風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

超極寒の富士五湖初日の出ツーリング
#1 感動の初日の出を見に行こう!

<2008年1月>

恒例となっている初日の出ツーリング。今年目指したのは富士五湖の一つ本栖湖。ある程度覚悟はしていたものの極寒の世界でした。

*この旅行記は全5ページで構成されています。2008年1月の旅行記です。現在とは状況が異なっている部分もあるかと思います。

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1、感動の初日の出を見に行こう!

成田空港の様子
成田空港

年の瀬となり、今年も間もなく終わりだ。今度の正月は休みが長く取れそうなので、久しぶりに海外へ出てみようかと算段していたのだが、行きたい国への日程や予算が折り合わなく断念した。

国内旅行は高くて行く気がしないので、今年もまたバイク仲間と正月の恒例となりつつある初日の出ツーリングに出かけることにした。

さて今年というか、来年のツーリングはどうなっているのかな。友人に聞いてみると、まだ誰も企画していないとのこと。じゃあ、まかせなさい。ということで、昨年に引き続き、私が企画することにした。

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さてどこへ行こうか。メールで仲間に「どこへ行きたい?」「どっち方面がいい?」と尋ねてみるものの、「どこでもいい。」「任せる」としか返事がこない。どこでもいいというならしょうがない。昨年のように勝手に決めてしまおう。

一昨年は静岡の御前崎へ、昨年は房総半島南部の清澄山へと行った。西と東へ行ったので、流れ的に北へ行ってみるか。

まず最初にそう思い付いたものの、関東の北部は海に面していないので日の出を見るとしたら山の上とかになる。すぐ頭に思いつくのは秩父の山とか、筑波山。

でも一緒に行くメンバーは旅好きではなく、バイク好きな仲間。バイクで山の上の方まで行けるのならともかく、普通の山に自分の足で登ってまで初日の出を見たいとは思わない連中だ。山以外で魅力的な場所も思いつかないし、イメージ的にも寒そうだし、北は無しかな。

昨年に引き続き日本一早いシリーズ第二弾ということで、関東最東端の銚子というのも魅力的だけど、やっぱり二年連続で房総半島というのは私的には面白みに欠ける。行くとしたら再来年だな。

西の伊豆半島あたりで探すかな。って、毎年春にこのメンバーで伊豆にツーリングに行っているので、冬にまでも・・・といった感じであまり気が乗らない。

なかなか思いつかないな・・・。せっかく行くのだから思い出に残るような場所に行きたい。楽しめるような場所に行きたい。旅について色々と知識があると、目的地を探すのにも自然とこだわってしまうもの。おかげで必要以上に頭を悩ませてしまう。

でも、訪れたときに仲間が喜ぶかな・・・。あいつだったらこう反応するだろうな・・・などと思い描きながら頭を悩ませることは、私的には楽しかったりする。

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色々考えるけど、閃きやときめきを感じる場所がなかなか見つからない。わざわざ正月の寒い中を出かけるなら、「あそこに行ったぞ!」と後で話しのネタになるような場所でなければモチベーションが上がらないというもの。

そうだ。海外旅行に行こうと購入したデジタル一眼レフが活躍する場所でもいいな。関東近辺で写真的に絵になる初日の出は・・・と、少し別の視点から検索してみると、ダイヤモンド富士がヒットした。富士山の山頂に重なって初日の出が登るというやつだ。

そういえば新年の初日の出のニュースでやっているのを見たことがあるぞ。感動的な初日の出と紹介されていたな。よし、今年は「日本一感動の初日の出ツーリング」にしよう。

地理院の地図
本栖湖、竜ヶ岳の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

しかし調べてみると、元旦の初日の出でダイヤモンド富士が見れる場所はたった二箇所しかなかった。一箇所は富士五湖の一つである本栖湖の南側にある竜ヶ岳で、1時間弱登った中腹の展望台か、2時間登った山頂でしか見ることができないようだ。

もう一箇所は甲府の南にある増穂町高下。ここは近くまで車で行けるみたいだけど、ひどい混雑ぶりだとか。おまけに狭い道をそれなりの標高まで登らなければならなく、車ですら路面が凍結していて危ないと書いてあった。

他のメンバーは写真には興味のない普通のツーリング仲間。日付が変わる頃から寒い中でいい場所を取るために待機したり、2時間も山を登らせるというのは酷な話。

これは参ったな。昨年の清澄寺ぐらいの感じがちょうどいいんだけど。どうしよう。一応友人に電話してみると、「もの凄く珍しいものが見られるんだったら、百歩譲って一時間弱の登山なら我慢してもいい」とのこと。

もの凄く珍しいものだから頑張って行ってみるか。一生に一度しか見られないようなものだし。という事で、08年の初日の出ツーリングは「竜ヶ岳の中腹、感動のダイヤモンド富士初日の出ツーリング」と決定した。

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しかし思い通りにいかないのが、私達のツーリングの常。直前の天気予報を見ると、今年の正月は「大寒波到来!」「大雪に警戒!」との見出し。

げっ、また雪かよ。まいったな。脳裏に中止の文字が横切ったものの、天気予報をよく見ると、日本海側では大雪に警戒とのことで、関東付近は晴れの予報だった。

なんだ、よかった。胸をなでおろしたものの、河口湖のスポット天気予報を調べてみると、晴れは晴れなんだけど、なんと最低気温がマイナス5度・・・。山の上はそれ以上というか、それ以下。カチコチに凍っている世界だ。

さすがにやばいと思ったようで、友人から「バイクで行って大丈夫なの?」と電話がかかってきた。

正直なところ他のメンバーは行くことにはしたものの、極寒の中でのツーリングにあまり乗る気ではなかったし、登山に関してはなるべくなら回避したいと思っていた。

気温が低くても路面が凍結さえしていなければバイクで普通に走る分には問題ない。でも登山に関しては、登山道が凍結するので、トレッキングシューズなどが必要だ。

そういったものを購入してまで山登りを強行すると反発を受けそうだし、普段山登りをしない人がこの寒さの中を登るのも不安だ。やっぱり山登りはやめよう。

といったことで、ダイヤモンド富士の初日の出を見よう!といったツーリングは断念することにした。

ただ、せっかく思い立った富士山での初日の出という構想は捨て切れなかったし、寒い中をバイクで行く覚悟は友人なども既にできている。

登山無しで見ることのできる本栖湖から富士山越しに登る初日の出を見に行こう。ここの風景は千円札にも描かれているほど凄いんだぞ。と伝えると、友人たちも「それでいいよ」と納得してくれた。

超極寒の富士五湖初日の出ツーリング08'
#1 感動の初日の出を見に行こう!
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