来宮神社大楠祭
熱海にある来宮神社には樹齢2000年の大楠があります。新緑の季節には大楠の前で大楠祭が行われ、巫女が優雅に舞を奉納します。
・開催場所 : | 来宮神社(熱海市西山町) |
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・開催日時 : | 5月5日 |
・行事内容 : | 神事、巫女舞 |
・備考 : | 2013年訪問 |
*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。
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* 来宮神社大楠祭訪問記 *
・来宮神社大楠祭について
温泉地として有名な熱海の少し山側、熱海駅の一つ西側の来宮駅のすぐそばに来宮神社があります。熱海市内を代表する神社となり、例大祭の「こがし祭」は市内最大の祭りです。
創建時期は定かではないようですが、社伝によれば、和銅3年(710年)に熱海湾で漁師が神像を見つけ、それを近くの松の下にお祀りして、持っていた麦こがしを供えたそうです。そしてその夜、夢に現れた五十猛命が「波の音が喧しいので別の場所に移してくれ」と告げ、海から離れた現在の社地に移動したそうです。
来宮神社は「きのみや」と読みます。古くは木の根を神体としたところから「木の宮」と言われていました。現在でも天然記念物の大楠をはじめ、境内には立派な大木が多く、木の宮らしくうっそうとした感じの境内となっています。また「忌の宮」とも呼べることから、禁酒、禁煙などといった祈願をする人も多いようです。
国の天然記念物になっている大楠は、本殿の奥の斜面にあります。根元から南北の2つの幹に分かれていて、南幹は昭和49年の台風で地上約5メートルほどのところで折損しています。
正式な記録がないのでよくわかりませんが、合わせた幹回りが約16m、高さは36mになるとか。樹齢は2000年を越えると推測されています。全国でも鹿児島県にある「蒲生の大クス」に次ぐ大きさです。
ちなみに天然記念物として「阿豆佐和気神社の大クス」として登録されていますが、これは昭和8年に指定されたときの社名が阿豆佐和気神社だったからです。
大楠が新葉を付け、もっとも生命力に満ちあふれる新緑の季節。毎年5月5日には大楠の前で大楠祭が行われます。多くの関係者が参列して神事が行われ、神事の途中では巫女の舞いが奉納されます。またこの日は多くの人が願をかけて大楠の回りを1周します。
・行事の様子
大楠祭は午前11時から行われます。まず最初に拝殿で神事が行われます。その後、外へ出て社務所前で修祓をしたのちに、大楠前へ移動し、神事が行われます。
現在では大楠のそばに五色の杜が新たに設けられ、ここで神事病が行われているようです。
宮司が祝詞を奏上したのち、巫女による舞い(巫女神楽)が行われます。最初は早神楽で、テンポの速い舞いです。木の葉の模様が入った薄緑色の千早はまとった巫女がテンポよく舞いを行います。
続いて大楠の舞が奉納されます。大楠の舞は、歌人佐佐木信綱が詠んだ「来の宮は樹齢二千年の樟のもとに御国のさかえいのりまつらむ」という歌にちなんで30年前につくられたもので、十二単の衣装に身を包んだ巫女が優雅に舞います。この舞いは大楠祭でのみ舞われる舞になるようです。
この大楠には、「幹を一周すると寿命が1年のびる」とか、「誰にも告げず心に願いを秘めながら一周すると願い事が叶う」といった伝説があるようです。神事が終わると黙々と人々が大楠の周りを一周していました。
伝説自体は、まあ日本らしいといった感じですが、静かな雰囲気の中で多くの人が木の周囲を回っていく様子は厳かで、ちょっと美しく感じる光景でした。
・感想など
新緑の季節に大木の周りに人々が集い、木と対話するように行われる神事は崇高で厳かな雰囲気がすると同時に、絵本や童話のようなメルヘンチックな雰囲気でもありました。
悠久の時を過ごしてきた大木の前に立つと、改めて人間はとてもちっぽけな存在だと感じてしまいます。そんなことをまじまじと感じさせてくれるような神事でした。
来宮神社大楠祭 風の旅人 - 2013年訪問広告
* 情報、アクセス等 *
・来宮神社大楠祭の概要
・開催日時 | 2020年5月5日(祝) (毎年5月5日) |
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・開催場所 | 来宮神社(熱海市西山町43-1) |
・行事内容 | 神事、巫女舞 |
・スケジュール | 11時から |
・アクセス等 | 来宮駅より徒歩圏内。無料の駐車場有。 |
・備考 | 国指定天然記念物 |
・関連サイト |
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