天狗と深海魚ツーリング
#4 酒水の滝と金太郎の里
<2008年4月>
天狗寺と言われる大雄山最乗寺などに寄りながら、西伊豆の戸田へ深海魚料理を食べに行ったバイクツーリング記です。(全6ページ)
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5、酒水の滝
大雄山からは国道246号方面に北上していった。途中で信号待ちをしている時、後輩が「バイクを直したいのでコンビニに寄って下さい。」と言ってきた。
ビニールテープでも買って、割れた部分でも補強するのかな。特に慌てた様子もなかったので、次にあったコンビニで停まると、「朝から変な感触がしていて・・・」とシートの下に収納している車載工具を取り出し、フロントのブレーキキャリパーのネジを締め始めた。
あっ、なんだ。ブレーキが取れかかっていたのね。ちゃんとネジを絞めておいたほうがいいぞ。・・・、って、おい!危ないではないか。死ぬぞ。次のコンビニとは言わず、気付いたらすぐ直してくれ。全く持って心臓に悪いことをしてくれる後輩だ。
気を取り直してバイクを走らせ、国道246号との合流付近にある酒水の滝へ立ち寄った。ここは日本の滝100選に選ばれている滝だが、それよりも酔っ払いそうな名前の方に惹かれる。
きっとアルコールを含んだ水が流れているといった、おとぎ話とか昔話に出てくるような滝に違いない。そしてマイナスイオンの代わりにアルコールを浴びてリフレッシュってなことができるかも。
でもって、帰り道には飲酒をしていないのに飲酒検問に引っかかって免停。いや、最近では厳しくなったので一発で取り消しになってしまうのかな。ってそんなことはないか。
滝の名前から色々と想像が膨らみ、訪れるのをとても楽しみにしていたのだが、実際に訪れてみると、あいにくと遊歩道の工事をしていて、すぐそばまで行くことができなかった。
遠くから見るかぎりでは、新緑の中で美しく流れていて、「酒水の滝」という名が似合っていないほど雰囲気のよさそうな滝だった。できれば近くまで行ってみたかったな。まあしょうがない。こういうこともある。
滝の近くから湧き出ている水は日本の名水100選に選ばれている。こちらは訪れることができ、実際に水を飲むことができた。
飲んでみると、酒の味はしなかったが、ほんのりと甘い感じがした。味覚がおかしくなったのかな。それともこういう性質の水なのかな。或いはこの時期限定の新緑の味という可能性もある。
滝を見学した後、駐車場に戻っていると、後輩が「やっぱり買っておこう」と言い、地元農産物の無人販売所で朝茹でタケノコを買っていた。どうやらタケノコ好きで、滝に向かう時から目を付けていたようだ。
この辺りで育ったものなら、さっきの水をたっぷり吸収しているはず。甘みがあっておいしいかもしれない。
6、金太郎の里
酒水の滝からは国道246号に出て、御殿場方面へ西進していった。そして小山町で一旦バイパスを降りた。
小山町といえば車レースの世界選手権F1が開催されたサーキット、フジスピードウェイがあることで、多分・・・、世界的に知られている。
それ以外では名を聞くことがほとんどないが、実は有名な昔話の金太郎の里でもある。その中心的存在が金時公園と金時神社で、国道からそんなに離れていないので、ちょっと立ち寄ってみることにした。
バイパスを降りて案内板に従って進んでいくと、金時公園があった。園内には子供の日が間近ともあって、沢山の鯉のぼりが新緑の緑の中を気持ちよさげに泳いでいた。
公園内を歩いてみると、金太郎に所縁の地らしく、でっかい金太郎の絵が描かれた看板が設置されていたり、金太郎にちなんだ大まさかりのオブジェなどが置いてあった。子どもが喜びそうな楽しそうな雰囲気がする公園だ。
なぜここが金太郎の里なのか。それは金太郎のモデルになった坂田金時がここで生まれたからで、金時神社がある場所に坂田金時が育った家があったといわれている。
その金時神社はこの公園の一番奥にあり、社殿には豊漁祈願なのか、金太郎が荒波にも負けず、大きな魚を捕まえている絵が描かれた神社幕が掛けられていた。
金太郎が海に行くといった感じで描いたと思われるが、なんか桃太郎みたい・・・。あまり様になっていないような気もするけど、それが逆に微笑ましかったりもする。
園内で一番印象に残ったのが、広場の真ん中に土俵らしきものが作られていたことだった。
きっと子供の日に合わせて金太郎にちなんだちびっ子相撲大会でも行われるのだろう。もしかしたら物語になぞって大人が熊に仮装して出てきたりするのかな・・・。そんな楽しい場面を想像しつつ金時公園を後にした。
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