風の足跡 ~風の旅人旅行記集~

清澄山初日の出ツーリング
#1 日本一早い初日の出を見に行こう!

<2007年1月>

今年の初日の出ツーリングは、房総半島の清澄山へ日本で一番早い初日の出を見に行こう!をテーマに行ってみました。

*この旅行記は全4ページで構成されています。2007年の旅行記です。現在とは状況が異なっている部分があるかもしれません。

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1、日本一早い初日の出を見に行こう!

御前崎への初日の出ツーリング
昨年の御前崎での初日の出

家族サービスをする必要のない独身組の恒例行事となりつつある元旦の初日の出ツーリング。

一昨年は大雪の為に中止。昨年は遙々御前崎まで遠征するものの、曇っていてちゃんとした初日の出が見れないといった微妙な感じのツーリングが続いている。

今年は初日の出が見られるだろうか。元旦にみんなで出かけること自体が楽しいけど、もの凄く寒い思いをしながら行くので、できればその努力に見合うようなスカッとした綺麗な日の出が見たい。

今年こそは3度目の正直というやつで・・・と思うものの、メンバーに雨男が多いから、また無理かな。昨年みたいに静岡の御前崎まで行って見られないというのも、やはり気分的に萎えてしまう。

さて今年はどうしよう。今年は私が企画することになったので、天気を含めて色々と頭を悩ませる。無難に近場というのもありだな。そのほうが見られないときのガッカリ度は少ない。

そういえば初日の出ってどこで見られるのだろう。どこで見るのが有名なんだろう。今までそういったことを考えたことがなかったので、興味津々といった感じで、初日の出をバイクで見に行くのに面白そうな場所はないかなと探してみることにした。

東京タワー
東京タワー

バイクで行くにはちょっと微妙だけど、まずは都心から探してみると、出てくるのはやっぱり六本木ヒルズやサンシャイン、東京タワー、レインボーブリッジなどといった高い建物の展望台がほとんどだった。

こういった場所は入場制限があるので、事前申し込みが必要となるし、入場料もかかる。仮に行くとしても大晦日の夜には電車が終日運転をしているので、バイクではなく電車で行ったほうがいいというものだ。

バイクで程よく走って行ける場所でここはいいぞ!と真っ先に思いついたのが、東京湾に浮かぶアクアラインの海ほたる。

ここはデートスポットで有名なだけあって雰囲気はいいし、施設は高速のサービスエリア並みに整っている。日の出を待っている間も建物の中にいれば暖かい。何より東京からだと海底トンネルを通っていくのでバイクで走っていても寒くないし、時間もかからずに着く。

海ほたる
海ほたる

アクアラインにあるサービスエリアです。

と、バイクで訪れるのに好条件が揃った場所となるのだが、考えることは皆一緒といった感じで、例年大混雑する事でも有名だ。かなり早い時間に行かないと駐車スペースがいっぱいになり、海ほたる自体が封鎖されてしまう。

そんなに早い時間に訪れてもすることがない。待っていてもカップルとかが多そうだし・・・、別の意味で寒い思いをしてしまいそうだ。

それにバイクで行くには通行料金がめちゃくちゃ高い(2006年のこと)ので、海ほたるだけに行くのなら車にみんなで乗って行くほうが楽だし、お金がかからない。

と、気軽にバイクに乗って初日の出を見に行けそうで、実際は行きにくい場所となるようだ。

この他羽田空港あたりでも日の出が見れるけど、埠頭付近はバイクは進入禁止になっていたりと制約も多い。横浜や三浦半島あたりでも見れなくはないけど、普段よく行く場所なのであまり新鮮味がない。行く場所がない場合の最終手段といった感じかな。

調べていて意外と人気があったのが、高尾山とか、筑波山とか、山の上で見る初日の出だった。ただこれもバイクで行くとなると、色々と大変なので、電車とか車にみんなで乗っていった方が楽だ。

とまあ情報サイトなどで、都心から近場で行ける人気スポットは、わざわざバイクに乗って初日の出ツーリングと名付けて行かなくてもいいのではといった場所ばかりだった。

地理院の地図
房総半島の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

もう少し遠くても目的地として楽しい場所はないだろうか。今年は西の御前崎だったので、来年は東へ向かっていくのもいいかもしれない。

探してみると、房総半島の太平洋側、九十九里など外房地域全般で、太平洋の水平線から昇ってくる雄大な初日の出を見ることができ、例年多くの人が訪れているようだ。

中でも関東の最東端で知られている千葉県銚子市の犬吠埼が初日の出スポットとして有名となっていた。しかもここは日本一早いとか、関東一早いとかいろいろな称号が付けられている。

あれ、日本一って犬吠埼なの?変だなと調べていて、これだ!と私の旅心をズバッと射止めたのが房総半島の南にある清澄山だった。なんとここでも日本一早い初日の出が見られるのだ。

なんで房総半島の南にある山が日本一なの?日本最東端である北海道の納沙布半島ではないのか?

これは冬になると太陽は赤道よりも南を回り、北になるほど日照時間が短くなることに関係していて、同じ経度なら南であるほど日の出が早くなる(もちろん地球の丸さとか、地軸の傾きとか色々関わってきますが、あくまでもシンプルな考え方という事で・・・)。

実際、正月の前後10日間は納沙布半島よりも関東の最東端である銚子の犬吠埼の方が、若干日の出が早い計算になる。

地理院の地図
東日本の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

という事で、小笠原諸島などの離島を除けば日本一早い初日の出が見られるのが銚子という事で、銚子が日本本土で一番早い初日の出の町として売り込んでいたりするのだが、これは標高10m付近の話。

もう一ひねりして考えると標高が高いと日の出が早く見える。例えば富士山は銚子よりも4分ほど早く見えることになる。そういったことを加味して考えると、計算上では標高400m弱のこの清澄山が銚子よりも秒差で早いとなるという話なのだ。

これは面白い。実際は本当かどうかはわからない。でも本当かというよりも旅のネタとして面白い。ワクワク感があればこそ面白いツーリングが出来るというもの。

冒険こそが男のロマンだと、友人に30ページにわたる企画書を・・・。いや、電話で「今年は房総半島の清澄山に日本一早い初日の出ツーリングっていうことで、どう?」と自慢気味にこのことを伝えると、「いいんじゃない。それで」とあっさりとした返事が返ってきた。

「それ本当なの?」「どんなとこ?」「それは面白そうだ!」などと興味を持ってくれると思ったのに・・・。日の出が見られることが重要であって、こういった旅のネタはどうでもいいようだった。やっぱりこういうことにこだわってしまうのは・・・、旅人だけか。

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といったことで、今年の初日の出ツーリングは「日本一早い初日の出を見に行こう!」という大層なキャッチフレーズがついたツーリングを行うこととなった。

都心からはちょっと距離があるけど、昨年の御前崎ほどでもないし、旅のネタ的に寒い中をわざわざ行ってみようという気になる。本当にいい目的地が見つかったものだ。ワクワクが止まらない。

しかも驚くことに一週間前の天気予報では晴れマークが点灯。今年は眩しい朝日を見られるかもと期待が膨らんでいった。

期待しつつ前日の大晦日を迎えると、天気予報は晴れのち曇りのち雨と変っていた。東京は晴れなのに、我々が行こうとする房総半島の南部だけ午後から雨が降るとの予報。

まあ午後からなので関係ないとはいえピンポイントで行く場所に雨が降らせることができるとは・・・、雨男大明神を誇っている友人のパワーは凄まじいな。

って、まあ友人にそんな大層な力があるわけないのだが、あまりにも天気の悪いツーリングが続くと、誰かのせいにしたくなってしまうものだ。

清澄山初日の出ツーリング07'
#1 日本一早い初日の出を見に行こう!
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