風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
風の祭事記

風の祭事記 ~祭り、イベント訪問記~

自性院 節分会(猫地蔵まつり)

猫寺として知られる落合の自性院の節分会では七福神が練り歩きます。また当日は秘仏猫地蔵の開帳も行われ、多くの猫好きが訪れます。

・場所 : 自性院無量寺(新宿区西落合1丁目11−23)
・開催日時 : 毎年2月3日
・スケジュール : 14時半から
・備考 : 2010年訪問
*開催場所、日時、内容等は年によって異なる場合があります。

広告

*** 自性院 節分会(猫地蔵まつり)の写真 ***

自性院 節分会(猫地蔵まつり)の写真
門柱の招き猫

左手をあげ、小判を持っています。

自性院 節分会(猫地蔵まつり)の写真
七福神行列

僧侶と七福神が住宅地を練り歩きます。

自性院 節分会(猫地蔵まつり)の写真
桃太郎行列?

鬼退治といったところでしょうか。

自性院 節分会(猫地蔵まつり)の写真
猫地蔵堂での法要

秘仏の猫地蔵が祀られています。

自性院 節分会(猫地蔵まつり)の写真
豆まき

この時間は大いににぎわいます。

自性院 節分会(猫地蔵まつり)の写真
桃太郎による子供豆まき

子供エリアです。

* 自性院 節分会(猫地蔵まつり)について *

新宿区西落合に自性院というお寺があります。このお寺は知る人ぞ知る猫寺です。都内で猫寺として一番知られているのは井伊家の菩提寺と知られる世田谷の豪徳寺でしょうか。いつ訪れても招福観音には多くの縁起物の招き猫が置かれています。豪徳寺の場合は江戸時代になって彦根藩の井伊家が世田谷に赴任してきて、その時に猫に助けられ、猫にまつわるお寺になります。最近では彦根城のひこにゃん、豪徳寺のたまにゃんなどのご当地キャラで有名でしょうか。

一方自性院は更に古い時代、太田道灌が猫に助けられて猫寺になったと言われています。なんでも豊島氏と江古田ヶ原で戦っていた時、暗くなって道に迷ってしまい、困り果てているところに黒猫が手招きをし、おかげで自性院にたどり着き、なんとか一難を逃れたとかなんとか。現在自性院にある猫地蔵堂に「道灌招ぎ猫」が祀られていて、それは道灌がこの猫を終世かわいがり、死後供養のため奉納したものだとか言われています。

また猫地蔵堂にはもう一体古い猫の像があり、「猫面地蔵」と呼ばれています。これは江戸中期に貞女の誉れの高かった小石川の豪商真野正順の娘を供養するため、神楽坂の鮨屋の弥平という者が奉納したものだとか。この像は高さが50cmほどの立ち姿で、顔は猫、髪は総髪の尼姿で、右手に数珠、左手に香炉を持っています。なぜ猫顔で彫られているのか。どういう意図で奉納されたのかよくわかりませんが、猫の姿をした地蔵尊は不気味であり、インパクトがあるのは確かです。真偽の程は確かではありませんが、この二つの猫に関する伝承から、自性院こそ招き猫発祥の地だとする説もあります。

この猫寺では節分の日に節分会が行われ、七福神行列というパレードが行われます。そしてその日は猫地蔵堂が一年で唯一開帳され、2体の猫の秘仏を拝見できる日でもあります。そのため節分会ではなく「猫地蔵まつり」とも呼ばれています。何故この日に開帳なのか。どうやら特に伝承とか特別なことはないようで、節分行事で多くの人が集まるからその日に合わせて開帳しているという話です。

節分会は2時半に住職を先頭に年男達が扮した七福神が境内を出発していきます。列には天狗様や鎧武者、袴姿の武士、招き猫の纏を持った鳶の人もいて、なんかカオスな行列です。少し遅れて中学生の桃太郎出発します。なぜみんな桃太郎なのか・・・わかりません。そして15分ぐらい町内を回ってお寺に戻ってきます。お寺に戻ってくると、住職達は猫地蔵堂に入っていき、護摩が焚かれ、家内安全、厄除け供養、商売繁盛が祈願されます。それが終わると七福神達が設置されている壇上に上がり、豆をまき、節分会は終了します。

訪れた感想は、七福神パレードはカオスで、もうちょっと違った感じのものを期待していたので、あれれ・・・といった感じとなってしまいました。でもそういった行事よりも秘仏の猫地蔵尊の法要とか、豆まきに期待して訪れている人が多く、境内は結構盛り上がっていました。門柱などにもさりげなく招き猫が置かれていたり、猫塚があったり、お堂の中は招き猫が沢山いたり、当日は特別な縁起物の招き猫が買えたりと、猫が好きな人なら楽しめる行事ではないでしょうか。

風の祭事記 自性院 節分会(猫地蔵まつり)

風の旅人
<2010年訪問 - 2019年2月更新>

広告