新庄のはやし田
(北広島町大朝 2015年訪問)田植に関する行事は全国で多く行われていますが、実際に田んぼに入っての田植行事はそこまで多くありません。広島の祭りで特徴的なのが田んぼに入って行われる花田植(囃子田)が多いことで、北部の北広島町や安芸高田市を中心に5月から6月にかけて行われています。
例年、ゴールデンウイークの明けた5月の第二日曜日に島根県との県境が近い北広島町の大朝で広島の花田植の先陣を切って新庄のはやし田が行われます。安芸のはやし田として国の重要無形民俗文化財に指定されている伝統的な伝統芸能で、飾り牛による代掻きや早乙女による田植が行われます。年によっては地域の伝統芸能の新庄南條踊りや神楽などが田植前に行われます。
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* 情景素写 *
大朝鳴滝渓谷入口にある田んぼで新庄のはやし田が行われます。奥には温泉施設のおおあさ鳴滝露天温泉があります。
訪れた年はわくわく湯けむりステージで、伝統芸能の新庄南條踊りや地元の子供神楽団による神楽のステージが行われました。
子供神楽による土蜘蛛。
関東では見ることのない場面ですが、広島ではなじみの光景です。
早乙女さんたちが木々の間を通って田植会場に向かっていきます。
山の中で行われる田植はあまりないので、他では見かけない光景です。
牛も田植に向けて華やかに飾りつけされます。
花田植が行われる前に田の横の駐車場で神事が行われます。
田んぼの前に祭壇が設けられ、神事が行われ、田の神様、サンバイを呼びます。
サンバイ様の御幣をもった方を先頭に飾り牛が田を一周していきます。
田を回った後、昔ながらの代掻きの道具が取り付けられ、今度は田を掻いていきます。
代掻きの方法は何種類もあって、田の周り方よって違います。
先頭のリーダーの指示で型を変え、幾つかの型を披露していました。
土手の上を中心に田の周りでは、多くの観客が巧みな代掻きの様子を見守っていました。
牛が掻いた後、エブリと呼ばれる道具で田植がしやすいように田を平坦にならしていきます。
田ならしが終わると早乙女さんや太鼓を持った囃子方が田に入ってきます。
早乙女さんが手際よく植えていきます。
何列か植えたら腰をあげて後ろに下がります。
おっとっと。慣れないと田んぼでの後ずさりはバランスを崩しやすいです。
早乙女さんが一列になって、前にいるサンバイのササラの拍子に合わせて苗を植えます。
後ろでは田楽の太鼓が鳴らされ、飾り牛も動き回ります。
3分の2ぐらい終わると、休憩が入ります。
朴葉で巻かれた朴葉むすびが配られ、早乙女さんたちがほおばります。
観客にも振舞われ、会場全体で小休止といった感じです。
飾り牛も退場していきます。
田の外では子供たちが牛に乗せられていました。
飾り牛の上に乗るといい子に育つとか、いいことがあるとか・・・。
サンバイの合図で後半が始まりました。
最後まで早乙女さんの手によって丁寧に稲の苗が植えられました。
広島県の観光アシスタントのひろしま、宝しまレディの方々が毎年やってきます。
田植後、カメラマンの声に応えていました。
広島で行われる花田植のほとんどが田舎で行われていますが、集落の中にある田んぼで行われます。ここ大朝で行われる新庄のはやし田のように周囲が林といった山の中で行われる花田植は他にはありません。木々に囲まれ、これだけ静かな環境の中で行われる田植祭りは全国的にも珍しいのではないでしょうか。
アクセスがちょっと大変かもしれませんが、のどかな雰囲気の中で行われるので、初めて花田植を見に行く人にもおすすめです。ドライブがてら訪れてみてはどうでしょう。
新庄のはやし田(2015年) -風の旅人- (2019年7月更新)