風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

御前崎、初日の出ツーリング
#2 御前崎での初日の出

<2006年1月>

友人から初日の出を見に行こうと誘いがあり、御前崎へ人生初の初日の出ツーリングに出かけました。(全5ページ)

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2、御前崎での初日の出

寒い中の長距離となるので、他のメンバーは少し早めの深夜2時に東名の海老名SAに集合し、途中のサービスエリアで時間を調整しながらゆっくりと御前崎に向かって行くようだった。日の出時間は7時少し前なので、かなり時間に余裕がある行程となる。

私は仕事の後なので、時間をかけて行くよりは少し長めに仮眠をとる方を選び、後から追いかけることにした。

とりあえず国道246を走って、時間を見ながら高速道路に乗ればいいかな。高速代がもったいないし、一般道の方が旅をしている気分になれるし・・・と、貧乏性の旅人なので常に第一選択肢は下道。

旅の楽しさは下道にあり。それは途中下車の旅と通じるものがあると思っているのだが、なかなか旅好きな人以外には理解してもらえない。

地理院の地図
神奈川付近の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

仮眠をとったし、さて出発しよう。時刻は深夜2時。今年は暖冬らしいけど、バイクだともの凄く寒そうだな・・・。冬のこんな時間に長く走る事がないのでちょっと不安。

とりあえず着れそうな物は着ておいたほうが安心だ。不要なら脱げばいい。といった感じで、防寒着の下に沢山着こんで出発した。

出発すると、まずは国道246号に合流し、西に向かった。世田谷からなので、第一関門は東京と神奈川の県境となっている多摩川。長い新二子大橋を渡っていくと、橋の上は少し風がきつかったが、着込んだだけあってあまり寒さを感じない。これなら大丈夫だ。

その後は順調に溝の口、青葉台、町田、海老名と通過していった。いつもは車の多い国道246号も、元旦の朝ということで車がほとんど走っていない。

驚いたのが、いつもは夜でもそれなりに多く見かけるトラックがほとんどいなかったことだ。何て走りやすいのだろう。こんなに走りやすい246は初めてだ。というぐらい快適に走れた。

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厚木の市街地を過ぎると信号が少なくなり、ここからは一段と走りやすくなった。その分、照明が少なくなり、道が少し暗くなった感じがする。

暗く寒い夜道を一人で疾走していく。一人なので心細いと感じるけど、逆に言えば気が散ることなく集中して走れる。休憩のために停まるとそれはそれで寒いし、特にすることもない。

ということで、集中して飛ばし気味に走れば運転もはかどるというもので、気が付いたら沼津近くまで来ていた。

思っていたよりもあっけなく沼津に着くな・・・。あまり疲労感もない。時計を見ても、こんなに早く下道で沼津まで来れるのかと驚いてしまう。

国道246号と東名のアクセスがいいのが、厚木、大井松田、沼津など。時間と相談しながらそのどこかで高速に乗ろうと思っていたけど、結局沼津まで来ることができた。

友人たちとは、東名高速の日本平PAで待ち合わせをしていた。待ち合わせ場所に行くにはいったん高速に乗らないといけない。ここ沼津ICで乗るか、まだ時間があるからこのまま下道を走って直前の清水ICで乗るか。

沼津まで下道で走ったのでもう十分かなと思ったが、時間的にはこのまま下道で御前崎まで走り続けても間に合いそう。だったら第三の選択肢として最後まで下道で走ろう。それが旅人のこだわりってものだ。

下道にこだわるということで、友人にメールを送り、直接、御前崎灯台で集合することにした。高速のインター出口付近で友人たちを待つという方法もあったが、どっちが先になるかわからないし、すれ違いになると厄介なのでやめた。

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沼津からは国道1号線と合流したのもあって道が広くなった。途中からは高速道路のようなバイパスが続き、さすがは日本の大動脈である東海道だと感心してしまった。

順調に富士、清水、静岡、藤枝と西進していき、金谷から473号を南下し、6時半すぎに御前崎に到着した。日の出時間に間に合った。まずはホッと胸をなでおろした。

初めての初日の出ツーリング。しかも東京からはるばる御前崎に遠征して来て、日の出時間に間に合わなかった・・・ってことになったらショックで落ち込むに違いない。

御前崎灯台付近 御前崎、初日の出ツーリング06'の写真
御前崎灯台付近

初日の出スポットとなっている御前崎灯台付近は多くの車で混雑していて、付近の駐車場はどこも満車だった。どこに停めようかな・・・。ウロウロしていると、バイクがまとまって停まっている場所があった。

こんな寒い中をバイクで来ている人がいるんだ。我々ぐらいしかいないと思っていたのに・・・。バイクで初日の出を見に訪れている人がそれなりにいることに驚いた。

とりあえずその一角に私もバイクを停め、他のメンバーが来るのを待つ事にした。

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しばらく待っていると他のメンバーが到着し、「あけましておめでとう」と挨拶を交わした。過酷な道中だったというわけではないが、やっぱり知ったメンバーの顔を見ると、自然に顔がほころんでくる。

そして一緒に海岸付近へ行き、日の出を待った。天気は予報どおりで曇り。肝心の東の空は厚い雲で覆われていた。日の出を見るにはちょっと厳しい状況だ。

辺りを見渡すと、さっきよりも人が増え、それなりに混み合ってきた。曇っていてもこれだけ多いのなら、快晴の予報だったならかなりの人が集まっていたに違いない。

それにしても・・・、初日の出を見に来る人って意外と多いんだな。ちょっと驚いた。

私の生まれ育ったのは山陰。元旦に晴れることがない。というのはオーバーだが、初日の出を拝める可能性はかなり低い。それに日の出も水平線から見える場所はなく、山からしか上ってこない。なので、あまり初日の出を見るという風習がない。

だから今回初めて初日の出をこういった形で見に来たので何もかもが新鮮だった。特に寒い中、友人や家族などと「まだ~」「寒いね~」などと身を寄せ合うようにしながら初日の出を待つというのも楽しいものなんだなと、今回の一番の発見だった。

展望台付近の散策 御前崎、初日の出ツーリング06'の写真
展望台付近の散策

日の出時間になったが、肝心の太陽の方は現れる気配がなかった。分厚い雲が邪魔をして太陽が出てこれる状態ではない。

天気予報を見て、予め日の出は見られないと覚悟をしてきたので、そこまでがっかりすることはなかった。が、やはり幾ばくかは「もしかしたらいい朝日が見れるのではないか」といった淡い期待もあったので、残念という気持ちには変わりがない。

5分待っても状況は一緒。「まだ出てこないのかよ~。」とブツブツと文句を言っていても気持ちまで寒くなるだけ。日が出るまで防波堤を歩いたり、記念碑の前で記念写真を撮ったりして時間をつぶす事にした。

御前崎のモニュメントで記念撮影 御前崎、初日の出ツーリング06'の写真
御前崎のモニュメントで記念撮影

写真を撮ってもらったらブレていました。
人相が悪いと損です・・・。

しばらく待つものの、なかなか太陽が見えない。「ずっとこのまま見えないままでは・・・。もう諦めて帰ろうか・・・」などと話していると、かなり高い位置から太陽の光が差してきた。

雲の隙間からなので、すがすがしい朝日といった感じではなかったが、まあそれはそれ。深夜に寒い思いをしてここまで来た事が、どんな日の出でも神々しくさせるといった感じで、再び「あけましておめでとう」とみんなで挨拶を交わした。

雲の中からの日の出 御前崎、初日の出ツーリング06'の写真
雲の中からの日の出
バイクと記念撮影 御前崎、初日の出ツーリング06'の写真
バイクと記念撮影

これで思い残すことは・・・。そうだ、せっかくバイクで来たのだから記念に集合写真を撮っておこう。バイクを停めた場所に戻り、バイクを並べて記念写真を撮ることにした。

バイクを倒さないように慎重に並べていたら、今まで見えていた朝日は再び雲の中へ。え~~~。このガッカリ感ときたら言いようがない。次見えるまで待っているのも面倒なので、そのまま写真を撮った。

背景の空が曇っているのがいまいちだけど、後でそれらしく太陽の光を写真に加工しておけばいいか。いや曇っていたという方が思い出になるのかな。これは後で振り返ってみないとわからない。

御前崎、初日の出ツーリング06'
#2 御前崎での初日の出
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