風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

九十九里浜、初日の出ツーリング
#4 玉前神社での初詣

<2011年1月1日>

今年の初日の出ツーリングは、県外から多くの人が訪れ、イベントも賑やかに行われる九十九里浜へ向かいました。(全6ページ)

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4、玉前神社での初詣

太平洋から昇ってきた太陽は雄大で、とても感動的な初日の出だった。あまりの感動に立ち去るのが名残り惜しく感じる。

感動の余韻に浸りながら最初はそう思っていたのだが、10分も経つと、太陽は直視できないほどまぶしくなり、気持ち的にも普通のまぶしい太陽に変わっていた。

いつまでもここにいてもしょうがない。次の目的地へ移動する事にしよう。

浜辺にいた人達もぼちぼちと駐車場の方へ戻っていて、浜では人々の大移動が現在進行形で行われてた。改めて多くの人が来ていることを実感しながら、我々も人の流れとともに駐車場に戻った。

九十九里浜は周囲に何もなく、交通が不便な土地となる。訪れている人のほとんどが車で来ているわけで、駐車場から出る車で付近は大渋滞し、バイクでも思い通りに動けない状態だった。

悪いことに友人達とバイクを停めた場所が違っていたので、合流するのにちょっと手間取ってしまった。

地理院の地図
九十九里付近の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

友人たちと合流した後は九十九里ビーチラインを南下していった。東金や千葉市方面への道が渋滞しているのに対して、こちら側へ進んでいく車はほとんどいない。

車は少なく、海岸線沿いの道はなだらかな直線が続き、普段だったら単調といった感想になりそうだが、今の時間はちょっと違った。

左斜め前方の太平洋から朝日が燦々と照ってきてまぶしい。逆光気味なので、目の前に広がる風景がキラキラと色々なものを反射し、また彩度も抑えられ、とても印象的な光景となっていた。

なんて気持ちのいい道だろう。まるで光の草原を走っているようだ。太陽のまぶしさに目を細めながら、九十九里浜を南下していった。

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九十九里浜の南端にある一宮でビーチラインと別れ、一宮に鎮座している玉前神社へ向かった。

この玉前神社は、平安時代にまとめられた「延喜式神名帳」に名神大社としてその名が載っているほど歴史がある神社で、古くから朝廷や幕府、地元の豪族達の信仰を集め、上総国一之宮という格式を保ち続けてきたといった由緒ある神社になる。

この他では 「上総の裸まつり」「十二社まつり」が行われることでも知られている。房総半島に多く見られる浜降り神事の代表格として広く知られ、壮大な祭礼をひと目見ようと関東一円から大勢の人々が集る。

祭りが好きなので、上総の裸まつりはいつか訪れてみたいと思っている祭りの一つだ。今年こそはと思いつつ、今年も行けるかは不明。まずは初詣でお参りをし、次のきっかけにしたいところ。

玉前神社 九十九里浜、初日の出ツーリング11'
玉前神社の鳥居

神社に到着してみると、多くの参拝者が訪れるようで、臨時の駐車場が近くの小学校の校庭に設置されていた。

さすが格式ある神社だな。神社の半纏を着た氏子の人の誘導で、小学校の校庭にバイクを停めた。

ヘルメットを脱いだりしていると、氏子のおじいさんが「バイクとは珍しい。品川ナンバーって、寒い中、東京からきたの」と話しかけてきた。どうやらバイクが好きみたいだ。

九十九里で初日の出を見て来たことを話すと、ここ一宮の海岸の初日の出も有名だと教えてくれた。ここでも片貝海岸と同じように海岸で大きな焚火を燃やし、太鼓の演奏が行われるそうだ。

「こっちの方が初日の出はきれいなのに、なんでこっちに来なかったの」と笑いながら言われ、「来年はこっちにきます。」と苦笑いしながら答えた。多分、九十九里浜のどこで見ても日の出は変わらないと思う・・・。

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おじいさんに「初詣に言ってきます。」と言い、神社に向かった。小学校から200mぐらい歩くと、神社に到着。朝日を浴びた赤い大きな鳥居が青空によく映えていた。

その鳥居をくぐって境内に入り、本殿の方へ向っていくと、参道の途中から長い行列ができていた。時間的に我々のように初日の出帰りの人が多いようだ。

由緒ある神社だから少々列ができているのは当たり前。むしろ並んでお参りするほうがご利益があるというものだ。と、列の最後尾に並ぶものの、困ったことになかなか進まない。

ゆっくりでもある程度のペースで動けばまだ段々と近づいている感じがするのだが、三歩進んで3分待つような進み方をするので、結構もどかしい。

鰯汁の時のようにさくさく進めばいいのに・・・。みんなお願い事がいっぱいあるのだろうか・・・。

「ただいま境内が混雑しておりますので、お願い事はお一人様お一つだけでお願いします。」なんてアナウンスが流れればいいのに・・・。などと、あまりにも進まない列の中で思ってしまった。

玉前神社拝殿 九十九里浜、初日の出ツーリング11'
修理中の玉前神社拝殿

非常にゆっくりとしか進まない列の中で耐えながら進んで行くと、赤い三の鳥居が見えてきた。一の鳥居、二の鳥居と違って、この鳥居だけ宮島型の鳥居だった。

この鳥居の向こうにようやく本殿が見えてきたのだが、本殿の様子が変だ。なんか覆いで囲われている・・・。

よく見ると、「平成の大修理」の文字が掲げられていた。せっかく来たというのに・・・。これだけ並んだのに・・・。なかなかショックな展開だ。

よりによって今年に修理しなくても。来年にしてくれればいいのにと考えるのはやっぱり観光客だけだろう。でもこういう状態だと知っていたらきっと来なかったと思う。それが観光客というものだ。

社殿前の様子 玉前神社 九十九里浜、初日の出ツーリング11'
社殿前の様子

ここからももどかしいほどゆっくりと列が進んでいき、しばらく列の中で我慢していると、ようやく順番が回ってきた。

拝殿は修復中で完全に入れなく、横の方にちょっと味気ない仮の拝殿が設置されていて、ここでお参りするようになっていた。

これが小さく、一度にお参りできる人数も限られてしまう。だから列がなかなか進まなかったようだ。

さて、今年のお願いは何にしよう。ってお願いばかりしていても駄目だろうな。努力も必要だ。「努力もしますから、・・・」ってなお願いをしてみたが、なんだか言い訳がましくて効果が薄そう。

拝殿が修復中でショックだし、仮の拝殿は味気ないし、列には並び疲れてしまったし、どうも今年はお願いにも力が入らない。適当な感じでお参りを済ませてしまった。

お参りを終えると、友人達はおみくじを引いていた。彼らにとっては毎年の恒例行事。聞くと、今年の運勢は吉ということ。書いてある内容からも、まあまあの年になりそうだとか。

大吉だと引いた瞬間はうれしいが、本当だろうかとすぐに不安になってしまう。凶は引いたときも引いた後も気分が悪い。そういう点ではやっぱり吉が一番安心する。

友人の性格的には今年はいいくじを引き当てたといった感じで、満足そうな顔をしていた。

九十九里浜、初日の出ツーリング11'
#4 玉前神社での初詣
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