
伊豆長岡温泉
まゆ玉の里
養蚕が盛んに行われていた伊豆長岡では古くからまゆ玉飾りが行われていました。その伝統を復活させた「まゆ玉の里」の展示が温泉街で行われています。
・開催場所 : | 伊豆長岡の温泉宿 (年によって会場が異なります) |
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・開催日時 : | 1月~3月頃 |
・行事内容 : | 繭玉飾り |
・備考 : | 2009年、2012年訪問 |
*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。
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* 伊豆長岡 まゆ玉の里訪問記 *
・伊豆長岡 まゆ玉の里について

つるし飾りも混じっているので、とても賑やかな感じです。
かつて日本各地で養蚕が行われていました。伊豆長岡でも盛んに行われていましたが、時代の流れとともに衰退していき、昭和33年の狩野川台風以後はほとんど行われなくなりました。
こういった養蚕が盛んに行われていた地域では、小正月にまゆ玉を飾って今年一年も養蚕がうまくいくように、蚕が繭(まゆ)をたくさん作ってくれるようにと願をかけていました。
大規模に行われる地域、養蚕で景気のいい土地などでは新春の恵比寿祭みたいな感じで、まゆ玉とともに宝船、鯛、千両箱、小判といった縁起物の飾りをつるしたものが神社や市で売られていました。

どんど焼きでまゆ玉を見かけるときがあります。
こういった縁起飾りやまゆ玉文化も養蚕の衰退とともに廃れていきました。例えば新春に行われる青梅のだるま市も元々はまゆ玉や縁起物を売っていたのが、養蚕の衰退とともにだるま市になってしまったという経緯があります。
ただ今でも餅を繭玉にして正月に飾るといった地域や家庭はまだあるようで、大磯の左義長など神奈川のどんど焼きを訪れると、まゆ玉のような餅や団子を長い竹ひごなどに差して持ってくる人を時々見かけます。

年によって会場となる旅館が違います。
そういった過去に行っていたまゆ玉の文化を懐かしみ、また観光客におもてなしの心を伝えるためにまゆ玉飾りを復活させたのが、伊豆長岡温泉の「まゆ玉の里」で、1月中旬から3月中旬まで行われています。
「まゆ玉の里」では旅館の女将さんや芸妓さんたちの着物を使い、まちの女性たちがひとつひとつ心をこめて作り上げた艶やかなまゆ玉飾りや縁起物、つるし飾りなどが旅館のロビーに展示されます。会場は温泉街の旅館が毎年持ち回りで行っていますので、毎年展示方法や展示の雰囲気が違います。
・行事の様子

木の枝にサナギができたような感じです。

旅館のロビーに飾られます。

可愛らしい七福神が乗っていました。
まゆ玉市では一緒に売られることが多かったです。
この時期の伊豆では稲取のつるし飾りなどといったつるし飾りを中心としたひな祭りが各地で行われます。このまゆ玉飾りもつるし雛の一種ではありますが、子供の成長を願う縁起物と、商売などがうまくいくようにといった縁起物の違いで、飾りに招き猫や小判などが一緒に吊るされている部分が違います。
まゆ玉市の名残で七福神の宝船なども一緒に置かれていて、今は廃れてしまったまゆ玉の文化に触れることができます。

古い着物等を使用しているので様々な模様の繭玉があります。
鈴カステラ菓子のよう・・・

犬が携帯をかけているように見えてしまう・・・。笑
まゆ玉は実物通りに白色で造られていたり、カラフルな色で造られていたり、着物などの古着で造られていて模様があったりと様々です。まゆ玉自体が小さいのでそこそこ数がないと見栄えが良くないので、持ち回りでまとめて飾るというのも正解かなと思います。
・感想など

鵺を発見。
ちょうど鵺ばらい祭の時に訪れました。
小さなまゆ玉が棒につるされ、ちりばめられたように展示してある様子はまるで植物の芽吹きのような感じで、とてもきれいでした。
まゆ玉自体が小さいので、同じ時期に伊豆各所で開催されているつるし雛飾りと比べてしまうと地味な印象を持ってしまいますが、まゆ玉という文化を少し理解して訪れると、また違った印象を持つことができるのではないでしょうか。
伊豆長岡 まゆ玉の里<2009年、2012年訪問> 風の祭事記 - 風の旅人
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* 情報、アクセス等 *
・伊豆長岡 まゆ玉の里の概要
・開催日時 | 2020年1月20日(月)~3月15日(日) (例年1月~3月頃) |
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・開催場所 | 伊豆長岡の温泉街(年によって会場が異なります) |
・行事内容 | まゆ玉飾り |
・スケジュール | 10~16時 |
・アクセス等 | 伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅からバス。無料の駐車場有。 |
・備考 | ーーー |
・関連サイト |
*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。
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