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チャッキラコ

三浦半島の先端、マグロの水揚げで有名な三崎町では毎年1月15日に女性による伝統的な奉納舞が行われます。近年ユネスコの無形文化遺産にも指定されました。

・開催場所 :海南神社(三浦市三崎)など
・開催日時 :毎年1月15日
・行事内容 :奉納舞
・備考 :2010年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* チャッキラコ訪問記 *

・チャッキラコについて

マグロの水揚げの写真
マグロの水揚げ

訪れたらちょうど水揚げされていました。

三浦半島の先端にあるマグロの水揚げで有名な三崎町は、美味しいマグロ丼や海鮮丼などを食べられ、海鮮市場もあり、東京などからそんなに遠くないし、周辺に見どころもあるしと人気の観光地となっています。

チャッキラコの解説版の写真
チャッキラコの解説版

ユネスコの世界遺産となり、PRにも力が入っていました。

漁師の町とか、荒々しい港町といったイメージの強い三崎町ですが、チャッキラコという女性による伝統行事が古くから毎年1月15日に行われてきました。

チャッキラコは、年配の女性10人程が唄い、5歳程~12歳までの少女20人程が踊る行事です。楽器類は伴わず、素唄と囃し言葉だけの素朴な唄にあわせて踊ります。

踊りには「初いせ」、「チャッキラコ」、「二本踊」、「よささ節」、「鎌倉節」、「お伊勢参り」といった6つの踊りがあり、舞扇とチャッキラコ(綾竹)といった小道具を演目に応じて使い分けます。この綾竹がチャッキラコと呼ばれることからチャッキラコと広く知れ渡っているようです。

海南神社 三崎チャッキラコの写真
海南神社

当日は境内が正月のような賑わいでした。

チャッキラコの起源には定説はなく、源頼朝がやってきた時に・・・とか色々伝説が残っていますが、書物の記録から江戸時代には大漁祈願の祝いの踊りとして下町に定着し、現在にいたっているのは確かなようです。

1975年には国の重要無形民俗文化財に、2009年にはユネスコの無形文化遺産にも指定されました。選定理由は住民によって口頭で伝承され続けてきた素朴な伝統芸能というのが珍しく、また貴重なためです。

・行事の様子

保存会会長のあいさつ 三崎チャッキラコの写真
保存会会長のあいさつ

最初に保存会会長や市長などによる挨拶や解説が行われます。

チャッキラコの行事は午前10時頃に本宮の祠前で奉納される踊りから始まります。そして海南神社へ移動して、10半頃からメインイベント的な参観会が行われます。

訪れた年はユネスコ無形文化遺産に登録されて初めての開催。境内の混雑が酷くなるということで、参道で踊っていたのを神楽殿で踊ることとなりました。

神楽殿前に椅子が並べられていて、周囲に人は多いものの席はガラガラ。席料500円かかりました。払うとユネスコ登録記念手ぬぐいなどがもらえました。

そういえば本宮ってどこ?海南神社の中?とよく分かりませんでしたが、10時半になると保存会の会長などのあいさつや解説が行われました。ユネスコ無形文化遺産に登録されたことでこの年は特に話が長かったかもしれません。

チャッキラコの舞い 三崎チャッキラコの写真
チャッキラコの舞い

小さなチャッキラコ(綾竹)をつかって踊ります。

神楽殿での奉納舞 三崎チャッキラコの写真
神楽殿での奉納舞

本来なら縦2列になって向かい合って踊る場面です。
神楽殿という場所での都合上、詰まった感じの踊になっています。

扇の舞い 三崎チャッキラコの写真
扇の舞い

扇を二つつなげる変わった踊りです。

舞子と歌い手 三崎チャッキラコの写真
舞子と歌い手

大人の女性が歌う小唄に合わせて踊ります。

お伊勢参り 三崎チャッキラコの写真
お伊勢参り

扇を柄杓代わりにして踊りながら進んでいきます。

踊りは「初いせ」、「チャッキラコ」、「二本踊」、「よささ節」、「鎌倉節」、「お伊勢参り」と6つ行われます。演目によって舞扇とチャッキラコ(綾竹)を使い分けていました。お伊勢参りでは扇を杓子代わりにして踊っていました。まるで落語みたい・・・。

神楽殿での踊りとなり、多くの人が見れるようになったのはいいのですが、本来は縦に2列になって向かい合って踊るものが、横一列になって踊るので舞いがぎこちなく感じてしまいました。現在では再び参道で舞いが行われているようです。

仲崎竜神様

衣装替え 三崎チャッキラコの写真
衣装替え

午後の踊りでは千早を羽織り、金烏帽子を被ります。

仲崎竜神様での舞 三崎チャッキラコの写真
仲崎竜神様での舞

狭い場所でしたが、多くの人が見守っていました。

扇と少女 三崎チャッキラコの写真
扇と少女

見方によっては巫女舞のようにも見えます。

午後からは仲崎と花暮地区にある竜神様の祠前で踊りを奉納します。私が訪れたときは仲崎竜神様での奉納が14時半、花暮竜宮様での奉納が15時頃だったと思います。最近のスケジュール表を見ると、龍神様の奉納の前に三崎昭和館でのほうのが入り、少々時間が早まっているようです。

仲崎竜神様は城ケ島大橋を望む場所にあります。午後からの奉納では年齢の高い子は晴れ着の上に千早を着て、頭に金色の烏帽子を被っていました。

ここで初めて縦に2列に並んで踊る様子を見ることができました。建物の陰になっているのがちょっと残念ですが、多くの人に見守られて踊っていました。

花暮竜宮様

花暮竜宮様での舞 三崎チャッキラコの写真
花暮竜宮様での舞

ここは思いっきり太陽があたり、まぶしそうでした。

扇を使った舞 三崎チャッキラコの写真
扇を使った舞

2列で向かい合うのが本来の舞い方です。

チャッキラコ 三崎チャッキラコの写真
チャッキラコ

チャッキラコの名の由来の小道具です。

チャッキラコと少女 三崎チャッキラコの写真
チャッキラコと少女

踊りの小道具としては小さく、繊細過ぎるような印象です。

仲崎竜神様の後はそのまま歩いて移動し、花暮竜宮様で舞を奉納します。花暮竜宮様は産直市のある「うらり」の対岸にある社です。こちらは太陽がさんさんと当たっていてまぶしいぐらいでした。日があたる中で踊る方が、衣装やチャッキラコのきらびやかさが増す感じがしてよかったです。

花暮竜宮様の後は見ていないのですが、「うらり」の中にある三浦市民ホールで舞い、その後は地域の店や家など10数軒周って奉納するそうです。

・少し足を延ばして

漁船と城ケ島大橋の写真
漁船と城ケ島大橋

歩いて城ケ島へ渡ることもできます。

アロエと釣り人の写真
アロエと釣り人

立派なアロエが岸壁に咲いていました。

干し物の写真
干し物

三崎では至るところで干物を見かけます。

城ケ島大橋の上の写真
城ケ島大橋の上

残念ながら富士山は雲の中でした。
けっこう高くて怖い・・・・。

城ケ島公園の水仙の写真
城ケ島公園の水仙

まだ咲き初めといった感じでした。

城ケ島灯台の写真
城ケ島灯台

白くておしゃれな感じの灯台です。
ここの水仙もまだ咲き初めでした。

橋で結ばれた城ケ島は水仙の群生地があることで知られています。チャッキラコが行われる1月中旬は水仙が咲き始める時期で、満開時と比べると少し寂しい状態ですが、水仙が咲いている雰囲気は楽しめます。

島内は東西の灯台を中心に荒々しい海岸線が続き、のんびりと散策をするのに最適で、晴れている日には富士山を望むこともできます。

・感想など

チャッキラコの日 三崎チャッキラコの写真
チャッキラコの日

三崎の人にはちょっと誇らしい日になるようです。

日本は祭りの多い国ですが、俯瞰してみるとそう大差ない事柄ばかりです。微妙な所作や道具の違いに優劣をつけてみたり、歴史の長さで良し悪しと判断したり、どれも一緒と思えばそう見えるし、違うといえば違う気もするしといった感じです。

そういった似たり寄ったりの祭りが数多くある中で、地域で行っている祭りが国際的な機関であるユネスコに評価されたというのはやっぱり地域として誇らしいことだと思います。

とはいえ普通の人がユネスコの世界遺産だと張り切って三崎を訪れ、実際にチャッキラコを見て世界遺産級の感動するかというと微妙なところで、ユネスコの世界文化遺産の肩書がある故に感想にも困ってしまいます。

チャッキラコ 風の旅人 - 2010年訪問

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* 情報、アクセス等 *

・チャッキラコの概要

・開催日時2019年1月15日(火) (毎年1月15日)
・開催場所海南神社(三浦市三崎4丁目12−11)など
・行事内容舞いの奉納
・スケジュール午前10時から
・アクセス等京急久里浜線三崎口駅から京急バス「三崎港」下車。駐車場有。
・備考ーーー
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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