宇都宮餃子ツーリング
#5 餃子の食べ比べ

５、餃子の食べ比べ

参拝や散策を終えると、餃子の専門店が集まっている付近を訪れてみた。そろそろ食べ始めないと帰るのが遅くなってしまう。

まずは正嗣と双璧をなす「みんみん」へ。どうせなら本店で食べたいと思って向かったのだが、店の前には大行列ができていた。

5人程度ならそのまま列に並ぼうと決めていたが、こんなに並んでいるとは・・・。予想外の事態に驚いた。

って、今４時半だよな。こんな中途半端な時間にこれだけの行列ができるということは、もしかして一日中行列しているのか。

近くにある正嗣の本店にも訪れてみると、こちらも行列ができていた。宇都宮餃子恐るべしってやつだな。こんなに人気があるとは思っていなかった。

正嗣はさっき食べたからいいとしても、「みんみん」のあの行列に並ぶのは面倒だな・・・。餃子だから回転は速そうだけど、やっぱりそれなりに時間が掛かりそうだ。でも、「みんみん」の餃子を食べないと、今回の餃子の食べ比べが中途半端なものになってしまう。

あっ、そういえばガイドブックに餃子の店が集まっているデパートがあると書いてあったぞ。ページをめくってみると、神社前にあるデパートの地下に「来らっせ」という餃子専門のフードコートがあり、「みんみん」も出店しているとある。よしっ、そこへ行ってみよう。

デパートに入り、エスカレーターで地下に降りてみると、「来らっせ」があった。広い空間にはいくつかの餃子の店が営業していて、フードコートのような感じで手軽に食べ比べができるようになっていた。

客は数組いる程度で混んでいない。これはいい。店ごとの雰囲気の違いや、実際の店舗との味の違いなど気になる部分はあるけど、何軒もはしごして食べ歩かなくて済むというのは、時間のない観光客にはありがたい。

ということで「来らっせ」で餃子の大試食会を開始。みんみんの餃子を中心に「五月」「めんめん」「幸楽」の餃子を食べ比べてみた。

まずはちょっと前に食べた正嗣と人気を二分する「みんみん」の餃子を食べてみた。しかし・・・あれっ、私の中では普通の餃子だった。あまり個性がないというか、普通。なんか表現が難しい。

本店などで食べれば違う結果だったのだろうか。もうちょっと違ったものを期待していたので、失望感が・・・といった感じ。

でも後輩の方は「これうまいですよ。正嗣よりもこっちの方が好きです。」と好印象のもよう。味や好みは人ぞれぞれ。同じものを横で食べていても違った感想になる方が楽しい。

予想外に美味しかったのは幸楽の餃子。シンプルながら旨みが詰まっている感じ。（写真を撮り忘れていました。）

羽付き餃子で有名な「めんめん」は高級中華料理店の餃子っぽい感じで、味付けが小龍包みたい。案外蒸し餃子にすれば美味しいかも。

これは好き嫌いが分かれそうな感じで、その分羽付きにして話題性を高めているような気もする。

「五月」は他のが味に特徴があったせいか、ちょっと味気なく感じてしまった。

たぶん本来の評価はさっぱりとしていて飽きがこないといった感じになるはずだが、もうすでに色んな餃子を食べた後では餃子自体に飽きがきていて、さっぱりしたという感想が出てこない。

そのためなんかいまいちな評価となってしまった。最初に食べていたり、食べ比べじゃなければ違った印象だったと思う。

今回ここで食べ比べてみて気が付いたのは、餃子の味以上にタレの味がぜんぜん違うことだった。

ラー油にこだわっているところ、醤油にこだわっているところ、ここまでタレの味が違うとは思っていなかった。全て同じタレで食べるのと、それぞれのタレで食べるのとでは全く味の印象が違ってくるはず。次回食べ比べるときにはこの点を留意してみないといけないな。

またこういった食べ比べは、一人で黙々と食べると真剣になりすぎて面白味がないものだが、友人などとわいわいとやってみるとなかなか楽しい。

それに多くの種類の皿を頼んで、それを分ければ数個単位で食べることができるので効率がいい。

とはいえ小さい割には結構餃子というのはお腹にくるもの。2人で全種類制覇だと張り切っていたものの、第一陣で頼んだものを食べ終わると、次の注文をする気力というか、胃の余力が残っていなかった。もういいか・・・。げぷっ。意外と味が濃いので胃にもたれる。

で、今回の第一回宇都宮餃子選手権の私個人の結果は

１、正嗣
２、幸楽
３、みんみん
４、めんめん
５、五月

もちろんどれもおいしかったのだが、あくまでも餃子は安く手軽にといった個人的な主観に基づいた感想になる。

餃子は好きな食べ物なのでまたいつか第二回を行いたいな。そのときはもう少しマニアックな線まで掘り下げるとか、水餃子でこだわってみるのも面白いかも。

そんなことを考えつつ、ヘルメットの中に餃子の臭いを漂わせながら東京へ向かってバイクを走らせた。