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江戸流しびな(浅草)

東京きっての観光地浅草の隅田川で行われる流し雛です。スカイツリーが見守る中、多くの人が流し雛を行います。

・開催場所 :隅田公園吾妻橋親水テラス(台東区)
・開催日時 :3月3日前の日曜日
・行事内容 :流し雛
・備考 :2012年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* 江戸流しびな訪問記 *

・江戸流しびなについて

江戸流しびな 隅田公園からの景色の写真
隅田公園からの景色

浅草らしい景観が目の前に広がっています。

浅草雷門のすぐ側の隅田川には吾妻橋が架かっています。吾妻橋といえば対岸に見えるサッポロビールの金色に輝くひょうたんが古くから知られているでしょうか。現在では東京スカイツリーもそびえ、スカイツリーのビュースポットにもなっています。

その吾妻橋周辺の川沿いは隅田公園となっていて、川に面する護岸は吾妻橋親水テラスとして整備されています。このテラスで毎年雛祭りの3月3日前の日曜日に江戸流し雛が行われます。

この行事は江戸流しびな振興会が主催で昭和61年から行われていて、最初は上野の不忍池で開催していましたが、隅田川の方が東京らしく魅力的ではないかということで、隅田公園のテラスと屋形船から流されるようになりました。今ではすっかり浅草、或いは隅田川の春の風物詩となりました。

主催の江戸流しびな振興会とは「流しびな」を継承することを目的に組織された組織で、後援に東京都ひな人形卸商協同組合、東京都雛人形協同組合や東京都、台東区などとそうそうたる名が並んでいます。

江戸流しびな振興会によって事前に行われる公募で選ばれた1500人の招待参加者が中心となりますが、当日一般の人も一基800円でお雛様を購入して参加する事ができます。って、結構なお値段ですね・・・。地方では工芸品の流し雛が買えてしまう値段で紙に印刷されたおひな様が販売されるというのは、さすが東京の中心で行われる流し雛です。

東京マラソンの写真
東京マラソン

同じ日に東京マラソンが行われていました。
ランナーの大群が押し寄せるというか、凄い人の流れを感じました。

流し雛の開催は雛祭り前の日曜日ということなので2月の最終日曜日に行われることも多々あります。2月の最終日曜日といえば東京マラソンの日と重なることもありました(現在では3月第一日曜)。

浅草は大規模な交通規制が敷かれ、歩くのがままならないほど混雑します。先頭のトップランナーが通過するのがだいたい10時半過ぎぐらいでしょうか。

もし日程が重なるようでしたら一緒に訪れてみてください。凄まじい数のランナーがコースを走る様子はとても迫力があるというか、圧倒されるぐらいビックリします。応援イベントも沿道の各地域で行われ、楽しい一日を過ごすことができるはずです。

・行事の様子

江戸流しびな 使用される雛の写真
使用される雛

水に溶ける素材を使用しています。
下が菱餅のようになっていて、底にもお雛様が描かれているのが特徴です。

当日は、12時から流し雛のイベントが始まりますが、11時ぐらいからぼちぼちと人が訪れ始めます。

そしてお雛様を組み立て、短冊に願い事を書き、流し雛を行う順番待ち列に並び始めていました。

江戸流しびな 振り袖さんとスカイツリーの写真
振り袖さんとスカイツリー

スカイツリーの開業年なのでスカイツリーと一緒に。

12時になると本部のある公園で式典が行われ、その後テラスに降りて区長や浅草名物の振り袖さんによる雛流しが行われます。その際には白いハト型風船の放天も行われます。

江戸流しびな 雛飾り船からの流し雛の写真
雛飾り船からの流し雛

招待された幼稚園児が屋形船から流します。

この後は特別参加の付近の幼稚園児が、テラスの目の前にやってきた雛飾り船とテラス側に分かれて流し雛を行います。

テラスからは雛飾り船から流す子供達の様子がよく見え、歓声を挙げながら楽しそうに流しているのが印象的でした。

江戸流しびな テラスからの流し雛の写真
テラスからの流し雛

三カ所の滑り台が設置された流し場から滑らすように流します。
テラスの上部の人たちは見学者ではなく、順番を待つ列です。

これが終わるとずらっと長蛇の列となって並んでいる一般の方々が次々と流していきます。お雛様は一基でも子供に付き添う親たちを入れるとかなりの人数になってしまいます。

水面まで高さのある場所から流さなければならないので、飛行機の緊急脱出用の滑り台みたいなビニールの斜面を使って滑らすように流すのがここの特徴です。都市的というか、日本でもここぐらいでしょうか。

流す場所は三カ所設置されていて、全部でだいたい3000基ぐらい流されるようです。流す前に記念写真を撮ったりするので、全員が終わるまでに1時間以上かかります。

江戸流しびな 滑る流し雛の写真
滑る流し雛

風がないと、意外とうまい具合に滑っていきます。
ただ、着水するときにひっくり返る場合があります。

流すお雛様は軽い紙製なので高い位置からではなかなかうまく着水してくれません。滑り台ではうまく滑ってくれても水面に着いたときに表になるか裏になるかは運次第。

訪れた時はあまり風のない日でしたが、風があると風にあおられて大変なことになりそうな気がします。

でも裏返ってしまっても安心。裏側の菱餅部分にもおひな様が描かれています。これだと裏返って水に着水してもガッカリ感が少ない!回を重ね、流しびなも改良を重ねているだけはあるなと感心してしまいました。

江戸流しびな 吾妻橋から見た様子の写真
吾妻橋から見た様子

吾妻橋の上からもよく見えます。

江戸流しびな 対岸から見た様子の写真
対岸から見た様子

対岸からもよく見えますが、さすがに遠いです。

ここの流しびなは川辺のテラスから直接川へ流すので、見るのにいい場所がないです。

対岸で東京マラソン関係のイベントが行われているのが見えたので、探索を兼ねて吾妻橋を渡ってみました。

で、吾妻橋からだと斜め横から見えていいけど、ちょっと遠く、いまいち何をやっているかわからない感じ。

対岸からだと、正面に見えていいけど、やっぱり遠い。しかも流す方からはスカイツリーなどが見えて壮観なのですが、こっちから見ると普通の風景でした。川の風景がこうも違うのかと驚いてしまいました。

・感想など

江戸流しびな 流し雛が行われているテラの写真
流し雛が行われているテラス

正面にスカイツリーなどを望みながらの流し雛です。

屋形船が使われ、東京スカイツリーやサッポロビールの金のひょうたんなど浅草らしい水辺を背景に行われる流し雛は、これぞ東京といった流し雛でした。

東京マラソンが行われていたとはいえ、テラス周辺の混雑や流し雛を待つ人の列の多さも東京といった感じでしたし、高い位置からスロープを滑らせて川に流すというのも都市部ならではです。

でもこれでは実際に手が水に触れ合うような情緒がありません。人間関係にしても色々な事柄にしても形式的になりつつある東京らしい流し雛でもあるのかな・・・とも感じてしまいました。

江戸流しびな 風の旅人 - 2012年訪問

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* 情報、アクセス等 *

・江戸流しびなの概要

・開催日時2020年3月1日(日) (例年3月3日前の日曜日)
・開催場所隅田公園の吾妻橋付近(台東区花川戸1-2)
・行事内容流し雛
・スケジュール午後12時から式典、その後流しびな
・アクセス等各線の浅草駅から徒歩圏内。周辺に有料駐車場あり(東京マラソンと重なる場合は交通規制があります)。
・備考事前の申し込みで1500人(抽選)が無料で招待されます。当日800円で販売も行われています。詳しくは公式サイトを参照。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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