風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
筑波山神社春季御座替祭のポスター
風の祭事記 ~祭り、イベント訪問記~

筑波山神社春季御座替祭1
(神衣祭)

御座替祭は春と秋に筑波山神社で行われる祭礼で、筑波山神社の重要な祭りになっています。当日は神衣祭、奉幣祭、神幸祭と行われ、このページでは山頂に登る山神輿、神衣祭の様子を紹介しています。

・開催場所 :筑波山神社、筑波山
・開催日時 :毎年4月1日
・行事内容 :神事、山神輿、神幸祭
・備考 :2010年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

広告

* 筑波山神社春季御座替祭の訪問記 *

・筑波山神社春季御座替祭について

朝の筑波山神社 筑波山神社春季御座替祭の写真
朝の筑波山神社

拝殿に神輿が用意されていましたが、境内はひっそりとしていました。

世界的にみれば4月1日といえばエイプリルフールとなるのでしょうが、年度初めの大事な日にあたる日本では新しい法律や制度の適用と重なるので、そんな不真面目かつ紛らわしい行事が一般的な行事となるはずもなく、話のネタにぐらいしかなっていなかったりします。

日本では年度初めとともに4月1日は衣替えの日とも知られ、色々な節目という事で、この日は神社のイベントが多く行われています。

茨城県の筑波山は関東地方に人が住むようになった頃から、信仰の対象として仰がれ、万葉集にも「二神の貴き御山と神代より人の言い継ぎ」と書かれているそうです。

そんな古くから山岳信仰の霊峰として崇められてきた筑波山には、男体山頂(871m)の磐座に筑波男大神(伊弉諾尊)、女体山頂(877m)の磐座に筑波女大神(伊弉冊尊)が祀られる本殿があり、中腹には歴史を感じる拝殿や社務所、御神橋があり、全部をまとめて筑波山神社といった呼び方をしています。

登山道 筑波山神社春季御座替祭の写真
登山道

中腹の拝殿から山頂付近までケーブルカーでも行くことができます。

この筑波山神社では毎年4月1日と11月1日に御座替祭が行われます。この祭礼は筑波山神社の例大祭にあたり、筑波山で最も重要な祭りとなります。この日に限り、誰でも三代将軍家光公奉納の御神橋(県指定文化財)を渡れることでも知られています。

御座替祭というのは、筑波山山頂にある本殿の神衣祭(神様の衣替え)、中腹の拝殿で行われる奉幣祭、氏子地域を御神輿が練り歩く神幸祭の三つのお祭りの総称です。

祭りは神衣祭から始まります。9時頃筑波山の山頂駅を山神輿が出発し、男体山頂と女体山頂にある本殿を周り、神衣祭を行います。神衣祭が行われている最中の10時半頃、筑波神社拝殿で奉幣祭が行われます。そして14時半頃六丁目の鳥居で神幸祭が執り行われ、神輿や付き人が神社に向かって参道を登っていきます。

基本的に御座替祭は春と秋で同じ事をするのですが、山頂で神衣祭が行われている頃、拝殿では奉幣祭が行われます。この時に舞われる巫女舞が、春はかがいの舞、秋は浦安の舞となっているところが違うようです。

御座替祭というと、神様のいる場所(御座)が替わる神事のことで、一般に夏の社、冬の社などと神様の引っ越しを行う神事が多いのですが、この祭礼では御座替祭と名前が付いていながら御座が替わる神事になっていません。

これは麓にあった六所神社(里宮)との間で御座を移したことから御座替祭と呼ばれるようになったとか、親子の神が春と秋に交代したとか、色々な説があるようですが、いまいちよく分かっていないようです。

・行事の様子

出発前 筑波山神社春季御座替祭の写真
出発前

山頂駅にある筑波山コマ展望台から神輿が始まります。
神輿と交換用の衣が出発を待っていました。

朝、ケーブルカーで山用神輿などが山頂駅まで運ばれ、山頂駅→男体山→山頂駅→女体山→下社の順で回っていきます。

出発は朝9時頃。この時間だとまだケーブルカーは動いていないので、見学者は自力で登るしかありません。

山登りの様子 筑波山神社春季御座替祭の写真
山登りの様子

山用の軽い神輿ですが、足場が悪いので大変です。
協力しながら登っていきます。

男体山本殿への階段 筑波山神社春季御座替祭の写真
男体山本殿への階段

最後の階段は特に傾斜があり、しんどそうでした。

男体山の本殿で 筑波山神社春季御座替祭の写真
男体山の本殿で

神輿が本殿の前に置かれて神事が始まります。
風が強く、寒い中で行われました。

お祓い 筑波山神社春季御座替祭の写真
お祓い

参列者のお払いが行われ、この後衣替えの神事が行われます。
神事は社の中で行われるので見えません。

下りの階段 筑波山神社春季御座替祭の写真
下りの階段

登りよりも下りの方が大変そうでした。

下りの様子 筑波山神社春季御座替祭の写真
下りの様子

衣替えの神事に使う衣や道具が入っています。

下りの様子2 筑波山神社春季御座替祭の写真
下りの様子2

同じ道を山頂駅目指して下っていきます。
この付近は下りの方が楽そうです。

筑波山コマ展望台 筑波山神社春季御座替祭の写真
筑波山コマ展望台

一旦山頂駅に戻り、レストハウスで休憩します。
ちょうど下の拝殿では奉幣祭が行われている頃です。
男体山が雲の中に入ってしまいました。

男体山で神事を終えた後、一旦山頂駅の筑波山コマ展望台に戻ります。そして担ぎ手の人たちはここで休憩です。

ちょうどこの頃、拝殿では奉幣祭が行われます。これは見ていないので詳しくはわかりませんが、拝殿に神社本庁の献幣使(けんぺいし)を迎えて執り行われる祭事で、宮司の祝詞、献幣使の祭詞が奏上され、春はかがいの舞、秋は浦安の舞が巫女によって舞われます。

女体山へ 筑波山神社春季御座替祭の写真
女体山へ

女体山の方が雪が多く残っていました。

女体山での神事 筑波山神社春季御座替祭の写真
女体山での神事

男体山と同じように神事が行われます。

神事の様子 筑波山神社春季御座替祭の写真
神事の様子

風が強く、寒々しい中での神事でした。
じっとしているのも大変だったと思います。

雪が残る登山道 筑波山神社春季御座替祭の写真
雪が残る登山道

女体山からはロープウェイの方へ進んでいきます。
この年は所々に雪が残り大変でした。

ロープウェイ駅へ 筑波山神社春季御座替祭の写真
ロープウェイ駅へ

下りはロープウェイで神輿を降ろします。

筑波山コマ展望台で休憩した後は女体山へ向かいます。登るのが大変というほどの標高差はありませんが、男体山が標高871m、女体山は標高877mと、女体山の方が少し高いです。

女体山で男体山と同じように御座替祭が執り行われた後は、今度はロープウェイ駅へ向かい、ロープウェイで下山します。

訪れた年は寒いうえに風が強かったので、神事の間、じっと立っているだけでも体温が奪われていきました。おまけに登山道には所々雪が残り、雪解け水や雲の水分で地面や岩場が濡れていたので下るのが大変でした。

・感想など

岩場を下る 筑波山神社春季御座替祭の写真
岩場を下る

厳しい自然の中でこそ地域の絆が美しく感じるものです。

岩場が多い筑波山を黙々と神輿が進んでいきます。急な岩場では仲間と協力して登り、そして慎重に下っていました。

町中と違ってここではたまにすれ違う山歩きをしている人ぐらいしか観客がいません。そういった静かな中、山の中をひたむきに神輿を担いでいる姿を見ると、地域の絆、筑波山や筑波山神社への愛情を強く感じます。

*その2 神幸祭へつづく

筑波山神社春季御座替祭
その1 神衣祭
風の旅人 - 2010年訪問

広告

* 情報、アクセス等 *

・筑波山神社春季御座替祭の概要

・開催日時2020年4月1日(水) (毎年4月1日)
・開催場所筑波山神社、筑波山
・行事内容神衣祭、奉幣祭、神幸祭
・スケジュール9時頃山神輿出発、10時半頃神社拝殿にて奉幣祭、14時半頃六丁目の鳥居で神幸祭、御神輿出発、16時頃神社到着
・アクセス等つくば駅よりシャトルバス。有料駐車場有。
・備考ケーブルカーの運行は9時20分からです。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

広告

広告

広告