風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

三浦半島コロッケツーリング
#5 久里浜霊園と三崎

<2011年11月>

今回は少し趣向を変えて、コロッケ店を巡りながら後輩と三浦半島を一周してみました。(全6ページ)

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9、散歩file.2 久里浜霊園と三浦大仏

浦賀から久里浜へ。久里浜といえばペリー上陸の地。ペリー公園の上陸記念碑や記念館が有名だが、何度も訪れているので今日はパス。今回は隣の野比駅から少し山沿いに入った久里浜霊園に向かった。

「霊園って墓地ですよね?」そう戸惑う後輩に、まあ行ってのお楽しみと含みを持たせて、バイクを走らせていく。

そう、ここはただの霊園ではない。大きな三浦大仏が海を見下ろすようにたたずんでいたり、多くの石像が置いてあったりするB級スポットとしてちょっと名が知られている霊園なのだ。

少し迷いつつ久里浜霊園の入り口へ。霊園にしてはとても仰々しい門があり、入っていいのかどうか迷ってバイクを一旦停車。ここで合っているよな・・・と確認して門をくぐった。別の宗教施設に入ってしまったりすると、今までの経験上、ちょっと気まずいことになる。

久里浜霊園からの眺望の写真 三浦半島コロッケツーリング11'
久里浜霊園からの眺望

門からは坂道を登っていくと、寺院や墓地の管理施設の建物があり、案内板によるともう少ししたら閉園時間となっていた。急いで見学をしなければ。

この管理施設からは対向車が来たらバイクだとバックができないのでピンチ!というような狭い急な坂道を慎重に登っていった。

徐々に標高が高くなり、ふと海の方を見ると、なんとも眺めがいい。これはB級スポットではなく、景色を見るために来てもいいかも。ってよそ見をしていては危ない。

慎重に登り続けると、前方に噂の大仏を発見。その横の駐車場に止めて付近の散策を始めた。

手首の石像の写真 久里浜霊園 三浦半島コロッケツーリング11'
手首の石像

大仏は後回しにして、まずは一番上にある芝生広場へ向かった。ここには五重塔を始め、様々な石像が置いてある。

ひときわ目を引くのが一番奥にある聖域のようなエリア。入り口には一対の印を結んだ手首の石像が置いてあるのだが、遠くから見ると入っちゃ駄目とも見え、近づくと入ってOKといった感じに見える。

で、構わず中に入ろうとすると、ビリビリと印を結んだ結界のパワーによってはじき飛ばされて・・・、ってな事は残念ながら起こらなく、中には沢山の観音様に守られた涅槃仏が横たわっていた。

これはかつて起こった4幼女連続殺害事件の供養塔になるようだ。社会を揺るがすような大事件だったので、犯人の名を聞けば多くの人がすぐにこの事件のことを思い出すはず。

確か埼玉などの北関東で起きた事件だったが、こことどういう関係があるのだろうか。その辺はよく分からない。

なんかOKな図の写真 久里浜霊園 三浦半島コロッケツーリング11'
なんかOKな図

あまり騒ぐ場所でもないし、振り向いたらバイクの後ろに沢山の女の子が乗っていたら怖いので、手を合わせてすぐに撤収。手首の印のゲートから戻ろうとすると、今度こそOKのポーズ。大丈夫だよと言ってくれているようでなんかうれしい。

この広場には他に五重塔や、羅漢像、でかい石像の達磨などがあり、ちょっと不思議な空間となっていた。以前訪れた人の話ではもっと色々なものがあったとか。震災の影響で減ってしまったのかもしれない。

五重塔はちょうど夕日が当たっていることもあって遠くから見ると形が整っていて非常に美しく感じた。なんでも法隆寺の五重塔を参考にしているとか。近くに行ってみたが、中には入れなかったのでそのまま大仏へ向かった。

三浦大仏の写真 久里浜霊園 三浦半島コロッケツーリング11'
三浦大仏

三浦大仏は昭和58年に造られたもので、高さは13.5m、納骨堂となっている台座とあわせると21m程。そこそこの大きさがある。

この大仏はよくあるお手軽なコンクリート製ではなく、なんと切り出した石を積み上げた石造の大仏だ。崖を削って造る磨崖仏では大きな大仏はあるが、このような形式の大仏は珍しい。

だけど・・・、近くで見ると、顔の部分は美しいけど、それ以外は彫刻の粗さが気になるし、石の継ぎ目も目立っている。大仏様としては造り込みが甘いかなといった印象だ。

下から見た大仏様の写真 久里浜霊園 三浦半島コロッケツーリング11'
下から見た大仏様

でも下から見ると、そんな細かいことを気にしちゃ駄目だよ。気にしない、気にしない。といった一休さんのようなおおらかな表情。うん、そうだよね。細かいことに難癖をつけてもしょうがない。

本当はもう少しゆっくりと大仏様と語り合いたいところだけど、門を閉められでもしたら大変。見学後は速やかに山を下りていった。

10、コロッケfile.7 三崎のマグロコロッケ

地理院の地図
三浦半島の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

辺りがかなり薄暗くなってきた。11月終わりなので、日中の日が短い。冬のツーリングは寒いのが難点だが、日の短さもまた厄介だ。

ここからは選択肢が二つある。一つは陸上自衛隊の駐屯地がある武山に抜けルートで、葉山、鎌倉と進んで行けば三浦半島一周が大幅に短縮できる。

もう一つは三浦半島の先端の三崎まで行くルート。マグロで有名な漁港で、城ケ崎などの見所もある。ただ、明るい時間なら色々と楽しいが、暗くなってからだとわざわざ行くべきか迷う。

ちょっと迷ったが、せっかくここまで来たんだし、やはり三浦半島のコロッケを語る上で三崎のコロッケは外せないだろう。

それに三浦半島をちゃんと一周しておかないと、三浦半島コロッケツーリングと名付けにくくなる。ということで、三浦半島の付け根にある三崎を目指した。

マグロの水揚げの写真 三崎 三浦半島コロッケツーリング11'
マグロの水揚げ

三崎といえばマグロ。マグロを使った懐石料理、海鮮料理、漬け丼とかが有名だが、トロマンなどのB級グルメやマグロマドレーヌなどといった珍メニューも揃っている。そしてコロッケに関しても、マグロコロッケというものがあったりする。

三崎で向かったのは港にある海産物の産直販売センター「うらり」。数々の海鮮を扱う店が軒を連ねていて、魚市場と道の駅が合体したような場所になっている。

ここの産直センターにある清月という店で、マグロコロッケを販売している。元気なおばちゃんが必ず声をかけてくる店なので、このセンターの中でも印象に残る店だ。

昔訪れたときに食べた事があって、そのときはあまりおいしいと感じなかったので、今回は後輩に食べさせる・・・、いや食べて感想を聞かせてもらおうと一個のみ購入した。

マグロコロッケの写真 三崎 三浦半島コロッケツーリング11'
マグロコロッケ

建物内の休憩所で後輩が試食。さてどんな反応をするだろうか。こみ上げる笑いが抑えられない。この反応を見るためにわざわざ三崎までやって来たといっても過言ではない。

しかし予想外の反応が。「うまいですよ。これ。・・・で、何笑ってんですか。さっきからおかしいですよ。」

マグロコロッケの写真 三崎 三浦半島コロッケツーリング11'
昔食べた時のマグロコロッケ

えっ、変だな・・・。食べかけの部分をみせてもらうと、ポテトとツナが適度に混じりあっている。

以前食べたときは、マグロがドカッと入っていたため、半分ポテト、半分ツナというシーチキンとポテトのかみ合わないコロッケだった。食べてもモサモサ感が酷く、おいしいとは全く感じなかった。

それが今回は少しちぎってもらって食べると、味も普通のマグロコロッケとなっていた。マヨネーズを付けて食べたくなるおいしさだ。

以前がたまたま悪かったのか、改良したのかどっちなのかわからないけど、ある意味ガッカリであり、別の意味ではホッとしてしまった。

*Info* 三浦「うらり」内の産直販売センター 三浦市三崎5ー3ー1

三浦半島コロッケツーリング11'
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