風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

房総半島最南端初日の出ツーリング
#1 一年の旅は元旦にあり

<2012年1月>

一年の計は元旦にあり。寒い中をバイクに乗って初日の出を見に出かければ旅に対する情熱も戻ってくるかもしれない。今回は一人で房総半島南端へ出かけました。

*この旅行記は全6ページで構成されています。2012年の旅行記です。現在とは状況が異なっている部分があるかもしれません。

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1、一年の旅は元旦にあり

新年の初日の出ツーリングどうしようか。そんな事を考える時期がやってきた。今年は東日本大震災が起こってしまい、その影響で今までの私ではありえないほどバイクに乗っていなかった。

いや、本当のことを言うと、震災前の昨年から旅への情熱というか、旅に対する意欲が薄まりつつあった。

色々と見て周ることがマンネリと感じるようになり、新しい物を見たいとか、新しい場所を訪れたいとか、そういった好奇心が今までのように湧いてこないのだ。

そうなってくると、わざわざ遠くに移動してまで・・・といった気持ちが強くなり、出かけるのが億劫に感じてくる。

しかし旅は移動してなんぼのもの。魅力的な移動が出来なければ旅は楽しくないし、移動するのが億劫となっては旅人として話にならない。

もう旅人としての看板を降ろそうかな・・・。ホームページの更新も随分と滞っているし・・・。などと思っているところに震災が起きてしまった。

東日本大震災
東日本大震災

災害写真データベースの写真を使用

震災後は様々なことが混乱し、テレビでは連日災害の報道ばかり。こんな状況では旅に出たいという気持ちにはなかなかなれない。

物流も大打撃を受け、ガソリン不足でスタンドは大行列。給油するのに並ぶのは面倒だし、あまりにも値段が高いと、バイクに乗って気軽にという気にならない。

マンネリ化していた観光地巡りのツーリングを打破するために、最近ではイベントを絡めたツーリングを行うようにしていたのだが、これも自粛によって中止が相次いだ。

更には家庭や生活の環境が不安定な状況におかれたことで、精神的なストレスを感じ、色々と落ち着いてきた秋になっても積極的にツーリングに出かけることがほとんどなかった。

全てにおいて積極性が薄れていた一年だったけど、一年の計は元旦にあり。寒い中をツーリングに出かければ旅に対する情熱も戻ってくるかもしれない。そして再び旅人としての輝きが戻ってくるかもしれない。

それに友人と一緒なら重い腰もあがるはず。旅は道連れ、世は情け。友人から力を少し分けてもらおう。

line

いつも一緒に行く友人に連絡してみると、「今年は仕事が忙し過ぎて行けるかどうか・・・」と、頼りない返事だった。

その他の仲間もバイクショップのイベントに出かけるとか、家族サービスやら帰省するなどと、いい返事が返ってこなかった。

今年は元旦が日曜日と重なったことで、例年よりも正月休みが少ないというのもあるが、例年以上に家族や親類と過ごしたいといった気持ちがあるのかもしれない。

全滅か・・・。予定外の展開に意気消沈。やっぱり正月の寒い中を一人で出かけるのは面倒くさいな。コタツに入って「今夜も生でさだまさし」でも見ていようかな・・・。

いやいや、それでは来年も今年と同じような一年になってしまう。やっぱり一年の計は元旦にある。ここは旅人として復活するためにも一人で初日の出を見に行く強い気持ちが必要だ。

他人がどうとか、そんなことを気にせずにユーラシア大陸を単独で横断したときの気持ちを思い出すんだ。歩けば必ず後ろに道ができる。行くこと、行動することに意義があるのだ。そう自分を奮い立たせた。

地理院の地図
房総半島の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

目的地は前々から考えていた房総半島最南端の野島崎。理由は最南端という場所が小細工なしに旅心を誘う場所だし、久しぶりに船旅をしたいと思ったからだ。

房総半島と三浦半島の間は東京湾フェリーが運行されていて、それに乗ればちょっとした船旅をする事ができる。やっぱり船旅には旅のロマンが詰まっている。

よしっ、頑張るぞ。一年の最初からいい旅を行えば、きっと来年はいい旅が行えるはず。一年の旅は元旦にあり。ってなものだ。

一人で行くことに前向きになっていたが、前日に天気予報を見ると、曇り、昼前から晴れの予報。

なんか微妙な天気だな。まるで今の私の心境のよう。でも初日の出が見れる見れないよりも、今回は行くことに意義があるのだ。

房総半島最南端初日の出ツーリング12'
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