風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
風の祭事記
風の旅人 祭り、イベント訪問記

人形のまち岩槻 流しびな

人形の産地で知られる岩槻で行われる流し雛です。城址公園の池に内裏様がさん俵を流す様子はとても風流です。

・開催場所 :岩槻城址公園(さいたま市岩槻区)
・開催日時 :3月3日前の日曜日
・行事内容 :流し雛と関連行事
・備考 :2012年訪問(4月29日開催だった時)

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

広告

* 人形のまち岩槻 流しびな訪問記 *

・人形のまち岩槻 流しびなについて

岩槻城址公園の人形塚の写真
岩槻城址公園の人形塚

「人」という文字を連想する人形塚です。
黒門と呼ばれる城門の近くにあります。

人形の生産量、生産額ともに日本一の岩槻では、毎年2月下旬から3月上旬にかけて「人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり」が行われ、期間中には町の商店や施設などにお雛様が飾られます。

人形の町だけあって丁寧に人形が展示されていたり、変わった人形が展示してあったり、手作りの凝った人形が沢山展示されていたりと見ごたえのある雛めぐりを行うことができます。またおひな様パレードが行われたりと人形の町らしいひな祭りとなっています。雛めぐりについては別ページで紹介しています。

その関連行事として、岩槻城址公園の菖蒲池で流し雛が行われます。以前は4月29日の昭和の日に行われていましたが、現在ではひな祭りの日に近い3月3日前の日曜に変更となりました。

人形のまち岩槻 流しびな さん俵の写真
さん俵

藁を編んだ円形の俵に人形と願い事を書いた紙を挟んで流します。

岩槻の流し雛ではさん俵が使用されます。さん俵とは米俵の蓋の部分の名称のことで、丸っこい藁のお盆といった感じです。それに男雛、女雛を載せ、願いことを書いた紙を一緒に入れて流します。

関西や山陰などの一部で伝統的に行われてきた流し雛で、関東では雛巡りなどで飾ってあるのは見かけますが、流し雛としてさん俵が使用されているのは恐らくここだけです。

岩槻の流し雛では内裏様が流し雛を行っているのも特徴的で、これは京都の下賀茂神社の流し雛を模したものだと思われます。着付けなどに京都の専門学校が協力しているので、そういった影響でしょうか。

・行事の様子

人形のまち岩槻 流しびな 会場の岩槻城址公園菖蒲池の写真
会場の岩槻城址公園菖蒲池

以前は4月29日開催だったので、新緑が美しかったです。

岩槻の流しびなは駅周辺から少し離れた岩槻城址公園の菖蒲池で行われます。岩槻城址公園は大きな菖蒲池を中心とした公園で、訪れたときは4月29日開催の時だったので、木々の緑が美しく、ツツジが咲きかけ、睡蓮などが葉を広げ始めていてと新緑がとても美しかったです。

一応岩槻城跡ということになりますが、その面影はほとんどなく、かつて場内で使用された門が移築されているぐらいが城跡としての見どころとなるでしょうか。

人形のまち岩槻 流しびな 子供たちの琴演奏の写真
子供たちの琴演奏

鮮やかな着物を着て演奏を行っていました。

人形のまち岩槻 流しびな 十二単衣の着付実演の写真
十二単衣の着付実演

一枚一枚着重ねていき、美しい着物姿になりました。

イベントは10時から始まりますが、無料で流し雛に使用するさん俵が配布されるので、10時より前に訪れたらもう長い行列ができていました。訪れたときは無料配布は先着で300個で、それ以外は販売されていました。

菖蒲池の横に設置された会場では、流し雛が行われる前に鮮やかな着物に着飾った子供や大人の女性によって琴の演奏が随時行われます。木漏れ日を浴びながら演奏する様子はとても美しいものでした。

また着付けのテントでは十二単衣の着付け実演も行われます。十二単衣はその名の通り十二枚の衣装を合わせて一つの衣装とする着方で、着付けるほう、着る方も大変です。

訪れたときは子供の日が間近の4月29日の開催だったので、会場には鯉のぼりをくぐって健康を願う鯉くぐりも行われていました。

人形のまち岩槻 流しびな 幼稚園児による鼓笛隊パレードの写真
幼稚園児による鼓笛隊パレード

小さな鼓笛隊が元気よく池の周りを一周します。

ひな流しが始まる直前に地元の白菊幼稚園の園児による鼓笛隊のパレードが行われます。

会場の菖蒲池を太鼓や鍵盤を鳴らしながらぐるっと一周する様子はかわいらしく、多くの声援を受けていました。

人形のまち岩槻 流しびな 宮司さんによるお祓いの写真
宮司さんによるお祓い

池のお祓いから流し雛が始まります。

人形のまち岩槻 流しびな 関係者の流しびなの写真
関係者の流しびな

最初に組合等の関係者が順番に流していきます。

流し雛は宮司さんのお祓いから始まります。池のお祓いが終わると、宮司さんがまず流し雛を池に浮かべます。

その後は主催者の人形協会の関係者や地元の商店街や商工会、自治体などの参列者が順に池に流していきます。ここまでは玉串奉納といった感じの神事的な流し雛です。

人形のまち岩槻 流しびな 内裏様の流し雛の写真
内裏様の流し雛

内裏様に扮した方の流し雛がハイライトになります。

式典参列者の流し雛が終わると、内裏様に扮した方と、琴の演奏を行っていた子供たちがテラスで流し雛を行います。平安貴族の雛遊びといったとても優雅な様子でした。

ただ、ここには手すりが付けられているので、他の流し雛に比べるとちょっと窮屈な感じというか、投げ込むように池に入れざるを得ないのが残念なところです。

人形のまち岩槻 流しびな 一般の方の流し雛の写真
一般の方の流し雛

多くの人が思い思いに願いを託したさん俵を流していました。

人形のまち岩槻 流しびな 池を漂うさん俵の写真
池を漂うさん俵

様々な思いを託されて池をゆらゆらと漂っていました。

内裏様の流し雛が終わると、一般の方の流し雛になります。係の人の誘導で順に池のテラスに向かい、願い事を添えたさん俵を願いを込めて流していきます。

けっこう長い行列ができていたので、しばらく賑やかな流し雛が菖蒲池で続きます。

川とは違って流れのない池なので、ゆらゆらとさん俵が揺れながら漂っているのが印象的でした。

人形のまち岩槻 流しびな 内裏役の撮影会の写真
内裏役の撮影会

平安雅な衣装がよく似合っていました。

一般の方が流している間には内裏役を務めた女性たちの撮影会が行われていました。

・感想など

人形のまち岩槻 流し雛の様子の写真
流し雛の様子

池の周りに花が咲き、新緑が美しい流し雛でした。

鮮やかな衣装に着飾った内裏様と子供たちによる流し雛は新緑の菖蒲池によく映え、人形の町に相応しい美しく感じる流し雛でした。

多くの人が流し雛を楽しんでいるのも印象的で、会場の菖蒲池がとても和やかな雰囲気に包まれていました。

現在では3月3日前の日曜日と約2か月早くなり、周囲の雰囲気が変わりましたが、行事の美しさは変わらないはずです。会場の公園には桜が多く植えられているので、月遅れの4月3日頃に行うと一番美しいのでしょうが、混雑を考えたら難しいのでしょうね。

人形のまち岩槻 流しびな 風の旅人 - 2012年訪問

広告

* 情報、アクセス等 *

・人形のまち岩槻 流しびなの概要

・開催日時2020年3月1日(日) (例年3月3日前の日曜日)
・開催場所岩槻城址公園菖蒲池 埼玉県さいたま市岩槻区太田3丁目3−4
・行事内容流し雛、パレード、琴の演奏など
・スケジュール午前10時~午後2時(流しびなは午前11時から)
・アクセス等最寄り駅は東武野田線岩槻駅ですが、駅から約1.9キロあります。無料の公園駐車場有。
・備考さん俵は先着順の無料配布、有料での販売があり、当日訪れて行事に参加することができます。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

広告

広告

広告