* なばな・春めき桜まつりについて *
南足柄市は神奈川県の西部にあります。足柄峠の足柄関所跡や古刹大雄山最乗寺に富士フイルムやアサヒビールといった大企業の工場がある事が有名でしょうか。その南足柄市では春先に町のあちこちに植えられている春めき(足柄桜)が満開となります。春めきはソメイヨシノよりも一足早く咲く桜で、カンヒザクラとシナミザクラの交雑種の一つとされています。南足柄市内で彼岸のころに咲いていた桜の枝から育成し、2000年に「春めき」と正式に品種登録されたものです。それまでは足柄桜と呼ばれていた事からも、足柄地域のシンボルといってもいいほどの桜です。
南足柄市の早春に行われる春めき祭り3部作のうちの一つがこの「なばな・春めき桜まつり」です。訪れたときは「菜の花。春めきまつり」でした。ここで花の花をなばなと呼ぶのでしょうか。よくわかりませんが、より地域の特徴を生かした名前に変更された感じです。場所的には「一の堰ハラネ桜まつり」の近くで、メイン会場はふくざわ公園になります。
ここのテーマは田園風景と桜や菜の花といった感じでしょうか。ふくざわ公園周辺には田んぼが多くあり、その中を舗装されていないあぜ道が通っています。そのあぜ道に桜が植わっていて、ちょっとした並木道を作っていたり、ぽつんと数本植わっていたりと田園の中に桜がある光景を作っています。そして公園周辺の田んぼには菜の花が植えられていて、春めき桜と一緒に春を盛り上げています。ただ本数的にはどちらも小規模です。でも多ければいいというものでもないし、むしろこれぐらいの方がすっきりとしていて落ち着く感じがするかもしれません。広々とした田園風景の中にぽつんと咲く桜。都市部の雑踏の中で暮らしている人やそういった風景を求めている人には素敵な場所と感じるに違いありません。
イベント的にはふくざわ公園内で土日、祝日に農産物や軽食などの販売が行われます。若干、一の堰ハラネよりも規模が大きいかなといった感じですが、小規模な事には変わりありません。その他、食用の菜の花摘みもできるようです。なんていうか、ほのぼのとしたお祭りというか、どちらかというと町内会の花見会場といった感じでした。ごちゃごちゃしたことよりも開放的な田園風景の中でのんびりとしたい場合には最適な環境かもしれません。
風の祭事記 なばな・春めき桜まつり
風の旅人
<2010年訪問 - 2019年2月更新>