人形のまち岩槻
まちかど雛めぐり
岩槻は江戸時代より人形の生産地として知られています。伝統のある人形の町で行われる雛祭りでは御自慢の人形が各所に飾られ、人間おひな様パレードや流し雛も行われるなど、人形の町にふさわしいイベントになっています。
・開催場所 : | 東武野田線岩槻駅東口周辺(さいたま市岩槻区) |
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・開催日時 : | 2月下旬~3月上旬 |
・行事内容 : | 雛めぐり、パレード |
・備考 : | 2009年、2012年訪問 |
*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。
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* 人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり訪問記 *
・人形のまち岩槻 まちかど雛めぐりについて
埼玉の大宮と春日部の間にさいたま市岩槻区があります。もともとは岩槻市として独立していましたが、2005年にさいたま市と合併しました。
岩槻は「岩槻人形」として知られるように、生産量、生産額ともに日本一といった人形の町です。岩槻の町には多くの人形店があり、岩槻周辺の国道を走っていても普段あまり見かけない人形の看板を多く見かけます。
岩槻の人形づくりの歴史は江戸時代までさかのぼります。人形の魂とも呼べる頭部は原料に桐粉が使われ、それをしょうふ糊で練り固めて製作します。岩槻周辺は桐の産地が多く、また箪笥の生産地もあり、人形製作の材料を調達しやすい環境が整っていました。
幕末には岩槻藩の専売品に指定されるほど盛んに行われるようになり、現在でもその伝統や技術が受け継がれ、岩槻人形として広く名が知られています。
人形の町と知られる岩槻では2004年から「人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり」が行われています。期間は2月下旬から3月上旬にかけてです。
最初の頃は旧暦を意識した3月下旬が中心の日程で行われていましたが、先取りとばかりに目まぐるしく旬の話題が変わる東京圏に近いこともあり、今では新暦の3月3日を意識した日程に変わりました。
イベントの期間中には町の商店や施設などにお雛様が飾られ、町を散策しながら岩槻の人形を楽しむことができます。
土日には愛宕神社の階段を利用した大雛段が設置されたり、オープニングやひな祭りイベントの日にはおひな様パレードや琴の演奏、よさこいなど、雛巡り以外にも楽しいイベントも行われています。
また関連行事として3月3日に近い日曜日には少し町から離れた岩槻城址公園で流し雛が行われます。これは別のページで紹介しています。
・行事の様子
岩槻のひな祭りは、「まちかど雛めぐり」の名前の通り、町にあるお店などに飾られているお雛様を巡るといったものです。
各地で行われている雛めぐりですが、ここは他と違って人形店が多いのが特徴です。ある意味自然に飾られているというか、違和感がないというか、人形の扱いがうまいな~といった感じです。
こういった雛巡り型のひな祭りが爆発的に広まっていきましたが、最初はどこも試行錯誤といった感じでした。そんな中でここは当然といえば当然ですが、普段から人形を展示しているので、うまく人形を飾っていて、他とは圧倒的に違うなと感じたものです。
それに人形に詳しい人が飾っているので、価値ある人形には解説文が取り付けられていたりするのも、見る方としては分かりやすくてありがたいです。
お勧めなのが駅近くにある矢作人形店、ここでは様々な人形が丁寧に並べてあり、解説付きで楽しめます。白壁の土蔵づくりが特徴の丹過長谷川家には古いひな人形が飾ってあり、見ごたえのある展示となっています。
東玉大正館は旧中井銀行岩槻支店として大正時代後期に建築されたレンガ造りの洋館で、登録有形文化財に指定されています。ここの館内では地元の方が作った大量のつるし飾りとひな人形がスポットライトを浴びて飾られていて、幻想的な空間となっていました。
その他では、私が訪れた時は大河ドラマの影響で篤姫ブーム真っ盛りでした。篤姫の撮影にひな人形が使われたようで、使われた人形を飾っているお店では店主が嬉しそうにひな人形を展示し、御自慢気に人形について語っていました。
近年では愛宕神社の階段を利用して土日に大雛段飾りも行われています。27段の石段に約400体のひな人形が飾られる様子も人気になっているようです。
また町中には人形に関する物が多く、駅前のからくり人形時計を始め、岩槻人形大師、岩槻公園の人形塚、そして人形店東久のお人形歴史館などと様々な観点から人形巡りができます。
お勧めなのが東久のお人形歴史館の展示です。入場料が必要ですが、人形の作り方などの製作過程が展示してあり、なるほどと見て為になる物でした。ここの館内には長年にわたり収集したお人形が所狭しと並んでいるのですが、圧巻なのが壁面いっぱいに並んだ郷土の裃人形です。圧倒されるというか・・・、ちょっと不気味・・・、いや、かなり怖いです。
・ひな祭りイベント
イベント的には最初の週末にオープニングセレモニーが行われ、3月3日前の日曜日にひな祭りイベントや岩槻城址公園で流し雛イベントが行われます。
駅前のイベントでは、おひな様パレード、よさこいなどのパフォーマンス、琴の演奏などが行われ、甘酒の接待もあります。
おひな様パレードは、年によって行われる回数は違うようですが、駅前のレッドカーペットが敷かれた少しの区間を歩き、屏風の前に立つといった小規模なものです。
その他人形の町らしく、つるし飾りや木目込ストラップ、ひな絵手紙などの製作体験が頻繁に行われています。
・少し足を延ばして
人形のまち岩槻 まちかど雛めぐりではおひな様パレードがオープニングやひな祭りイベント日に行われます。お雛様の衣装に着飾った人たちが歩く様子は優雅で美しものです。
でもここでは夏にもひな祭りが行われています。8月に行われる岩槻まつりではもっとスケールの大きなお雛様パレードが行われていて、ひな人形衣装に着飾った人たちが町をパレードし、最後に会場に設置された大きなジャンボ雛段に登ります。実寸大のひな祭りといった感じで、とても人形の町らしいイベントです。
雛めぐりを訪れ、人形の町岩槻に興味を持ったなら、夏に行われる少し暑そうに見えるひな祭りも訪れてみてはどうでしょう。
・感想など
感想としては、さすが日本一の人形の町といったところでしょうか。人形とともにある町というか、人形に親しみが持てる町というか、暮らす人々の人形に対する愛情を感じられ、やはり他のひな祭りとは雰囲気が違いました。
置いてある人形も高そうというか、価値があるものが多く、祭り自体の本気度も違うといった感じです。アピール次第でその店に関わらず、岩槻全体の人形の売れ行きにも直結すると考えればそうなのですが・・・。
とはいえひな人形が売れるのはもっと前の季節です。祭りの期間中は人形店の人も世間話的に人形の話ができて楽しいといった感じで、古い人形や変わった人形について聞くと、よくぞ聞いてくれたとばかりに親切に解説してくれました。
分かりやすい解説つきの展示も多く、人形に対する知識を持った人も多く、もっと深く知りたければ人形博物館もあり、雛巡りをしていると自然と人形に詳しくなってしまうというのがここのひな祭りのいいところです。
人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり 風の旅人 - 2009/2012年訪問広告
* 情報、アクセス等 *
・人形のまち岩槻 まちかど雛めぐりの概要
・開催日時 | 2020年2月22日(土)~3月8日(日) (例年2月下旬~3月上旬頃) オープニングイベント2月22日(土) ひな祭りイベント3月1日(日) |
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・開催場所 | 東武野田線岩槻駅東口周辺(埼玉県さいたま市岩槻区) |
・行事内容 | 雛めぐり、パレードや関連行事 |
・スケジュール | 各店舗の営業日、営業時間による。おひな様パレードはイベント日の13時から。 |
・アクセス等 | 最寄り駅は東武野田線岩槻駅。駅のすぐそば。周辺に有料の駐車場有。 |
・備考 | 公式サイトでパンフレット等がダウンロードができます。 |
・関連サイト |
*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。
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