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宮地嶽神社 流し雛神事

参道を夕日が真っすぐに照らす「光の道」で知られる宮地嶽神社で行われる流し雛神事です。参拝者の願いを載せた雛舟が禊池に流されます。

・開催場所 :宮地嶽神社(福岡県福津市)
・開催日時 :3月3日
・行事内容 :流し雛
・備考 :2017年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* 宮地嶽神社 流し雛神事訪問記 *

・宮地嶽神社 流し雛神事について

宮地嶽神社流し雛神事 寒緋桜と楼門の写真
寒緋桜と楼門

ひな祭りの頃に見ごろを迎え、緋桜神事も行われます。

福岡県福津市、玄界灘に浮かぶ相島を望む場所に宮地嶽神社があります。神功皇后を主祭神とし、随従の勝村大神・勝頼大神の三柱が祀られています。「何事にも打ち勝つ開運の神」として信仰され、全国にある宮地嶽神社の総本社になります。

創建は1700年前と言われ、古事記、日本書紀にも渡韓の折にこの地に滞在し、玄界灘を望む宮地嶽山頂に祭壇を設けて航海の安全を祈願したとされています。

宮地嶽神社流し雛神事 楼門のお花雛と拝殿の大注連縄の写真
楼門のお花雛と拝殿の大注連縄

楼門には梅の木とお花雛が飾られます。
奥に見えるのが拝殿の大注連縄です。

この神社には日本一大きいと言われるものが3つあります。こういったことは細かい定義等によって解釈が異なりますが、一つは拝殿に掲げられている直径2.6メートル、長さ11メートル、重さ3トンの大注連縄です。存在感のある注連縄で出雲大社を連想するような大きさです。

二つ目は大太鼓です。直径2.2メートあり、全て国内より調達した材料により製作されているそうです。建物の奥に見えたのですが、まるで満月のようでした。

三つめは大鈴です。氏子によって奉納されたものとなり、銅製で重さは450kgもあるそうです。

宮地嶽神社の光の道の写真
宮地嶽神社の光の道

2月下旬頃に太陽が参道の上を通ります。

宮地嶽神社の参道は石段から玄界灘に向かって門前町を通り、宮地浜まで約800mまっすぐ伸びています。そしてその先には相島を望むことができます。

この真っすぐの参道の正面に太陽が沈む時期があります。2月下旬頃と10月中旬頃で、その時期には「夕日のまつり」が開催されます。

2016年に流れた日本航空のCMをきっかけに全国に知られるようになり、「光の道」と呼ばれるようになったそうです。祭りが行われている時期が一番美しいのでしょうが、とても混雑するようです。

宮地嶽神社流し雛神事 禊池の写真
禊池

水の流れが悪く、水がなみなみ溜まっていました。

宮地嶽神社では3月3日の桃の節句に合わせて流し雛神事が行われます。神事が行われるのは境内ではなく、神社よりも少し上にある民家村自然広苑です。

ここも神社の社有地になるようで、この民家村には日本各地から移築復元した「合掌造り民家」「二棟造り民家」等の古民家、菖蒲の時期に美しい菖蒲池などがあります。ただ訪れたときには合掌造りの建物は完全に崩壊していました。

ここにある溜池の禊池で流しびなが行われます。ちょうど合掌造り民家の前あたりに神事場が設けられ、11時から神事が行われ、禊池に参拝者の願い事が込められた祈祷棒を載せた雛舟が流されます。

宮地嶽神社流し雛神事 お花雛と巫女さんの写真
お花雛と巫女さん

桃の枝に人形のようなお守りを付けたのがお花雛です。
当日授与(販売)されています。

宮地嶽神社流し雛神事 お花雛の写真
お花雛

小さなかわいらしいお守りです。楼門に飾られていました。

当日は桃の枝に和紙で作られた雛人形を飾った「お花雛(桃枝)」も授与(有料)されています。

この花雛は霊験あらたかな宮地嶽三神のお守りをひな人形のような衣装で包んだもので、古来より魔除けと招福長寿の力があるとされる桃の枝につるされています。

・行事の様子

宮地嶽神社流し雛神事 禊池の前での神事の写真
禊池の前での神事

民家村の禊池の前に祭壇が設けられます。

宮地嶽神社流し雛神事 古民家を背景にの写真
古民家を背景に

民家村の建物は朽ちつつありました。

宮地嶽神社の流し雛神事は境内ではなく、神社よりも少し上にある民家村自然広苑で行われます。神社からも歩いていける距離です。

神事が行われるのは禊池の前、ちょうど合掌造り民家の前になるのですが、屋根の茅葺が落ちて崩壊状態でした。現在では撤去されているようです。

神事は修祓や献饌、祝詞奏上などが行われ、その後に桃で飾られた2艘の小舟が禊池に流されます。船には参拝者の願い事を記した祈祷棒が載せられています。

宮地嶽神社流し雛神事 流しびなの様子の写真
流しびなの様子

禊池に流すことができず、水路に流すことになりました。

宮地嶽神社流し雛神事 流しびなの様子の写真
流しびなの様子2

狭い場所だったので、ちょっと窮屈な感じの流しびなとなってしまいました。

宮地嶽神社流し雛神事 水路を漂う雛舟の写真
水路を漂う雛舟

糸でつながれ水路で漂っていました。
目の前を流れるので見る分には水路のほうがいいかもしれません。

雛舟は男性宮司と巫女によって禊池(溜池)に流されます。本来は池の浜となっている場所から池に向かって流します。

訪れた年は前年の豪雨の影響で溜池から外へ流れる排水部の流れが悪くなってしまったようで、池の水かさが異常に増えてしまいました。

流す浜や足場がなく、どこで流そうかと関係者があれこれと試行し、横の水路で流し雛が行われることになりました。ここで流すのは初めてのようで、場所的にもちょっと窮屈な感じがする流しびなとなってしまいました。

宮地嶽神社流し雛神事 雛あられの授与の写真
雛あられの授与

神事終了後に子供たちに配布されます。

流しびなが行われた後は撤饌の儀など神事の続きが行われ、神事終了後には子供たちに雛あられが配られます。

・感想など

宮地嶽神社流し雛神事 桃の枝で飾られた雛舟の写真
桃の枝で飾られた雛舟

参拝者の願いが込められた祈祷棒が載せられます。

本来は広々とした風景の中で行われる流しびなですが、訪れた時は事情により水路で行われたので、ちょっと窮屈な感じのする流しびなでした。

これはこれで貴重だったのかわかりませんが、緋桜神事と重なればまた訪れてみたいかなと思うところです。

宮地嶽神社 流し雛神事 風の旅人 - 2017年訪問

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* 情報、アクセス等 *

・宮地嶽神社流し雛神事の概要

・開催日時2020年3月3日(火) (毎年3月3日)
・開催場所宮地嶽神社(福津市宮司元町7-1)
・行事内容流し雛
・スケジュール午前11時から
・アクセス等JR福間駅から約2キロ。バスの便があり。駐車場有。
・備考ーーー
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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