三浦半島コロッケツーリング
#6 葉山・鎌倉コロッケ巡り
<2011年11月>
今回は少し趣向を変えて、コロッケ店を巡りながら後輩と三浦半島を一周してみました。(全6ページ)
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11、コロッケfile.8 旭屋牛肉店の葉山コロッケ
三崎からは、三浦半島の西側を通っている134号線を一気に葉山まで北上した。せっかくなので色々と寄りながら移動したいところだが、この時期は5時にもなるともう暗くて観光どころではない。
次の訪問店は旭屋牛肉店。葉山の旧道を走り、揚げ物の臭いが漂ってきたら到着となる。
三浦半島で一番観光客に人気となっているコロッケ屋は、おそらくこの葉山にある旭屋牛肉店だと思う。
100年以上葉山で営業しているという老舗で、ガイドブックに載っていたり、テレビで紹介されたりと知名度は抜群。何度か三浦半島をツーリングした際に立ち寄ったが、いつ訪れても店内に人が多い。
今回の三浦半島コロッケ巡りも、この旭屋牛肉店がなければ思い付くことはなかったかもしれない。
さて、旭屋牛肉店の看板メニューはというと、葉山コロッケ。高級葉山牛を使ったコロッケ・・・・と、どこかのサイトに書かれたのを信じていたのだが、今回値札の横に貼ってあった葉山コロッケの解説を読んだらそうではなかった。
お店の説明では厳選された国産の牛肉と豚肉を玉ねぎと一緒に炒め、上質のジャガイモを混ぜ合わせて作っているとか。
葉山の名はやっぱりこの地で100年以上営業している故の愛情だろうか・・・。そのへんのことは分からないが、鎌倉コロッケ、横須賀コロッケ、葉山コロッケ、湘南コロッケとまあこの付近はご当地コロッケが多い。
味の方は上品な味わいといった感じで、下味もしっかりしていてなかなかおいしい。値段も70円(現在90円)と手頃だし、大きさもそこそこあり、正統派コロッケの鏡といった感じだ。
ただその分、こういうコロッケだといった説明がうまくできなかったりする。結局おいしいコロッケといった感想にいきつくわけで、口コミサイトを覗いてもそんな感想が多い。
コロッケは正統派といった感じだったが、アウトロー的なのが、店の外のテーブル席。なんとテーブルにトンビ注意の張り紙が貼ってあり、頭上を見上げるとトンビが旋回しているのだ。
葉山という土地柄に合わせてルンルンと上品に食べていると、頭上からトンビに油揚げ・・・じゃなく、コロッケをさらわれていくといった非日常的な出来事を体験できたりする。
まあそれもいい思い出になるかもしれないが、トンビの爪は鋭く、勢いよく急降下してくるので、怪我をすることも多い。隙を見せないようにしておくに越したことはない。
コロッケを食べながら頭上を気にしつつ、テーブルにはこのインパクトのある張り紙・・・。ちょっと落ち着かないけど、気を付けようという気になる。
そして思った。「振り込め詐欺集団があなたのお金をねらっています!」とお年寄りの家の電話機の前に張って置けばかなり効果があるのでは。
*Info* 旭屋牛肉店 三浦郡葉山町堀内898
12、コロッケfile.9 鳥小屋のチョココロッケ
葉山から鎌倉市内へ。さすがに辺りは真っ暗。おまけに胃の中も各種油で真っ黒・・・って、バイクのエンジンではないのでそんなことにはなっていないとは思うが、結構胃が重く、ブラックな状態だった。
鎌倉といえば鳩サブレが定番となるけど、今はそんなバターたっぷりの甘いものを想像するだけで胸焼けが・・・。そもそも今回のテーマとは違う。
で、鎌倉といえば駿河屋本舗の鎌倉コロッケ。神戸コロッケほどではないけど、関東では比較的名が知れている。
その鎌倉コロッケを食べようということで、江ノ電鎌倉駅にある店舗を訪れたのだが、なんと売り切れで営業終了とのこと。まだ5時半だというのに・・・。ちょっとビックリ。そして残念。
せっかく鎌倉に来たことだし、もう一つ有名な鳥小屋を訪れてみた。この鳥小屋のあるのは駅へ通じる賑やかな小町通りで、通りには観光客がわんさかと歩いていた。
で、鳥小屋の前にもわんさかと人がいた。ガイドブックに載っていたり、テレビで紹介されたりしているようなので、けっこう繁盛しているようだ。
店の前に張り出してあるメニューを見ると、牛肉コロッケに、黒胡麻、紅芋、梅、チョコ・・・って、ソフトクリームのメニューかと疑ってしまう。
値段は全て200円。ちょっと高いけど、せっかく鎌倉に来て何も収穫がないのも虚しいし・・・、食べてみるか。
胃が重いし、値段的にお手軽感がないので、後輩と一個を分けることにした。で、購入したのはブラックな胃袋と話題性を考えてチョココロッケ。半分やけくそといった感じ。
早速割ってみると黒い物体が・・・。食べると当然チョコの味が・・・。甘さがほどよく抑えられているので、そこまでまずくはないけど、やっぱり失敗感が・・・。まあ人それぞれ好みは違うということで、味の評価はやめておこう。
でもやはり今まで商店街のコロッケを中心に回ってきたので、この観光地プライス的な値段と、接客の対応はちょっと受け付けなかった。
*Info* 鳥小屋 鎌倉市小町2-10-4
13、エピローグ
これで終わりにしようかと思ったけど、口直しに・・・、いや、鎌倉コロッケが食べれなかった分、もう一軒湘南地域のコロッケ屋に向かうことにした。
で、バイクのところへ戻ると、交通指導員の人がバイクを囲んでいたりして・・・。「すみません。今動かします・・・・。」危なかった・・・。こんな時間でもやっているのか。いや、まだ6時になっていないのか。何にしても気をつけよう。
直ちに出発し、平塚にある湘南コロッケの店を目指したのだが、店に到着してみると、「今日はもう売り切れてしまったのよ」とおばちゃんに申し訳なさそうに言われ、またもや撃沈。コロッケは明るい時間の健全な食べ物になるようだ。
しょうがない。コロッケはもうおしまい。夕食でも食べて・・・、いや、お腹が一杯で食べたくない。途中、マックに寄って口直しのコーヒーを飲みつつ、どこのがうまかったとか、今日一日のコロッケ談義に花を咲かせた後、解散した。
今回のツーリングはコロッケ巡りというあまりツーリングらしくないテーマで行ってみた。
実際にやってみると、コロッケはおいしいし、安くてあまりお金がかからないし、店を探したりするのも楽しいし、食べたら動かなければとB級スポットなどを歩き回るのも楽しいしと、色々と満足感が一杯なツーリングだった。
たまにはこういう変わったツーリングも面白いと、後輩にも好評で、次は今回食べられなかった鎌倉コロッケと湘南コロッケから始め、西へ向かっていくか・・・。と考えるとまた楽しくなり、お腹がすいてくる。
今回一番印象に残ったのは、コロッケ屋の人とのやり取りだった。コロッケが庶民的な食べ物とあって、作るお店の人もやっぱりホクホクと温かみのある人が多かった。
バイクのツーリングでは、現地の人と旅情を感じるようなやり取りがあまりない。だから今回のようなコロッケ屋を巡る旅は、いつもと違って人と多く触れ合うことができ、とても心地よく感じた。
やっぱり旅は人との出会いに旅情を感じるもの。例え観光地にガッカリしたとしても、いい人に出会うと旅の印象がガラッと変わってくる。今回の旅が楽しく感じたのはコロッケよりも、コロッケ屋の人達のおかげなのだろう。
三浦半島コロッケツーリング11'ー 完 ー 風の旅人 (2020年11月改訂)