そんな雰囲気もないかな。

神社の奥の写真
神社の奥
杉林と社の写真
杉林と社
奥の社の写真
奥の社

神社の後ろ側は立派なスギ林となっていて、奥の方に小さな社があるのが見えた。奥の院だろうか。杉林の中を進んで近づいてみたが、何が祀られているのかよくわからなかった。

ただこの周囲にも大きめの岩がごろごろと転がっていて、ちょいっと面白い風景となっていた。不自然といえばそう見える気もするけど、自然といえば自然。特に形が人工的といった感じもなかったので、やはり自然のもののように感じた。

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散策を終えて、再び拝殿前に戻ってきた。単に岩石の多い地形にたまたまそこにあった大石を祭ったのが立石神社っていうのが正直な感想だった。そもそもとんでもない謎があればこんなに訪れるのに苦労しない。大駐車場ができて、各所に「神社はこっち」という案内板が立っているはず。

でも石の種類とか地層とかを発掘調査したら、とんでもない謎が出現するかも。地下にはもっと大きな岩があり、地下都市が形成されていた痕跡が・・・。きっとそうだ。

無理矢理連れてきた後輩のモチベーションを下げないためにも、やっぱり凄いミステリーだったな、この神社は・・・。俺はあの岩に猛烈に感動したぞ!ってことにして神社を後にした。

*Info* 立石神社 山梨県山梨市牧丘町西保下5238(Google地図

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