九十九里浜、初日の出ツーリング
#1 初日の出のメッカに行こう

１、初日の出のメッカに行こう

マイナス７度、いや、実際はマイナス８度だったらしい超極寒の富士五湖初日の出ツーリングを行ったのはかれこれ３年前の話。

今年は予定のない正月となりそうなので、３年ぶりに友人たちと一緒に初日の出ツーリングに出かけることにした。

今年というか、来年の初日の出はどうなっているのかな。友人に電話をしてみると、行くことにしてはいるけど、まだ具体的なことは何も考えていない、とのこと。

話を聞くと、私の参加しなかったここ２年間も友人達はきちんと初日の出ツーリングを行っていて、２年とも熱海近辺で日の出を見たとか。

「なんで熱海なの？」と聞くと、他にいい場所が思いつかなったそうだ。さすがに今年は別の場所に行きたいとのこと。なら旅のマイスターにお任せなさい。思い出に残る初日の出ツーリングにしてみせましょう。

＊国土地理院地図を書き込んで使用

ってなことで、最近イベントを訪れることに凝っている私が企画を担当し、その目的地に決めたのは房総半島東岸の九十九里浜。

太平洋への眺望が開けた九十九里浜では、御来光にあわせて各自治体ごとにイベントが行われている。そういったイベントに合わせて訪れれば、初日の出以外でも楽しめるし、待ち時間も楽しいに違いない。

それに現在ではＥＴＣの社会実験とやらで、アクアラインがなんと640円で通行できたりする。

旅人が高速道路を走ってもいい旅にはならないが、アクアラインだと海に浮かぶパーキングエリアの海ほたるを含め、走ること自体が旅心を誘う。値段的にお手ごろだし、これを利用しない手はない。

そういった感じで友人に提案してみると、「それは面白そうだな。行きたい。」と、珍しく話を聞いた瞬間に行く気満々になっていた。

伊豆半島へは行く機会が多いものの、房総半島にはあまり行く機会がないので、今回のツーリングは魅力的に思えたようだ。

しかも前回のような極寒の富士山とか、きつい山登りじゃないというのも即決の要素になったとか。

と言うことで、2011年の初日の出ツーリングは初日の出のメッカとも呼べる九十九里浜で、イベントに合わせて初日の出を見ようといったツーリングになった。

九十九里浜は、房総半島の東側、外房に弓状に広がっている長い浜のことだ。九十九里の名前の通りだと99里ある浜で、１里は約４キロなので、×99で全長396キロの長い浜・・・。って、おかしいな。東京から名古屋よりも長いことになるぞ。

なんで九十九里なの・・・、とせっかく訪れるのだから調べてみると、なんでも古くは玉浦（玉の浦）と呼ばれ、源頼朝の命で6町を1里とし、1里ごとに矢を立てたところ99本に達したという伝承から九十九里浜と言われるようになったとか。確かではないが、この説が一番有名な説になっている。

その頃使われていた１里は６町（1町は約109ｍ）で、109ｍ×6町×99里で計算すると約64.7キロとなり、現在の全長は約66キロということなので、だいたい一致する。

その長い九十九里浜の中心は、真ん中付近にある九十九里町。ここでは町を挙げてといった感じで、初日の出前後に色々な行事が行われ、県外からも多くの人が訪れている。

その他にも匝瑳市の八日市場海水浴場（吉崎浜）では初日の出にあわせてよさこいが行われていたり、山武市蓮沼海浜公園ではけんちん汁を配布していたり、その他の浜でも餅の配布を行っていたりと、九十九里浜全体が初日の出のメッカとなっている。

この中のどこへ行こうか。と考えるまでもなく、初めて九十里浜で初日の出を見るので、一番規模が大きく、賑やかそうな九十九里町の片貝海水浴場を訪れることにした。

今回の初日の出ツーリングの参加者は、色々と誘ってはみたが、最終的に友人とその弟、そして私と3人だけだった。正月という特別な日にわざわざツーリングに行けるような人を見つけるのが段々と大変になってきた気がする。

無理に誘って家族問題でも起こったらそれこそ大変。少人数でも暇人同士で気兼ねなく行えるのが一番。そういう意味でも初日の出ツーリングは特殊なツーリングといえる。

もう10年も経てばそれぞれ子育ても一段落し、逆に居場所がなくなって行きたいというメンバーが増えていくかもしれない。それまでは我慢の期間。細々と頑張って行こう・・・。

って、話がそれたが、今回は人数も少ないし、ちょっと寄ってみたいところがあったので、友人とその弟とは直接九十九里海岸で集合ということにした。

その行きたい場所は、北区の王子。ここでは新年が開けると同時に狐の行列というイベントが行われている。とても面白そうなイベントで、前々から見たいと思っていた。

両方行くとなると、どうしても徹夜になってしまう。今回は大晦日の夕方前からしっかりと寝て、初日の出ツーリングに備えた。