マアルーラの町並み
View of Maaloula, 2001ダマスカスの北56km、アンチレバノン山脈の荒涼とした岩山が聳え立つ渓谷にひっそりとマアルーラの村があります。人口は3千人弱で、村の名はアラム語の「入り口」に由来しています。
世界最古のキリスト教徒定住地の一つと言われ、マアルーラ住民の大半がキリスト教を信仰しています。教会や修道院が多く、村のいたるところで十字架を見ることができ、聖テクラ修道院(Mar Taql)など岩山の洞窟を利用した修道院があるのもここの特徴の一つです。
また古いアラム語を話す住民がいることでも知られています。古代セム語に属するアラム語はレバント(西アジアの東地中海地域)で広く使われていた言葉で、イスラム勢力の拡大とともにアラビア語が使われるようになり、今では理解できる人はごくわずかしかいません。
ここは本当に凄い景観を持った村で、巨大な岩山のある斜面に建物が張り付くように建てられています。その特異な景観に感嘆すると同時に、非常に危うく感じてしまいます。
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* シリア情景素写 *

岩山の谷間にひっそりあるといった感じです。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

近づくにつれて立地の凄さに驚きます。
バス停からはかなり歩きました・・・。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

谷間の斜面に建物が密集しています。
絵になるような美しい村です。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

当然ながら坂道の多い町並みです。
距離と高さを頭で計算してしまうと、足の進みが重くなります。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

よく見ると崖に十字架が掘られています。
(In Latakia, 28 Mar. 2001)

村にはドームや尖塔ばかりです。
教会やモスクが多く、宗教施設が仲良く並んでいます。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

どう考えても危険な風景です。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

日本では絶対こんな場所に家を建てません。
地震大国の日本人からすると驚愕の連続です。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

横穴が沢山掘られていました。修行僧が修行していたのでしょうか。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

穴の一つはロバの家になっていました。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

なかなかの絶景です。
足が棒になりながら登ったかいがありました。
美しいものにはトゲがあるとよく言いますが、
ここは危険な美しさというべきでしょうか。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

頭上にこういった岩があるのはやっぱり怖いです。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

The Monastery of Saints Sergius and Bacchus
崖の上にある小さくお洒落な感じの修道院です。
4世紀初頭に建てられたという歴史のある修道院です。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)

崖の上はのどかな風景が広がっていました。
(In Maaloula, 2 Apr. 2001)
崖の間に張り付くようにして立地しているといった町の様子は絶景といった感じでとても美しかったです。ただ日本人としてはありえないというのが正直なところでしょうか。
あまり村のことを詳しく知らなかったし、足が棒のようになっていたので、由緒ある教会や岩窟を利用した修道院を訪れず、景色だけ見て満足し、帰路に着いたのが心残りです。
イスラム教とキリスト教が混在しているのも美しいと感じた場所ですが、シリア内戦ではほぼ全ての宗教施設が破壊されてしまいました。とても悲しいことです。
マアルーラの町並み
View of Maaloula, 2001 -風の旅人- (2019年12月更新)