エルサレムの旧市街で
At Old City of Jerusalem, 2001エルサレムは紀元前30世紀頃、オフェルの丘に集落を築いたのが起源とされています。とても歴史のある町です。
紀元前10世紀にヘブライ王国が成立すると、2代目のダビデ王によって都と定められ、3代目のソロモン王によって、モーゼが神から授かった十戒の石版を祀(まつ)るソロモン神殿が建設されます。
その後、バビロン、ローマ、イスラム、十字軍などによって征服され、町は破壊と再建が繰り返されます。現在の旧市街はオスマン帝国時代に整備されたものが中心となっています。
エルサレムの最大の魅力であり、場合によって問題を複雑にしているのが3つの宗教の聖地があることです。民族宗教ごとに地区が分かれていたり、多くの宗教施設が雰囲気のいい旧市街に所狭しと並んでいます。
とても魅力的な町で、巡礼者や観光客が世界中から訪れています。
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* エルサレム情景素写 *
シオン門はエルサレム旧市街の一番南側にある門です。シオンの丘に通じているのでシオン門と呼ばれています。ユダヤ人にとっては重要な地名で、シオニズムの語源になりました。
イスラエルの独立をかけた第一次中東戦争(1948年5月)ではユダヤ人地区に取り残された人々を救出しようとしたイスラエル義勇軍がこの門から突入しました。
結果としてイスラエル軍は敗れましたが、過去の英霊を忘れないために当時のままの状態で残されています。激戦だったようで弾痕が数多く残っています。
門から出たところにはダビデの墓があることからダビデ門とも呼ばれ、ダビデの墓の2階には最後の晩餐の部屋もあり、多くの観光客が通る門となっています。
ダビデの墓の2階にイエスが処刑される前に十二使徒と共に最後の晩餐をとった部屋があります。
最後の晩餐といえば、テーブルにイエスを中心に横並びになって食事をしているあの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を真っ先に連想してしまいます。
しかしそういったイメージを持って訪れると、柱だけで何もない部屋にガッカリしてしまいます。テーブルで椅子に座って食事するというのももっと後の習慣となるようで、絵画の光景はレオナルド・ダ・ヴィンチが想像を大きく膨らませて描いたようです。
* 感想など *城壁に囲まれたエルサレムの旧市街には中世のような街並みが続いています。町には3つの宗教の聖地をはじめとした多くの宗教施設が並び、また住民のスークや観光客の土産物屋が並び、とても情緒豊かな町並みを持っています。
京都を訪れれば日本のことをカバーできるといった感じで外国人に人気となっていますが、ここエルサレムを訪れれば中東の町をカバーできるというぐらい様々な魅力が詰まっているように思います。
エルサレムの旧市街で
At Old City of Jerusalem, 2001 -風の旅人- (2019年12月更新)