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日本橋女学館流し雛

浅草橋のすぐ横にある日本橋女学館(現・開智日本橋学園)では、学校教育として行われる春季伝統行事の一環として神田川で流し雛が行われていました。

・開催場所 :神田川の浅草橋付近
・開催日時 :現在は行われていないようです
・行事内容 :流し雛
・備考 :2010年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* 日本橋女学館流し雛訪問記 *

・日本橋女学館流し雛について

神田川 浅草見附跡の写真
浅草見附跡

かつての番所跡で、浅草橋の北側に設置されていました。

水道橋、お茶の水、秋葉原と東京の繁華街を流れる神田川。東京湾に注ぎこむ前に隅田川に合流するのですが、その少し手前にあるのが浅草橋です。この界隈の地名となった橋です。

橋の両岸は小さな公園になっていて、北側が浅草見附跡、南側は郡代屋敷跡といった史跡になっていますが、碑が建っているのみで痕跡を探すのは難しいです。

この浅草橋から浅草方向に歩くと人形店の看板を多く見かけます。実際、東京の人形問屋の約70%以上がこの界隈に集まっているようで、「人形の久月」「秀月」「吉徳大光」などといった名の知れた専門店が軒を並べています。ただ、昔に比べると目立たなくなってしまった感じです。

神田川 柳橋の写真
柳橋

浅草橋より下流に架かる橋が柳橋です。

浅草橋より一つ下流、神田川の最下流に架かるのが柳橋です。橋の名の由来については諸説ありますが、橋の袂には柳が植えられていてまさに柳橋といった感じです。

柳橋は関東大震災に架け替えられ、永代橋のデザインを模しているのでミニ永代橋と呼ばれています。この付近はかつて花街だったことから欄干にはかんざしがあしらわれているのも特徴です。

現在では花街の面影はありませんが、浅草橋よりも多くの屋台船が係留され、昔ながらの東京の下町の繁華街っぽい雰囲気を感じることができます。

日本橋女学館の校舎の写真
日本橋女学館の校舎

学校の校舎というよりオフィスといった感じです。

浅草橋のすぐそばの川沿いに開智日本橋学園中学・高等学校があります。以前は日本橋女学館で女子中学・高校でしたが、2016年に共学となり、それに伴って学校名も変えられました。

ここ開智日本橋学園では桃の節句の時期に春季伝統行事として「針供養・文房具供養」が100年以上も学校行事として行われています。

平成5年からは流し雛も併せて行われるようになり、校舎裏の神田川で行われる屋台船からの流し雛は、とても浅草橋らしい情景で地域の風物詩となっていました。

共学校となり、学校名が変わってからはこのような形での流し雛は行われなくなったようです。

・行事の様子

日本橋女学館流し雛 学校から見守る生徒と屋台船からの流し雛の写真
学校から見守る生徒と屋台船からの流し雛

学校のすぐ裏が神田川で、校舎の目の前で行われます。

開智日本橋学園では学校の春季伝統行事として「針供養・文房具供養」が100年以上も続けられています。裁縫関係や家政科などのある学校を中心に針供養を行う学校は多いのですが、流し雛を行う学校は少ないはずです。

当日は、午前11時から校舎の6階にある多目的ホールで「針供養・文房具供養」等の式典が行われ、式典終了後の正午ごろから流し雛が行われます。

流し雛は学校のすぐ裏側の神田川で行われますが、ここでは地域の象徴でもある屋形船が使われます。

日本橋女学館流し雛 雛を水面に降ろす様子の写真
雛を水面に降ろす様子

糸でつるした雛を慎重に降ろしていきます。
目の前の校舎からクラスメイトが見守っているので緊張します。

日本橋女学館流し雛 2組目の流しびなの写真
2組目の流しびな

続いて次のクラスが流します。

各クラスの代表がクラスごとに製作したお雛様に願い事を書いた紙を添えて乗り込みます。

そして上流から校舎の前までやってくると、校舎のテラスからクラスメイトが見守る中、船から身を乗り出し、糸でつるした雛をバランスが崩れないようにそっと川面に降ろしていきます。

日本橋女学館流し雛 見守る学生たちの写真
見守る学生たち

川沿いの柵に学生が集まり、自分たちの雛が流れるのを見守ります。

日本橋女学館流し雛 水面を漂う色とりどりのおひな様の写真
水面を漂う色とりどりのおひな様

女子校らしく華やかで楽し気なお雛様ばかりです。

自分達のクラスのお雛様が無事に川面に浮かぶと大きな歓声があがり、また自分たちのお雛様が他のお雛様とぶつかったり、くるくると回ったりすると、キャーキャーと楽しそうな歓声が上がっていました。

流されるのはクラスごとに趣向を凝らして製作された17個のお雛様で、水に浮く船代わりの台座の上にお雛様や桃の花などを飾り付けたもので、女子校らしくとても可愛らしい雛ばかりでした。

・感想など

日本橋女学館流し雛 迷い雛の写真
迷い雛

船の間に迷い込んでいる雛もありました。

学校行事なのでとてもマイナーなイベントとなるのですが、以前は東京のお出かけ情報にも載っていて、この界隈では風物詩的な行事だったようです。

武骨な感じの屋台船と無機質な神田川の風景、それと対照的に校舎からは神田川へ黄色い声援が響き、流される雛も女学生が制作したものらしく華やかで可愛らしいという取り合わせが面白く感じました。

流される雛は繊細で移ろいやすい女学生の気持ちを表してか、屋形船の陰に隠れこんでしまうものもあり、これも青春だな~などと青臭く思ったりしてしまいました。

日本橋女学館流し雛 風の旅人 - 2010年訪問

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* 情報、アクセス等 *

・日本橋女学館流し雛の概要

・開催日時現在は行われていません。
・開催場所(開智日本橋学園 東京都中央区日本橋馬喰町2丁目7)
・行事内容流し雛
・スケジュールーーー
・アクセス等(浅草橋駅、馬喰町駅)
・備考2015年まで行われていました。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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