地中海沿岸の情景#3
サフィータとシャステル・ブラン
Safita and Chastel Blanc, 2001地中海側の第二の港湾都市タルトゥースから少し山間に入った場所にサフィータの町があります。世界遺産で有名なクラック・デ・シュヴァリエとは15kmぐらい離れています。
ここは十字軍の重要な拠点都市となり、町の3つの丘の一番高い場所にテンプル騎士団がシャステル・ブラン(ブラン城)を築きました。フランス語で白い城という意味です。白い石灰岩で造られていて、黒い玄武岩で造られた黒いマルガット城に対し、白い城と名付けられたのでしょうか。
元々はアラブの砦があった場所で、ここからの眺めは素晴らしく、遠くレバノン山脈や地中海までよく見渡せます。眺めの良さは周囲の城との連携に役立ち、同じくテンプル騎士団が支配していた「クラック・デ・シュヴァリエ」と「タルトゥース」の連絡地点としては最適な場所でした。
現在のブラン城は城砦の主要な塔と幾つかの城壁しか残っていません。しかし四角い塔が町の丘の上に聳えるようにして残っている様子は独特な景観で、サフィータのランドマークとなっています。地元では「サフィータの塔」と呼ばれているようです。
現在この塔の一階部分は教会となっていて、眺めのいい塔の上にも登ることができます。
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* シリア情景素写 *
* 感想など *町の丘の上に四角い塔がそびえている様子はとても面白い風景でした。
塔からの眺めも素晴らしく、雪の残るレバノン山脈までよく見渡せました。レバノンでよく見かける赤い屋根の家屋をちらほらと見かけ、少しシリアらしくない眺めだったのが印象に残っています。
サフィータとシャステル・ブラン
Safita and Chastel Blanc, 2001 -風の旅人- (2019年12月更新)