風の結晶 ~風の旅人エッセイ集~

~ バイクツーリングやレースについてのエッセイ ~

§6、私の愛車たち

特に珍しいとか、凄いバイクを所有していたり、乗っているわけではないのですが、ここでは私のバイク生活とこれまで愛用してきたバイク「1、カワサキ バルカン編」、「2、ホンダ NSR編」、「3、ホンダ ブラックバード(CBR1100XX)編」と分けて書いています。ってまあ・・・、それだけです。他人にはどうでもいいことですね。

>>> 私の愛車1  カワサキ バルカン編 <<<

私がバイクに乗り始めたのは大学生になってからでした。バイト先の人が乗っていて、これは移動に便利だし、かっこいいぞと欲しくなったのがきっかけでした。もちろんただ格好良さに憧れただけではなく、バイクなら機動力と行動範囲が広がり旅のパートナーに持ってこいだと考えたからです。そして日本中をバイクで走れたらな。いや世界中を旅できたら面白いだろうなといった感じで夢を膨らませていきました。

バイクに乗るまで私の旅は鉄道が中心で、しかも切符代が高いので各駅停車の乗り放題ができる青春18切符での旅ばかりでした。それはそれで面白く、時刻表を調べたり、各駅停車ならではの風情は好きなのですが、夏休みを中心とした長期休暇の時期しか切符が売っていないし、各駅停車なので好きな時間に好きな場所に効率よく行けないといった制約が多いものでした。

高校生ならそんなに不都合は感じなかったのですが、比較的時間に融通の利く大学生になってみると、もっと手軽に旅に出たいと思い始めました。たとえば朝早くにふと湘南の海に朝日を見に出かけたいと思った時、電車では難しいものです。そういった当てのない旅をするにはバイクというのは理想的だったのです。

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すぐにでもバイクの免許を取ってバイクに乗りたかったのですが、当時の免許制度は理不尽な制度になっていて、車の免許を取ってから自動二輪を取らないと、同じような学科の授業を2度受けなくてはならないといった金銭的にも時間的にも不利なものでした。どうせ車に乗る機会なんてほとんどないのだから先にバイクを取って、大学を卒業するまでに車の免許をとればいいやと思っていたのですが、これなら先に車の免許を取ったほうがお得というか、無駄に教習所に通ったり、お金を払うのは勘弁です。バイクに乗るのが少し遅くなってしまうけどしょうがない。というわけで、まずは車の免許を取るべくバイトに精を出す事にしました。

車の免許を取った上でバイクの免許を取り、更にはバイクを買うことを考えると、ちょっとバイトしたぐらいではお金が足りない。ローンを組むにしても収入が不安定な大学生だと大きく借りることが出来ないし、何より何年もかけて返済していくのはあまり気持ちいいものではありません。なるべく今のうちに貯めておこう。ってことで、大学の授業と部活とバイト二件の掛け持ちと恐ろしく忙しい生活が始まってしまいました。

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原付とワンコの写真
原付とワンコ
最後の方は自分でスクーターに
色を塗って楽しんでいました。

最初は大学やバイト先には自転車で通っていたのですが、移動が多くて大変。これでは体が持たない。それならば原付のスクーターを買おうではないか。いちおうこれもバイクだし。原付の免許を取り、給料が入ったときに近くのバイク屋でセールとして売り出されたヤマハの「JOG」を購入しました。これが私の最初の愛車となりました。

排気量は違えど、一応二輪車だ。そう思って乗り始めたものの、やはり原付は原付。30km制限、二段階右折にどれだけジレンマを感じたことか。信号待ちで隣に並ぶ大きなバイクにどれほどあこがれたことか。それでも二輪車に乗っているといった喜びと、いずれ乗るだろう大きなバイクへの憧れを心に持ちながら原付に乗って大学と、バイト先をめまぐるしく移動し、バイトを頑張り続けました。そして夏からはまず車の免許を取り始め、なんとか冬に取得するとすぐに自動二輪の免許を取り始め、そして1年生が終わる頃に晴れて二輪の中型免許を取得しました。

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バルカンの写真
写真家を目指す友人が
撮ってくれた写真

そしていよいよバイクの購入。色々と雑誌やバイク屋を物色し、最終的に私が選んだのはカワサキのバルカンでした。アメリカンタイプのバイクで、今年発売されたばかりというニューモデルでした。今は世間ではアメリカンタイプのバイクが大人気です。各メーカーとも売れ筋のアメリカンに力を入れていて、今年は斬新な新車が何台も登場しました。どの雑誌でもアメリカンの特集を組んで紹介し、ブームを煽っている状態。

そのブームに乗ってアメリカンを選んだと思われるのはシャクですが、重心が低く、ハンドルが高い位置にあるチョッパースタイルの格好良さに惚れたのも事実でした。それに旅とつなげて考えるなら、アメリカンタイプは長距離を走っても疲れないライディングポジションだし、荷物の積載性もいいので実用的です。

更に自分の車の運転から考えると結構飛ばしたがる性格をしていそうなので、事故を防ぐためにスピードが出ないバイクというのはある意味リミッター的要素を含んでいていいかもしれない。そしてまだ発売されたばかりというのも魅力的でした。そういった事を考慮して一年返済の学生ローンを組み、購入に踏み切りました。これが私にとっての愛車二号となるバルカンでした。

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一番最初のツーリングでの写真
一番最初のツーリングで
最初の夏ツーリングでの写真
最初の夏ツーリング

納車されてから一ヶ月間はうれしくて頻繁にあてもなくバイクに乗っていました。なんて気持ちのいい乗り物なんだろう。さすがに原付スクーターと違ってずっしりとした存在感があります。それに4輪車と違って走っているぞといった実感がわくのもいいです。なんていうか、四輪の場合だと箱が動いているといった感じなのが、二輪だと自分がマシンと一体となって動いているといった感じなのです。とにかくバイクの虜になってしまいました。

それに乗り始めの頃は珍しいバイクだったのでかなり目立ち、ちょっと鼻が高い状態だったのも所有感を満たしてくれました。信号待ちなのでなんてバイクですか?とか、スタンドで給油しているときに大きなバイクですね。排気量は?などと聞かれるとうれしいものです。結構目立っているのなら、ちょっとはましな格好をした方がいいかも。走ることも楽しかったのですが、アメリカンらしくブーツを買ったり、マフラーを換えたり、鞄を付けたりと、バイクをいじるのもなかなか楽しく、おかげで乗り始めた一年目はバイト代がバイクにどんどん羽ばたいていきました。

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バルカンに乗ってみて思ったのは、とにかく重く、取り回しが非常に大変だという事でした。バイクに乗っていて転んだことはないのですが、取り回しでバイクを倒してしまった事4~5回。おまけに倒すと足を置くステップが折れて厄介なこと。バイクに乗りたての素人に、この重さは少々しんどかったです。ただ、足がべったりと地面に着くので、またがっている時には安定していました。

加速、最高速などのスピードに関しては、アメリカンの宿命ってやつで、他のバイクと勝負にはなりません。これは諦めるしかないです。というか、こういうバイクに乗っている時点で、そういう発想を持つべきではないのでしょう。ちなみに最高速はエンジンの調子がいい時で160km程度。しかし走行距離が増えていくにつれて、140kmがやっとになってしまいました。スピードはともかく、このバイクの問題点は、ブレーキが利かない事。これはスピードを出していると怖いです。やっぱりスピードを出すなって事なのでしょう。400ccのアメリカンは100kmまでのスピードでゆったりと走るのが一番気持ちがいいように思いました。

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バルカンの写真
バルカンの写真
夜の写真

写真は乗り始めて4年経った頃の愛車です。4年も付き合っていれば色々といじった個所も増えてきて、だんだん元の形とは異なってきました。色々な改造で個性を出せるのがアメリカンの良さでもありますが、私の改造の基本は乗りやすさでした。

車高を下げたり、シートのスポンジを抜いたりするのは、長距離を走るのに疲れます。ハンドルにしても高くすれば肩が疲れますし、広げればすり抜けがしにくくなりますし、変わった形のものはコーナーでのハンドリングを不安定にします。ミラーを小さいのにするとかっこいいのですが、後方の視界が狭くなり、白バイの餌食になりやすいです。結局のところ利便性を追求していくと、外見が少し変わる程度で、基本的な部分は標準が一番という結論に至りました。

大学を卒業した後は一時期通勤にも使っていたので、走行距離は5万キロを超えてしまいました。あちこちガタがきている状態でしたが、エンジンはまだまだ元気でした。思えばこのバイクで色んな土地に行ったな。もう乗り始めて5年か。このまま乗り続けて10万キロは走るつもりにしていたのですが、2000年から2年近く日本を離れる事になったので、やむなく売る事となってしまいました。

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その頃には家の前に置いていていたずらをされるなど、バイクも傷だらけの状態。走行距離もかなりいっていたので、たいした値段になりませんでした。それでも自分にとって最初のバイクだったので、愛着もなかなかのもの。ドナドナド~ナ♪といった気分でした。

思えば最初の頃は今までにない型の新車だったので随分と鼻が高かっな。それが今ではアメリカン自体がありきたりとなり、更には気が付かないうちにこの型のバルカンは絶版車になっていました。いいバイクなのに。さらばバルカン。その後、他の人に可愛がってもらえた事を願っています。

Kawasaki VULCAN
エンジン:水冷4サイクルOHC4バルブV型2気筒  排気量:399cc  最高出力:33ps/8,500rpm  最大トルク:3.3kgm/4,500rpm  変速機:湿式多板5段  車体寸法:全長2.360m、全幅83.5cm、全高1.175m

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>>> 私の愛車2  ホンダ NSR編 <<<

長い海外放浪から帰国して普通の生活を始めたものの、かつての愛車バルカンは旅に出る前に売ってしまったので、足のない状態でした。移動のほとんどをバイクでこなしていたので、非常に外に出るのが億劫に感じられる日々。自転車での行動範囲は限られるし、そろそろ三号が必要かな。かつてのツーリング仲間からツーリングの誘いを受けると特にそう感じるものの、また長い旅行に出たいといった気持ちもあったし、お金の方も気前よくドカッと出せる状態ではなかったので、なかなか実行に移せませんでした。う~ん、バイクに乗りたい!とまあバイクを持てない辛い日々が続きました。

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友人のNSRの写真
写真がないので友人のNSR

そんな時、後輩の家に乗っていないバイクがあると聞き、しばらく借りる事となりました。借りたバイクはホンダのNSR。知る人ぞ知るレース用バイクのレプリカです。昔乗っていたバルカンとは乗る体勢やエンジン特性がかなり違うので、最初はかなり違和感を感じました。

しかし慣れてくるとこれがなかなか面白いバイクでした。特に強烈な加速をするのが特徴で、アクセルを一気に回すとバヒューンと脳みそがとろけるような感じで加速していきます。なんか加速重力で脳みそがズレているような感触。ある意味、こういうのも麻薬の一種かもしれません。今まではゆったりしたツーリングバイクに乗っていましたが、このようなレース用のバイクも面白いもんだな。脳みそがとろける感覚に味をしめつつ思ったのでした。

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その後、しばらくしてとうとう愛車三号を購入することにしました。車種は同じくNSR。2ストロークエンジンを積んだこのバイクは排気ガス規制のため、現在では生産を打ち切っています。必然的に中古車となるのですが、私のように今後消えていく2ストローク車に乗りたがる人が多いようで、市場価格が上昇中。でも、売る時もそれなりの値段で売れそうな感じです。買っても一年以内に旅に出るかもしれないし、手放すことを前提での購入ならむしろ好都合かも。

そしてバイク屋を周り、偶然近所のバイク屋で手ごろなバイクを発見しました。年式は10年前のもので、値段も、程度も手ごろでした。これにしよう。家からバイク屋が近いというのが決定した一番の要因でした。なぜなら何かあった時に持ち込みやすいからです。整備して納車してくれるとはいえ、基本は10年前の絶版バイク。いつ壊れるか分からないものです。そうなった時に、あまりバイクの整備には詳しくない私にはとうてい自力では直せないからです。

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そして待ちに待った納車。バイク屋に歩いてバイクを取りに行きました。バイク屋の人が色々と説明をしてくれましたが、以前乗っていたのでほとんど省略。それよりも早く乗りたい。鍵をもらい、キックでエンジンスタート。さすが整備済みなので一発でエンジン始動。これは気分がいい。借りた友人のバイクとはえらい違いだ。

出だしもよく、絶好調。これは当りだな。このまま家に帰るのはもったいないぞ。ちょっと走って帰ろう。加速はどうかな。大通りでバヒューンとアクセルを回すとぐいぐいと加速していきました。いいぞ。この感触。よし、もう一度。バヒューン。ガッガッ、ガタン!えっ、なんだ!なんと足元のほうから大きな振動と音がして、後輪がロックしました。

慌ててクラッチを握り、路肩にバイクを停めました。一体どうしたというのだ。今の感触はギアーが壊れたような感じに思えたのだが・・・、改めてエンジンをかけようとするものの無理でした。これは・・・いきなりSOSだ。明らかに手には負えそうにない。直ちに先ほど納車したばかりの店に電話しました。

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バイク屋に電話すると、すぐに軽トラックで迎えにきてくれました。そして一言「こりゃ駄目ですね」と言い、軽トラックにバイクを載せてバイク屋へ持って帰ってしまいました。そして次の日に電話がかかってきて、「簡単に開けてみたのですが、これは直るか分かりません。直るとしても、一度ばらばらにしないと直せないので、一ヶ月ぐらい時間がかかってしまいます。」との事。

な、なんと、えらいこっちゃ。そして「お金を一度返金しますので、もし直ったら改めて購入するといった形にしてください」との事でした。後日バイク屋にお金を取りに行くと、隅っこには私の愛車三号が無残にもばらばらに分解している最中でした。聞くと、かなり重症らしい。走行距離7km。愛車三号とはなんとも短い付き合いでした。がっくり。

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後輩のスティードの写真
後輩のスティード

一度ケチが付いてしまったので、積極的にバイクを探すというよりも、気楽にいいものがあれば買おうかなといった程度の気持ちになってしまいました。まあ購入は半分諦めていた状態でしたが、別の後輩が二ヶ月程海外旅行へ行くことになり、その間バイクを使えることになりました。

後輩は一人でアパート暮らしをしているので、むしろ預かってくださいといったものでした。これは幸運というか、大歓迎。今度の車種はホンダのスティード。昔乗っていたバルカンと同じアメリカンタイプのバイクです。バルカンと排気量は一緒なのですが、車体は一回り小さく、加速その他の性能はほぼ一緒でした。足を前に投げ出すように乗るライディングスタイルは懐かしく、そしてしっくりときます。

しかしアクセルを回しても思うように前に進みません。なんかもどかしいぞ。今までが加速するバイクだったから、余計にそう感じるのかもしれません。アメリカンを買うなら大排気量のものではないと駄目だな。一度スピードの出るバイクに乗ってしまうと400ccぐらいのアメリカンではアクセルを回した時の反応に物足りなく感じてしまうようです。

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しばらくスティードに乗る生活が続きました。やはり足があるのはいい事です。そして後輩が戻ってバイクを返した後、一つ大きな転機を迎えました。親父がガンで入院するという事態が発生してしまったのです。最悪な事態には至らなかったものの、これでは長期で旅行に行っている場合ではありません。せっかく貯めたお金。バイクに使おう。いっその事いいバイクを買おうではないか。今までのようにアメリカンに乗るにしても大排気量でないと楽しくないというのが今の認識。まずは大型免許を取るべきだ。とまあ試験場のテストに一発で受かる自信も何度も通う根性もないので、久しぶりに教習所へ通うことにしました。

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>>> 私の愛車3  ホンダ ブラックバード(CBR1100XX)編 <<<

晴れて大型免許を取得した後、バイクを探してバイク屋を回りました。雑誌やインターネットなどで色々と情報を得て、最初はアメリカンタイプの大きなやつを買おうと決めていました。形はやはり愛着のあるカワサキのバルカンが一番しっくりきます。バルカンの最上位車種であるバルカン1500を中心に店を見て回っていたのですが、リッター10キロと燃費の悪さが悪印象。長距離を走る事の多い私には車並みの燃費の悪さでは不経済で仕方ありません。

それと実際にまたがったときの感触がいまいちしっくりきませんでした。タンクが低く、平らすぎるのがその原因で、急ブレーキをかけたら体が前に移動してしまいそう。後10cmタンクの位置が高かったらな。もっと燃費がよければな。などと躊躇していたら展示してあったホンダのブラックバードが気になり始めました。私のバイクライフはツーリングがメイン。ツアラーと呼ばれるタイプのバイクもツーリングするには良さそうだ。ちょっとの間NSRに乗っていたので、ライディングスタイルが違うカウル付きのバイクにもあまり抵抗がなくなっていました。

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う~ん、どうしよう。アメリカンも捨てがたいしな。でも燃費がバルカンに比べたら随分といいんだよな。何よりアメリカンと比べるとスピードが段違いだ。どっちにしよう。えいっ、これにしてしまえ。ある店に展示してあった中古車を衝動的に買ってしまいました。これが私の愛車四号となるブラックバードとの出会いでした。

納車日にバイク屋で撮った写真
納車日にバイク屋の人と

さて、このブラックバード。正式名称をホンダCBR1100XXといい、国内仕様と、海外仕様があります。国内仕様だとスピード制限が180kmとなっているのですが、海外仕様では無制限。 スピードメーターも時速320kmまで表示がついています。どっちを買おうか・・・と、迷うまでもなく、スピードは出るに越したことはないと海外仕様の逆輸入車を購入しました。

一体時速300kmとはどういうスピードなのだろう。レースや新幹線の世界だな。しかし現実問題として時速300kmなんてどこで出すんだ。そもそもそんなスピードを素人が出せるのか。よくよく考えると無用の長物といった感じなのですが、あればあったら鼻が高いかも。それになんか色々幅が広がりそうだし、とまあ新幹線並みにスピードが出るといった性能には魅力がありました。

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ブラックバードの写真 ブラックバードの写真
ブラックバードの写真

実際に乗ってみた感想は、でかい!重い!につきます。もちろん試乗して購入したので、それは分かっていたのですが、実際に日常的に取り回しているとそれを感じない事はありません。昔乗っていたバルカンも重かったのですが、バルカンは重心が低く、足もべったりと地面に着いていたので、取り回しは慣れると楽でした。しかし、このブラックバードは重心が高いので、なかなか厄介です。

バイクを降りて押しているときにちょっとでも反対側に体重がかかると、バランスを崩してヒヤッとします。 Uターンする時にもハンドルをアップハンにしている分、切れ込みが大きく、何度も転びそうになりました。おかげで最近ではみっともないけど、バタ足で確実にUターンしていたりします。この点はアメリカンのほうが楽だと感じました。

町乗りでは、やはり車体が大きい分色々な場面で苦労します。 小回りが利かないし、足つき性がよくないので、信号待ちばかりしていると足が疲れてきます。それに停める場所にも気を使い、下り坂に頭から突っ込むと自力で脱出不能になってしまいます。さすがにそうなると、いいバイクに乗っているのにみっともないですね。

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一方峠では、 強烈に加速するバイクなので速いには速いのですが、コーナーでは車体の重さにてこずります。切り替えしで思わず「よいしょ」などと掛け声をかけたくなるほどです。曲がりそうな形はしていても、思うほど曲がらないバイクなのかもしれません。事実コーナーの進入スピードを間違えたら、修正が難しく、心臓がドキッとする事も多々ありました。もちろん私自身がそんなに峠を攻めたりするのが好きではないので、そう感じるだけかもしれませんが・・・。まあ峠を攻める為に作られたバイクではないので、これはしょうがないですね。

得意な分野は長距離のツーリング。特に高速道路や緩やかなワイディングではとても気持ちよく走れます。パワーに余裕があるので、アクセルワークも少なくてすみます。やはりホンダのフラッグシップだけはあり、完成度の高いバイクだと思います。しかしながら排気ガス規制などによって2008年には生産中止となり、今では絶版車となってしまいました。

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ブラックバードのメーターの写真
ムンクの叫び状態

今では走行距離が11万キロを越え、間もなく12万キロに届くといった感じです。中古で購入した上にもう10年以上乗っているので、元気に動いているとはいえ、やはりあちこちガタがきている状態です。一番弱いと感じているのは電気関係。初期型はレギュレーター(発電機)が弱く、この型では改良が加えられたのですが、いまいち強くなく、私も一度交換しています。

インジェクション自体もインジェクションが登場して間もない頃のものなので、電気消費量が大きく、ちょっと不安定な印象。スイッチ類の接触を含め、電気が通わないと動かないインジェクション車なのでもう少ししっかりしていればなと思うことがあります。その他はベアリング、特にハンドルのベアリングがよく壊れるのも厄介です。これはアップハンドルにしているからかもしれません。

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それ以外はおおむね良好で、タイヤもツーリングタイヤを履けば、前が15000キロ、後ろが20000キロ以上は確実にもつし、ブレーキやチェーンも2,3万キロ交換しなくてもいいしと、まあこれは乗り方が影響するかと思いますが、なかなか経済的です。

燃費の方はいまいち安定しなく、同じようなツーリングでいいときは19キロいけば、15キロぐらいのときもあります。寒くなったりするとインジェクションが安定しなく、始動してしばらくするとエンジンが止まるといったことが起こっているので、古くなったインジェクションの影響かなと思ったするのですが、どうなのでしょう。あと何年乗るのか、あと何年で壊れるのかわかりませんが、まああまり乗り換えたいといった気持ちもないので、乗れるところまで乗ろうかなと持っている今日この頃です。

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大観山の駐車場で撮った写真
大観山の駐車場で

ツーリングの時に撮った写真です。とても天気がよく絶好のツーリング日よりでした。やっぱり単車は乗っていて楽しいですね。風をまともに受け、車よりも走っている実感が沸きます。足でアクセルを調節する車よりも、敏感な手でアクセルを調節するバイク方がより楽しいと感じられるのでしょうか。

私は思うのですが、車は4本足の動物的なイメージがあり、単車は2本足の動物的なイメージがあると思います。4輪は安定性はあるのですが、機動力に欠けます。2輪はその逆でバランスが非常に重要です。それ故に4輪のようなコンピューターでの自動操縦が難しく、ある意味運転手が主役の乗り物ともいえます。そう言う意味で人間の本能に訴えかける何かがあるのではないでしょうか。

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ただやっぱり事故が怖いですね。事故の割合は、車に比べれば少ないとは思いますが、事故をした時に怪我をする確率が圧倒的に高く、事故=怪我というイメージが一般的です。2輪に乗っている方はくれぐれも事故には気を付けて安全運転を心がけて下さい。

HONDA CBR1100XX SuperBlackbird(スーパーブラックバード) ・1999年仕様
エンジン:水冷4サイクルDOHC4バルブ直列4気筒 排気量:1137cc 最高出力:164ps/9,500rpm 最大トルク:12.7kgfm/7,250rpm 変速機:常時噛合式6段リターン 車体寸法:全長2.16m、全幅0.72m、全高1.20m、乾燥重量:223kg

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<バイクツーリングやレースについてのエッセイ §6、私の愛車たち 1999年7月初稿 - 2015年11月改訂>