祭りの情景#3
原東大花田植
(北広島町志路原 2015年訪問)花田植が盛んな北広島町で行われている田植行事の一つで、例年5月の第三日曜日に行われます。前週に行われる大朝の新庄のはやし田と同様に大朝飾り牛保存会による代掻きが行われ、そのあとにサンバイの指示のもと田楽囃子の太鼓が鳴り、早乙女によって苗が植えられていきます。
北広島町志路原地域は周囲を山に囲まれていて・・・、田んぼと山しかないというと失礼かもしれませんが、とてものどかな農村地域です。田植の日は朝からステージで芸能発表や神楽が行われ、ちょっとしたバザーも出たりと、小さな農村のお祭りといった雰囲気になります。早乙女体験の募集も行っていて、訪れたときは外国人の方が多く田植を楽しんでいました。
この志路原地域の東側には毛利元就の次男が元春が婿にいった吉川家の居城があります。一方、西側は国道433号がまさに酷道というような悪路。吉川家はこの志路原地域の田を守るためにこの場所に城を築き、守っていたんだろうなと感じることができる地形です。
そう考えるとここは戦国時代からの米どころであり、ずっと稲作文化が守られ、そういった環境で伝えられる田楽にも説得力を感じられます。それに吉川家が守ったこの地域。きっとここの米はおいしいのでは。そう思ってしまいます。
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* 情景素写 *
原東大花田植は、田の周囲に山が広がり、建物があまりないこともあってとても雰囲気がいい田植でした。新庄のはやし田が隠れ里で行われるような雰囲気に対して、ここは山深い農村で行われる雰囲気といった感じでしょうか。
アクセスが悪い分、広島の花田植の中でも風景の良さはトップクラスです。古き良き日本の農村の情景を求めて訪れてみてはどうでしょう。地元の神楽が舞われたり、早乙女体験の募集も行っているようです。
原東大花田植(2015年) -風の旅人- (2019年8月更新)