風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
真壁のひなまつりのパンフレット
風の祭事記 ~祭り、イベント訪問記~

真壁のひなまつり1
ひな巡り

蔵の町として重要伝統的建造物群保存地区に指定されている桜川市真壁。趣きのある町全体でひな巡りができ、人気のひな祭りイベントとなっています。

・開催場所 :真壁町市街地(茨城県桜川市)
・開催日時 :毎年2月4日から3月3日
・行事内容 :雛めぐりと流し雛などの関連行事
・備考 :2008年、2014年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* 真壁のひなまつり訪問記 *

・真壁のひなまつりについて

真壁のひなまつり 真壁を代表する潮田家の写真
真壁を代表する潮田家

真壁には登録文化財の建物が多いです。
ひな祭りの期間中には雛人形や雛飾りだけではなく、
建物や町の雰囲気も同時に楽しめます。

筑波山の北側に真壁という小さな町があります。現在は合併により桜川市真壁町となりましたが、江戸時代には木綿流通の拠点であり、また周辺地域の物産が集散する町として月に12回の市が開かれるほど繁栄していました。

現在でも町中には江戸時代から明治・大正に建てられた家屋や蔵が多く残り、108棟もの建物が登録文化財に指定されています。市街地自体も2010年に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。

真壁のひなまつり 楽しそうな石像の写真
楽しそうな石像

真壁は石の産地で、石材関係の店も多いです。

このような伝統的な古い町並みを持つ真壁では、2003年から「寒い中、真壁に来てくれた人をもてなそう」といった趣旨で、旧家の人たちが中心となって「蔵の街・真壁のひなまつり」が始まりました。

真壁のひなまつりは例年2月4日から3月3日までの一か月間行われます。期間中は賛同する店舗や施設、個人の家などにひな人形などが飾られ、町歩きをしながらそれを見て回るといった雛巡り型のイベントになります。

ひな祭りが始まった頃は、民家におひな様を展示され、それを巡り歩くといった雛巡りは関東ではあまり一般的ではありませんでしたが、町の雰囲気と地元の人のおもてなしの心が相成って、今では期間中に10万人以上訪れるという関東を代表するひな祭りとなりました。そして真壁のひな祭りを手本に多くの町が町興しとしてひな祭りを行うようにもなりました。

真壁のひなまつり 三輪家の写真
三輪家

とても美しい見世蔵で、文化財にも指定されています。
さりげなくショウウインドウなどにお雛様が飾られています。

真壁のひなまつりには「和の風」というサブタイトルが付けられています。これはひな祭りを始めた人たちの「お雛様を通して、和の文化・和む心・人の和が広がってほしい」という思いからつけたそうです。

また、第何回目といった数え方ではなく、第何章と「章」を使っているのも特徴的です。これはお雛様を飾る人や真壁に訪れる人が増えていくことに「物語」を感じ、「章」という呼び方にしたそうです。

・行事の様子

真壁のひなまつり 川島書店見世蔵の雛飾りの写真
川島書店見世蔵の雛飾り

蔵でも倉庫ではなく店として建てられたのが見世蔵で、真壁には多くあります。
川島書店の見世蔵の展示はとても凝ったものでした。

真壁のひなまつり 伊勢屋旅館の雛飾りの写真
伊勢屋旅館の雛飾り

料亭だった建物を使用した古風な旅館です。
ランチも人気となっています。

40軒程度の協力で始まった真壁のひな祭りですが、今では展示しているお店やお宅が180軒もあります。多い時には200軒を越えるなど、町全体でひな祭りが行われています。

180軒で展示されているので、展示内容も展示してある場所も様々です。小規模な展示から、テーマにこだわった展示、立派なお雛様に江戸時代のお雛様、他の地域の珍しいお雛様やら手作り雛まで実に多くのお雛様が展示されています。

真壁のひなまつり 旅籠ふるかわの写真
旅籠ふるかわ

ここは建物の2階部分にお雛様が展示されます。

展示場所も見世蔵や酒蔵などの文化財に指定されている立派な建物もあれば、普通の商店だったり、一般のお宅だったりと様々です。

展示にしても毎年同じような展示をしているところもあれば、毎年テーマを変えているところもあります。多くの人が見に来てくれるということで、展示する方もあれこれと考えるのが楽しいようです。

真壁のひなまつり 石雛の段飾りの写真
石雛の段飾り

真壁は御影石の産地で、石材加工が盛んな土地です。

真壁のひなまつり 村井醸造の雛飾りと琴の演奏の写真
村井醸造の雛飾りと琴の演奏

真壁には2つの酒蔵があり、公明や花の井など有名な清酒があります。

こういった雛巡りイベントのいいところは町並みとひな人形とを一緒に見て回れる事です。文化財となっている古く立派な家でも普段は外から眺めるだけなのですが、このひな祭りの期間中、公開されている場合はお邪魔しますと中も見学できてしまいます。だからひな祭り期間中の散策はとてもお得なのです。

歩き方は多くの古い建物が並ぶ御陣屋前通りを中心に、下宿にある真壁を代表する潮田家などの文化財となっている家の展示、酒蔵の村井醸造や西岡本店、真壁らしいものとしては名産の真壁御影石で造った石雛などを見て歩くのが定番です。

後は見どころや展示場所が多いので、時間の許す限り、地図とにらめっこしながら決めるのがいいかと思います。

真壁のひなまつり 窓からのぞくお雛さまの写真
窓からのぞくお雛さま

シンプルで美しい展示でした。
普通の民家にも結構飾られていました。

近年はちょっと有名になりすぎてしまった弊害もあるとか。あまりにも大勢観光客が訪れるようになり、それに伴いマナーの悪い観光客も増えて個人のお宅を解放するのも大変だとか聞きました。

訪れる人が増えるとそうなるのもしょうがないですね。とはいえ、1か月間という長い期間を収益の見込める店舗ならまだしも、個人のお宅で公開するというのは少々無理があるように感じます。

特に個人のお宅を訪れる際にはマップに記載されているから入れるのが当り前ではなく、見せてもらっているといった気持ちを忘れないようにしましょう。

真壁のひなまつり 日曜日の御陣屋前通りの写真
日曜日の御陣屋前通り

土日には歩行者天国となり、多くの人がのんびりと散策を楽しんでいました。

真壁のひなまつり 甘酒等の販売の写真
甘酒等の販売

酒蔵があるのでお酒関係のものは特に美味しいです。

期間中の土日には中心部が歩行者天国となり、出店も出て活気があります。人は多くなりますが、車に気を使わないでのんびりと散策を楽しむことができます。

露店も多く出て、地元の人がやっている店では土地のものが安く手に入ったり、特別メニューのランチがあったりと、散策の楽しみが広がります。

また真壁には酒蔵が2つあるので、甘酒や酒饅頭なども各所で売られています。おいしいので、小腹が空いたときに休憩がてらつまんでみるといいですし、お酒好きな方は気に入った地酒をお土産にできます。

その他、期間中には「人形浄瑠璃」「ぶらっと真壁着物deひな祭り」といったイベントなどもあったり、3月2日の夜には宵雛といってお雛様のライトアップが地元の人の間でひっそりと行われています。ライトアップされたお雛様もまた風情があっていいようです。

次の項目で紹介しますが、最終日の3月3日ひな祭りの日には町の南側を流れる山口川で流し雛が行われ、ひな祭りのフィナーレを飾ります。

・少し足を延ばして

筑波山山頂の写真
筑波山山頂

山頂付近までケーブルカーで行くことができます。

真壁は筑波山を望む町。車ならドライブを兼ねて筑波山まで足を延ばすのがお勧めです。

ちょうど2月中旬頃から筑波山梅林で梅まつりが行われていて、早めに咲く年なら梅の花と香りを楽しむことができます。

梅が咲いていなくても筑波山神社を参拝したり、ケーブルカーやロープウェイで山頂付近まで楽に訪れることができるので、そこから少し頑張って山頂まで登り、関東平野を眺めるというのもいいかと思います。

この時期は空気が澄んでいて眺めがいいし、あまり汗をかかずに登れるというのがお勧めのポイントです。

その他、同じように蔵の町で知られる結城や下館で行われているひな祭りをはしごして、ひな祭り三昧な一日を過ごすというのも面白いかもしれません。

・感想など

真壁のひなまつり 吊るした毬玉とお雛様の写真
吊るした毬玉とお雛様

品の良さを感じる展示でした。

私の中で関東で一番と感じるひな祭りはここで、他の雛祭りも訪れてみようと思い始めた雛祭りの原点でもあります。

町並みには文化財に指定されている建物が多く、町を散策するだけでも楽しいのに、おひな様を公開している立派な旧家や旅館などはお雛様にかこつけて内部を少し見ることができてしまいます。この時期は町歩きや散策好きにはたまりません。

主役のお雛様も古いものだったり、珍しいものだったり、また展示方法が凝っていたりと、2、3軒見て他も似た感じでしょ!とならず、何軒でも見て歩きたくなるような楽しさがあり、まるで古い町並みとひな祭りのテーマパークを歩いているような気分でした。

もちろんもてなしてくれる人の温かさもここの雛めぐりが心地よく感じる一因で、毎年10万人の人が訪れるという人気のイベントになっているのも納得です。

公共交通では少々不便な場所にありますが、それゆえに懐かしさとか、穏やかな雰囲気が残っているともいえますので、ぜひ頑張って訪れてみてください。

*その2 和の風流し雛へつづく

真壁のひなまつり1
ひな巡り
<2008年、2014年訪問>
風の祭事記 - 風の旅人

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* 情報、アクセス等 *

・真壁のひなまつりの概要

・開催日時2020年2月4日(火)~3月3日(火) (毎年2月4日から3月3日)
・開催場所真壁市街地 伝統的建造物群保存地区
・行事内容雛巡りと関連行事
・スケジュール各店舗の営業日、営業時間内(水曜日に休みが多い)
・アクセス等JR水戸線「岩瀬駅」より市バス、臨時バス。有料、無料の大駐車場有。
・備考公式サイトでパンフレットや散策マップのダウンロードができます。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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