関東最東端、銚子初日の出ドライブ
#4 元旦の観光巡り
<2014年1月>
今年の初日の出は、バイクではなく、車に乗って関東最東端の銚子へ出かけることにしました。(全5ページ)
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4、元旦の観光巡り
渡海神社で神楽を見終わると、次の目的地へ向けて出発。車を走らせると、もう日の出前後の渋滞はすっかりなくなっていた。
先ほどの餅撒きで飛んできたお菓子を食べながら、早朝に通った国道126号線を西へ向けて移動していき、お隣の旭市へ。
最初に立ち寄ったのは旭市のあさひ鎌数工業団地。ここには普段からよく名を聞くようなメーカーの工場が建ち並んでいる。
このあさひ鎌数工業団がある場所にはかつて香取航空基地があった。太平洋戦争中に使われた飛行場で、バッテン(X)の形をした二本の滑走路があったようだ。
現在では当時の名残はあまり残っていないが、工場団地の一画にある旭緑地公園にはピラミッド型をした海軍香取航空基地跡慰霊碑と、黄色いゼロ戦が置いてある。
訪れてみると、小さな公園に大きな屋根の付いたガレージの下にゼロ戦が置いてあった。ゼロ戦といえば緑色といったイメージがあるので、黄色のゼロ戦はある意味斬新に感じる。
解説版を読むと、アメリカからの提供品とのこと。しかも貸し請け人とかが記載されていて、なにやら所有状況が複雑そう。ゼロ戦に似た飛行機になるのかな。素人にはよくわからない。
しかし、こんな何もない公園に動きそうなゼロ戦があること自体がなかなかの不思議。SLなどが置いてあるのは分かるのだが、公園に実物の飛行機を置いてあるというのも珍しい。
いや、置いてどうするんだ。管理費も馬鹿にならないだろうに。もしかして公園をガレージ代わりにしているとか。冷静に考えると、ありえない状況に思える。だからもの珍しさに訪れてしまったわけなのだが・・・。
次に向かったのが同じく旭市にある手接神社。大の男三人で普通の場所を訪れても面白くないということで、ちょっと変わったB級スポットとして知られているこの神社を訪れてみた。
ここはなんと手首が沢山奉納されているのだ。って、本物だったらホラーとか、黒魔術とか、サイコパスとかの世界で、おまわりさんを呼ばなければならないが、ここに奉納されているのは石でできた手首だ。
手接神社という名前の通り、ここは手の病に効果がある神社・・・、って温泉の効能のようだが、手形の彫石を奉納することで、病が軽くなったり、治癒したりすると信じられている。
なんでも、この地域に住んでいた人が茨城にある手接神社を参拝したところ、たちまち手の病気が治り、我が村にも手接様を・・・といった運びになったようだ。
一番奥に祠があり、その横に手首がまとめて置いてある。手首が地面から生えているように見えてこれがけっこう気持ち悪い。しかも沢山あるからやっぱり不気味。動き出したらと思うともっと不気味。
正月なので鏡餅が供えられていて、みんなで「いただきます」をしているかのよう。ちょっとほのぼのと・・・・、していない。やっぱり怖いよ、これ。
最近は加齢による衰えなのか、バイクでアクセルを回したり、クラッチを握ったりすると手が痛むときがある。
パソコンのマウスやキーボードを一日中使っていることも多いので、腕の筋が痛いときも多々ある。ちょっと不気味だけどちゃんと拝んでおこう。
効能がはっきりしていると拝みやすいかも。でも初詣で手の痛さを直してくださいとお願いしたのは初めてだな・・・。
手接神社でよくよくお参りをした後は、隣の匝瑳市の飯高寺(飯高壇林跡)を訪れてみた。
特に何があるから来たというわけではなく、地図で見たら大きく表示されているし、通り道からそんなに離れていないし、まだ時間はあるしと、途中下車といった感じで寄ってみた。
畑と森ばかりの道を進むと、駐車場があり、ここから少し林の中を歩くとお寺に到着した。森の中にひっそり佇むお寺だった。
飯高寺は飯高檀林跡として知られている。檀林とは聞きなれない言葉だが、簡単に書くと僧侶の養成機関とか、仏教の学問所のこと。
ここ飯高檀林は日蓮宗の学問所として大きな規模を誇り、今でいうなら大学のような存在になる。
明治5年の「学制」発布後に294年間の歴史を閉じたが、最盛期には600~800人の学僧が集まっていたというから、なかなかの規模だ。
現在でも境内には当時のままの状態で保存されている建物があり、講堂、鐘楼、鼓楼、総門は国の重要文化財に指定されている。
檀林跡として境内全体が千葉県指定史跡にも指定されていて、文化財の集まりといったような場所だ。
また、大学は仏教の宗派とか、キリスト教の宗派から誕生している事が多い。日蓮宗の大学といえば立正大学。ここ飯高檀林は立正大学の前身となるようで、境内には立正大学発祥の地という石碑が置かれていた。
ちなみに立正大学の名の由来は日蓮が執筆した「立正安国論」に由来しているそうだ。
うっそうとした杉林の中にひっそりとある飯高寺。美しい杉林に囲まれるようにして古く立派な建物があり、ここの境内に立っていると時代感覚を忘れてしまう。期待以上に雰囲気の素敵な場所だった。
何があるのかよく知らずに訪れたので、とても感動したのはもちろんのこと、元旦の朝でも誰もいなく、ひっそりとした様子からきっと誰も知らない隠れ家的な存在に違いない。
そんな優越感に浸りながらお寺を後にしたのだが、後で知ることによると、ここは時代劇などの撮影によく使われている定番スポットになるようだ。この雰囲気の良さ、環境の良さからすれば納得だが、ちょっとガッカリしてしまった。
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