風の結晶 ~風の旅人エッセイ集~
旅や旅人にまつわるエッセイ#7

旅の出費と旅人の金銭感覚

長期の旅ではいくらお金がかかったの?気になるようでよく尋ねられます。旅の予算は人それぞれ、でも使い方を分析してみると人それぞれで面白いものです。ここでは旅の予算と、旅人の金銭感覚についてつづってみました。

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1、旅とお金

旅とお金というのはとても密接な関係があります。もちろん旅以外の事、日常生活において何をするにしてもお金というものは必要ですが、旅でのお金の重要度は日常よりも切実なというか、とてもシビアな存在です。簡単に言うならお金こそが全てであり、お金さえあれば何とかなるといった感じで、昔の諺にある「旅路の命は路用の金」というのが一番いい例えになるでしょうか。

とはいうものの、正直言って多くの人はなんとなくしか理解できないかと思います。なぜなら日本人の多くは旅に出ると財布の紐がゆるむ傾向があるからです。観光地の割り増しプライスも何のその。旅の恥はかきすてではなく、旅のお金は使い捨てとばかりにお土産物屋に群がる観光客。短期で旅行するツアー客などにとって「旅のお金」というのは、いくらお小遣いを持っていこうかといった心配程度のものかもしれません。

しかしながら長期旅行者にとっては「お金=旅そのもの」といった感じで直結します。出発してからどこまでをいくらの予算で旅しなければならない。1ヶ月後の飛行機の出発日までいくらで過ごさなければならないといった事がいい例で、お金を節約すれば後で楽になるし、最初に使いすぎると後半が色んな意味で一杯一杯な旅となってしまいます。

ご利用は計画的にってサラ金みたいですが、旅の場合は日本を出る前、旅の計画を立てた時点からだいたいどれくらい必要なのかなどといった計算をしなくてはいけません。そういった事は日常生活と同じではないかと思うかもしれませんが、決定的な違いがあって、それは基本的に給料日(収入)がない事です。そしてお金がなくなっても給料日までちょっと都合を付けてくれる友人や同僚といった存在も身近にいなく、海外の場合は日本にSOSを送るか、大使館に駆け込むしかありません。だから旅人にとってお金は切実なものなのです。

まだ現在はパスポートなどといった身分証とかあり、最悪大使館などでお金を都合つけてくれたり、場合によってはキャッシュカードやクレジットカード等が使えたりもしますが、江戸時代やそれ以前の旅は追いはぎなどにあってお金がなくなると、場合によっては死に直結といった事もにもなりかねなかった事でしょう。それが最初に上げた「旅路の命は路用の金」という諺なのです。ここではそういった旅人とお金をテーマにちょっと書いてみました。

旅の情景スケッチ トルコ、カッパドキアの台地の写真 旅の情景スケッチ
トルコ、カッパドキアの台地

キノコ岩が有名ですが、独特な景観をしている土地でもあります。

2、旅の費用

昔はバックパッカーをやっていたとか、ユーラシア大陸を横断した事があるんだなどといった話をすると、どこの国を訪れたのだとか、どのくらいの期間がかかったとか、言葉はどうしたのだとか、一人旅って辛くなかったとか、あれこれと質問を受けます。こういう事はあまり一般的な事ではないし、日常世界と全く違う世界の事なので、社交辞令というよりも色々と興味を持って冒険談とかその時の様子を尋ねてくる事が多いように思います。

そういった質問を何度も受けていると、その内容がその人の興味や性格、そして日常に関わりのある事が中心になる事が多いということに気がつきました。例えば心配性な人は治安や水について、飲食関係の仕事をしている人などは各国の料理の事や旅行中の食生活についてといった感じです。

そういった質問の中でも比較的良く尋ねられるのがどのくらい費用がかかったとか、旅行中のお金はどう工面したの、どうやって持ち歩いたり、管理していたのといったようなお金がらみの質問です。まあ誰しもお金に関しては興味があるものですし、お金自体が一般的なものなのでそういった質問が多くのなるのは当然でしょうか。

その時に逆にこちらから「約一年間でユーラシア大陸を横断するといくらぐらいかかると思う?」と質問してみると、「ツアーだと10日間で20万円だから・・・、一日1万円ぐらいで一年間だと・・・・高級車1台分ぐらい?」といったような返答が多く、まるで想像できないといった感じです。確かに日本をきちんとした形で旅行するとなると、宿代、交通費、食費、その他諸々を入れて軽く一日当り1万円を越えてしまいます。海外ではちょっと物価が安いと考えて一日1万円程度といった計算になるのは素人目には妥当なところでしょうか。

しかしながら世界には驚くほど物価の安い国があります。多くの人が噂に聞いて知っているとは思いますが、それは実際に体験しないとその価格差の実感がわかないものです。そういった物価の安い国では日本の千円札がまるで一万円に化けてしまうような感じとなり、貧乏旅行者なのに俺って金持ち?なんて錯覚してしまったりもします。

でもこれは現地の人の生活レベルで感じる物価であって、ツアー客が訪れる場所ではそれ相応の物価水準に価格設定がされているので、ツアーで参加した旅行者はそこまで極端な物価の差を感じなく帰国することもあります。

といったわけで、現地の生活レベルで旅を行うのが基本のバックパッカー(貧乏旅行者)の旅は普通の人が考えるよりも安い値段で旅行できたりするものです。私の場合はほとんどアジアにしかいなかったのもあって、色々な諸費用を含めて一日当り2千5百円程度の出費で収まってしまいました。それを伝えると、必ず「うそ~、安すぎ・・・」といった反応が返ってくるのですが、これがバックパッカーの旅費というものです。なんていうか、値段の安い分を体力や気力で補うというのが分かりやすいでしょうか。

旅の情景スケッチ ブルガリアのヴェリコ・タルノヴォの写真 旅の情景スケッチ
ヴェリコ・タルノヴォ

ブルガリアの山間部にある町で、
峡谷の崖沿いに広がる町並みは大変美しいです。

3、旅の出費は奥が深い

でもこの金額の大小がそのまま旅の善し悪しを決めるわけではありません。単純にユーラシア大陸を一年間旅行したらいくらかかるという一般的な数字を計算する事はできなく、訪れる国や地域によって同じような旅をしたとしても何倍もの旅費の差が出てしまいます。例えばアジアを2ヶ月、ヨーロッパを10ヶ月旅行した人とその逆でアジアを10ヶ月、ヨーロッパを2ヶ月旅行した人なら、その費用は数倍違ってくるでしょう。

それに単に出費を安く抑えたかったら入場料のかかる博物館などに行かず、交通費がかかるような辺境の観光地も訪れず、ただ必要な分の移動と宿泊、そして町の散歩を繰り返していれば旅費は安く済みます。例えば日本での日常の話ですが、休日に遊園地などに出かけて過ごすのと、家でテレビを見てゴロゴロするのでは出費が違います。旅の出費もそういった一日の積み重ねなのです。だから旅においてこれだけの金額でどこまで行ったとか、いくらで何ヶ月過ごしたなどというのはあまり参考になりませんし、何の自慢にもなりません。出費を安く抑える為にやりたい事もやらないで、見るべきものも見ないで旅をする事がいいとも思えないからです。

出会った旅人にもいたし、インターネットのサイトでいくらで世界を回ったとか、いかに少ない金額でどれだけ旅をしたという自慢をしている人を見かけますが、それは旅というよりも、出費を抑えてどこまで行けるかといったゲームといった感じを受けます。そういったことが好きだったり、そういったことへ挑戦したいというのならそれはそれでいいのでしょうが、普通の人がやるにはちょっと旅の仕方というか、せっかくの旅がもったいない気がします。テレビなどのエンターテイメントとしての企画としてなら楽しいかもしれませんね。自分では絶対やりたいとは思いませんが・・・。

それに10円単位の出費を節約するようなケチケチした旅をしていると気持ちもせこくなってしまいます。心に余裕がなくなるというか、節約することばかりに頭がいってしまうというか、色々な意味で心もすさんでくるわけで、そういった旅人と話すと、旅ということ自体、現地の人との関わり方を含めて勘違いしているなといった印象を受ける事も多々ありました。

旅の情景スケッチ ミャンマーの鴨飼いの写真 旅の情景スケッチ
ミャンマーの鴨飼い

湖で少年が鴨の飼育を行っていました。

旅の予算の上限が決まっている以上、なるべく出費を安く抑えたいという考えが頭を占めるのは分かりますが、自分の趣味や見聞のため、そして自分の成長のために必要なお金を使わないのはいいことだと思いません。旅の出金の節約にはなっていますが、それとともに旅の醍醐味までも削ってしまっています。

そもそも旅は仕事や強制といったものではなく、娯楽などの一種です。楽しもうと思ったり、見聞を広げようとするならばそれなりにお金がかかるものですし、それなり出費をかける部分にお金を使わないと楽しめないものです。使える予算を決めて、その範囲内でどれだけ旅に出るのか、何ができるのかを最初にしっかりと考えておくべきだと思います。そして旅に出たら楽しむ部分では出費をけちらず、どうでもいい部分では出費を抑えたりと旅にも、出金にもメリハリをつけるべきです。

中には旅の最中にバイトをしたり、大道芸で稼いでいる人もいました。お金を稼ぎながら旅をするというのは、ワイルドで恰好よく感じますが、そういった才能や行動力がないとなかなかできるものではありません。そもそも観光ビザで行うと、場合によっては逮捕されて旅が終わります。そういったリスクを承知しつつ、世界で自分の才能を試したいという人以外で行うのはやめたほうがいいかと思います。

ニュースを見てびっくりしたのですが、最近では物乞いをしながら旅する旅行者が増えているようです。何というか、もはや旅人として論外で、迷惑な存在以外何物でもありません。昔はヒッチハイクをしながら旅をすることが流行りましたが、ヒッチハイクをするのも基本的には無料ではありません。エチケットとしてバスの料金程度のお金を渡すものです。旅人だとわかっている場合や物価水準の高い国では「いらないよ。」と言ってくれることが多いのですが、それがエチケットですし、旅をするということはそういうことではなのかなと思います。

旅の情景スケッチ エジプトの駅の写真 旅の情景スケッチ
エジプトの駅

駅は旅情を誘います。

4、旅にかかる費用の考察

旅にまつわる出費について考察してみると、旅にかかる費用というのは、交通全般を含めた「移動費」、そして食べる事の一切を含めた「食費」、弾丸ツアーでない限り宿に泊まる事になるので「宿泊費」の三つが主な出費となり、これが旅における三大出費と言えます。

移動費に関しては、例えば東京から北海道へ旅すると考えた時、飛行機で移動するのか、鉄道で移動するのか、バスで移動するのかといった事で料金が変わりますが、これも色々な考え方ができてしまいます。単純に料金を比較するなら時間はかかるけどバスで行くのが一番安いでしょうが、時間は金なりといった感じでお金で買う事のできない貴重な時間をロスするとも言えますし、長時間の移動は何よりも体に堪えます。だから飛行機で一気に行った方が安いという言い方もできてしまいます。

また宿代を浮かせるために夜行バスを利用すると、昼間に移動するよりも安く上がりますが、夜寝れなかったり、時間に制約ができたり、途中の風景を楽しめなかったりと金額云々ではない違いが生じます。日本での短い旅行や帰省などでは夜行バスは非常に心強い存在ですが、長期で旅をする場合には夜行バスのメリットとデメリットが同じような感じです。

結局のところ旅は移動の連続です。移動しなければ旅ができないので、移動費はなかなか削り難い出費です。それに移動には様々な因果が含まれるので、単純に料金だけで価値を考えるのは難しいものです。だから移動費に関しては同じ移動手段で一番安い会社を選んだり、なるべく安いグレードを利用したりするのですが、VIPクラスなどといったものではない限りそこまで大きな違いにはなりにくく、気持ち程度の問題といった感じです。

ただ、町のバスターミナルに到着して、そこから宿まで歩けるなら歩き、距離があるなら市バスに乗るのと、タクシーで向かうのとでは大きな違いが出るので、切り詰める人はまずこういった明らかに体力で補える部分を削っています。

旅の情景スケッチ マレーシアの市場の写真 旅の情景スケッチ
マレーシアの市場

市場はその国の好みや豊かさ、
人間模様などを観察出来て面白いです。

続いて食費に関してですが、人間生きていくためには何か食べなければならないわけで、これも必ず発生する出費です。日本で言うなら吉野家などで食べるのと、ファミレスや定食屋で食べるのと、ちゃんとしたレストランで食べるのでは大きな違いがありますが、まあ基本的に屋台とか定食屋といった部類で食べる事が多いのがバックパッカーです。その土地のものを手軽に食べられ、地元の雰囲気を味わえ、旅していますといった気分になれるからです。

ただ物価の高いヨーロッパなどでは、自炊が人気となります。外で食べるとビックリするほど高く、移動費、宿泊費がこれ以上削れないとなると切り詰める事ができるのはここしかありません。特にアジアから旅をしてきた人はヨーロッパの物価の高さにビックリし、外食ができないといった人も多く、中にはスーパーで食パンとハム、或いはチーズなどを買ってきて一日の2食をこれで済ませるという人もいました。これも体力で旅費を削るといった部類なのですが、健康面まで削る心配があるのでほどほどにといったところでしょうか。

宿泊費は旅行費の一番大きな要因です。物価の安い国を訪れたとしても高級ホテルは高級ホテルで日本とさほど変わらない値段であり、それぞれの旅のスタイルによってとんでもないほどの金額の差が出ます。基本的にバックパッカーが泊まる宿は安宿といわれる部類の宿です。国ごとの物価によって値段はまちまちですが、安いところでは大部屋が200円程度で泊まれたりします。物価水準の高い地域を除けば一昔前は個室でもだいたい500円程度が相場といった感じでした。

こういった安宿は部屋ごとにシャワーやトイレがなかったり、あっても汚いことが多かったりと快適さは期待はできません。値段を考えたらしょうがないことですが、こういった場所でリラックスできない性分だとしんどいかもしれません。やはりこれも体力で補っているといえます。

このクラスの安宿は旅人がある程度集まるような宿でないとよからぬトラブルに巻き込まれる心配があります。安宿に集まる旅行者はまだいいのですが、安宿に集まる現地の人は何か事情を抱えている人も多いからです。安く抑えたいからと安宿に泊まって荷物を盗難とかに遭ってしまうと、数百円の旅費を削ったが為に旅が終わってしまう事になってしまいます。ちょっと値段が高くても安心できる宿の方がいいですし、高い分は安心料と思えば気にならないものです。とはいえ中途半端に高い宿もまた盗難が多いような気もしますが・・・。やはり外国人旅行者が多く泊まるような宿の方が色々と安心です。

こういった基本的な出費はそれぞれの旅の事情や趣向によってあらすじが決められ、体力や健康面。旅の状況などを考慮して修正が加えられていきます。疲れがたまっているからバスタブ付きのちょっといい宿に泊まろう。予定になかった遺跡を見学してしまって時間がなくなってしまったから飛行機を使おうといった感じで、その場の状況に応じて変化を付けていく感じです。

旅の情景スケッチ イサク・パシャ宮殿の写真 旅の情景スケッチ
イサク パシャ宮殿

トルコ東部の山間にある宮殿です。
夕日がとてもきれいでした。

5、出費から見える旅人の個性

移動費、宿泊費、食費といった旅をするのに基本的な出費は、旅をする人なら誰でも同じように使う費用であってそんなに面白味があるものではありません。日常生活で鞄とか時計などにこだわる人とそうでない人の違いといったぐらいの違いしかありません。旅人の金銭感覚という意味でもうちょっと別の角度から見てみましょう。

人間は一生のうちにいくら稼いで、いくら使うのでしょうか。大きな買い物であるマイホームやマイカーといった物を目指す人もいれば、将来のために事業の運転資金を貯めてという人もいるでしょうし、ひたすら趣味に湯水のように使う人、物欲の鬼で浪費癖が直らない人、お酒やタバコに消えてしまう人やギャンブルで蒸発してしまう人など様々です。購買という行為は人間の性格がとっても色濃く出るような気がします。とりわけ人生の縮図のような旅において旅人の個性が色濃く出るのもやはりこういった出金の部分であり、旅人を観察していて面白い部分でもあります。

旅をしていて出会う旅人の中には、日本ではあまりお目にかかれないような個性的な人がいます。旅をしていてこうなってしまったのか、はたまたこういう性格だから旅に出ているのかといった因果関係は分かりませんが、この人の思考回路は大丈夫なんだろうかという人から、その知識の広さ、人間味に感服しましたという人、なにやら不思議なオーラを発する人や孔子様のような哲学の塊な人など凡人な私とはまるで世界が違う人にも出会った事があります。

もちろんそこまで極端ではないにしても、自分自身の旅にこだわりを持って個性的な旅をしている人がほとんどで、楽器を持って旅をしている人、釣り竿を持って旅をしている人、自転車や徒歩で旅をしている人、観光マニアな人、乗り物マニアな人、例えをあげれば切りがないのですが、その人の価値観で様々な旅が行われています。そういった個性的な人と一時的に行動をともにすると、自分の旅のスタイルと違って戸惑ったり、おやっと思ったりする事があります。その顕著な例が出金です。

特徴的に感じる日常的な出金で一番多いのがお酒でしょうか。一緒に食事に行くと、旅が短くなろうがこれだけは絶対にやめられないという人はかなりいました。酒は安い国もありますが、ガソリンと同様に世界中でそこそこの値段がします。それが毎日となるとかなりの金額になります。それに禁酒の国も多く、そういった国ではむしろ日本よりも高くなります。そういった環境でも飲み続けている人(適量)を見ると、この人は本当にお酒が好きなんだなとちょっとうらやましく感じてしまいます。中にはお酒のラベルを集めている人もいて、ここまでくるといい意味でのアル中だなと思ってしまいました。

その他趣味で演劇やスポーツ観戦、現地の映画といったものが好きな人もいますし、中には一つの国で必ず一回は一流レストランに行くという人、美術館と名がつく施設には全ていく人、遺跡マニアで普段の移動はバスや徒歩が中心でも交通の不便な辺境にある遺跡のためならタクシーをチャーターをしてまでして行く人、普段の旅が質素であるからこそ、こういった出費は余計に目立ち、その人の個性を特徴的にします。他人から見たら無駄な出費に感じてもその人にとっては旅の期間が短くなる事を承知で使うお金。お金を払っているときはちょっと輝いて見えたりします。

かくいう私も人に自慢できるような出費があります。それは写真で、写真が好きなので一日一本はフィルムを使い、結果500本なんてとんでもない数のフィルムを旅の途中途中で購入したり、途中で現像しました。その写真代は物価の安い国で行ったとはいえ、後で計算してみると恐ろしい金額になっていました。でも好きだからこういう出費は許せるし、こういう趣味があるからこそ旅が楽しくなっていたのも事実です。

旅人の懐事情は前にも書きましたが、基本的に収入がないので減る一方です。日本で貯めたお金がなくなれば旅は終わりです。だから手元にあるお金をいかに上手に使うかが大切であり、そのお金を最大限利用して楽しい旅にしなければなりません。かといって節約してばかりでは楽しい旅とはならなく、けちけちしていると心がすさんできます。その兼ね合いが難しく、悩みの種であり、また旅の面白い部分でもあります。

無限に使えるお金よりも、考えて、更に考えて、使う事の犠牲までも考えて使うお金で得られる旅の経験は特別なものです。もし日常の浪費癖が直らない人は一度バックパックを背負って旅に出てみてはどうでしょう。お金を使うことについて真剣に考えることができ、浪費癖が治るかもしれません。

旅や旅人についてのエッセイ
#7、旅の出費と旅人の金銭感覚

ー 風の旅人 (2019年9月改訂) ー

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