鵺ばらい祭(伊豆長岡)
源頼政の妻となったあやめ御前所縁の伊豆長岡温泉では伝説の妖怪鵺にちなんだ鵺ばらい祭が行われています。
・開催場所 : | 湯らっくす公園(伊豆の国市長岡613-1) |
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・開催日時 : | 1月28日前後の日曜日 |
・行事内容 : | 鵺踊りなど |
・備考 : | 2012年訪問 |
*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。
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* 鵺ばらい祭訪問記 *
・鵺ばらい祭について
平安時代の京には「鵺(ぬえ)」という化け物がいたそうです。なんでも頭は猿で、胴体は虎、そして尾は蛇から成るという異形の妖怪で、鳴き声もヒョーヒョーという大変気味の悪い声を発するそうです。その鵺が夜な夜な京都の町に出没するようになり、それを見事に退治したという話が平家物語にあります。
平家物語というと、鎌倉時代に書かれた全12巻構成の軍記物で、冒頭の「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」の句はあまりにも有名です。それがあまりに有名すぎてそれ以外はよく知らないという人も多いかと思いますが、平家の栄華と没落、いわゆる栄枯盛衰が描かれています。
平家物語の鵺退治を少し書くと、平安時代末期、近衛天皇の治世の時、毎晩のように帝の住む御所に黒煙と共に不気味な鳴き声が響き渡り、怯えた天皇は遂に病の身となってしまいました。薬や祈祷をもってしても効果はなく、宮中ではどうしたものかと途方にくれました。
その昔、帝が悪い病になったときに源氏の棟梁の源義家が御所にあがり、「陸奥守、源義家!」と叫んで弓の弦を三度鳴らすと病魔が退散し、帝の容態がみるみる回復した事がありました。そこで同じ源氏の一門で弓の達人である源頼政に怪物退治を命じることにしました。
ある深夜、頼政が御所の庭を警護していると、北東の方角にもくもくと黒雲が湧き上がり、その中から頭が猿、胴が狸、手足が虎、尾が蛇という異形の姿をした「鵺」と呼ばれる怪物が現れました。
頼政は弓で鵺を射て倒し、すぐさま家臣の猪早太が太刀でとどめを刺したそうです。これにより天皇の体調は回復し、頼政は天皇から褒美に獅子王という刀を貰賜しました。この時に近衛天皇の側にお仕えしていたあやめ御前と引き合う中となり、褒美として譲り受けたとも言われています。
また退治されてしまった鵺の方も色々と伝説的な存在となり、体をバラバラにして笹の小船に乗せて海に流したとか、どこぞに落下したとか、色んな逸話が残っていて、各地に鵺の体の一部を祀っている祠が残っているのも面白いところです。
伊豆長岡で行われている「鵺ばらい祭」は源頼政の妻となったあやめ御前がこの伊豆長岡出身という事が縁で行われるようになりました。開催日は毎年1月28日と固定されていましたが、今では28日近くの日曜日の開催になっています。
イベントでは鵺退治の話をテーマにした地元中学生が演じる鵺踊りがハイライトで、他にも弓の名人だった源頼政にちなんで弓のパフォーマンス、温泉街の芸者による舞、餅撒きなども行われます。
・行事の様子
鵺退治の話をテーマにした地元中学生が演じる鵺踊りがこの行事の目玉です。温泉街を歩いて湯らっくす公園にやってきて、鵺踊りを行います。
登場するのは二人で演じる大鵺が1匹、そして可愛らしい小鵺が6匹、そして源頼政と家臣、後は女性が2名、これはよく分かりませんが、祈祷師でしょうか。
大鵺は赤い顔でトラ柄の獅子舞といった感じで、普通の獅子舞を見慣れていると、色の配色や雰囲気に違和感を感じます。ワイルドな獅子舞といった感じです。
鵺踊りでは、鵺が登場し、町で暴れまわる様子、そして伝説通りに弓や刀で退治されていく様子を演じます。話のクライマックスは大鵺と源頼政との死闘の場面になるのですが、それ以外では小鵺のコミカルな動きが可愛らしく、面白かったです。
・感想など
思えば黄色い獅子舞というのはあまり見かけませんね。中華街のカラフルな獅子舞ぐらいでしょうか。しかもトラ柄なのでワイルドな感じがします。目も大きく、凄味があり、踊っている様子にも迫力がありました。
その反面、小さな鵺たちはコミカルで楽しい動きを所々に混ぜ、場が和んでいました。
鵺踊りは代々地元の中学生が頑張って続けていて、もう半世紀も続いているそうです。伊豆長岡の代表する伝統芸能として続いていき、もっと観客が増えるようになるといいですね。
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* 情報、アクセス等 *
・鵺ばらい祭の概要
・開催日時 | 2020年1月26日(日) (例年1月28日前後の日曜日) |
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・開催場所 | 湯らっくす公園(伊豆の国市長岡613−1) |
・行事内容 | 鵺踊りと関連行事 |
・スケジュール | 14時から |
・アクセス等 | 伊豆箱根鉄道伊豆長岡駅からバス。無料の駐車場有。 |
・備考 | 雨天時は室内 |
・関連サイト |
*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。
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