白幡八幡大神 初卯祭(歩射)
川崎市宮前区の白幡八幡大神では3月の初卯の日に八幡講が行われ、大蛇の奉納や歩射神事が行われます。
・開催場所 : | 白幡八幡大神(川崎市宮前区) |
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・開催日時 : | 3月の初卯 |
・行事内容 : | 神事、歩射 |
・備考 : | 2010年訪問 |
*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。
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* 白幡八幡大神 初卯祭訪問記 *
・白幡八幡大神 初卯祭について
川崎市宮前区を平瀬川が流れています。同じ宮前区の水沢を水源にし、丘陵地の谷を東へ流れていき、久地円筒分水付近で支流や二ケ領用水と合流し、多摩川へ合流します。
この平瀬川の南、東名高速の東京料金所のすぐ北側に白幡八幡大神(神社)があります。住所で言うと宮前区平、多摩川の方から訪れるとそこそこの高さがある生田丘陵を越えるので、住所が平というのも納得できます。
白幡八幡大神は源氏伝説に所縁のある神社で、平安時代に源頼義が奥羽征討に向かう際に縁起を担いで八幡祠を建てたのが始まりとされています。
源頼朝が鎌倉に幕府を開いた後に再建され、鶴岡八幡宮から御霊分けが行われました。その後、稲毛領57ヶ村の総鎮守となり、徳川幕府時代も厚く保護され、朱印地70石を寄進されていました。今でもその名残で「稲毛惣社」の文字を扁額などで見ることができます。
白幡八幡大神では毎年3月の初卯の日に八幡講(初卯祭)が行われています。八幡講は蛇祭とも言われ、講の人たちが作ったワラの蛇を地域の五穀豊穰を祈って二の鳥居に奉納します。
この大蛇は胴体が3mほどで、角はごぼう、舌は人参、目は八つ頭で作られ、尾の辺りに木で作った剣を付き立てています。年によって担当する講(地区)が異なるので、年によって顔つきや大きさが若干違います。
この八幡講の日に合わせて歩射神事も行われます。射手には5歳未満の長男2名が選ばれ、それぞれの介添えが1年の無病息災、五穀豊穣を祈って的をめがけて矢を射ます。
江戸時代から続く行事で、大蛇の製作と取り付け、歩射の行事と弓と的などの製作、そして「お高もり」と呼ばれる高く盛ったごはんやごちそうが並ぶ3つの行事が各講の分担で行われてきました。現在では「お高もり」は神様にお供えするだけ、歩射も簡易的に行われ、大蛇作りが一番の中心となっているようです。
・行事の様子
当日は拝殿で神事が行われ、その後、社殿横に設置された弓場で歩射が行われます。
歩射では手製の弓と矢、ちゃんとした弓道用の弓と矢と2組用意されます。
的も歩射に使用する大きい的と奉納用の小さな的の2つ用意されます。拝殿の奥の左にあるのが大きな的で、右にあるのが小さな的と使用する弓や矢です。
まず最初に講の人が手製の弓と矢を使い、場を清めるために地面に矢を射ていました。
そして裃姿の介添え役の人による歩射が行われます。こんどはちゃんとした弓で行われます。その後は講の人が順番に運試しの弓を射ていました。
主役の子供は出番なく、雨が降ってきたのもあって清めに使った弓と矢を抱えてすぐに戻っていきました。
・感想など
神社を訪れるなり、毛虫のような大蛇に迎えられ、頭上に見上げながら鳥居をくぐりました。雨のおかげか、蛇の顔がつややかに見え、特に人参で作った舌がいい味を出していました。
こういった蛇を鳥居にまいたり、担いだりする行事は多いですが、毛虫のような胴体をしているのは初めてみました。しめ縄のように丁寧に藁をよって作る蛇でも担いだ時にチクチクするのに、これだと持ち運ぶのに苦労しそうです。藁を担いだことのある人なら見た瞬間に毛虫を見たときのようなむず痒さを想像するのではないでしょうか。
また子どもの厄除けとか、縁起かつぎになるようで、子供が藁の蛇に担ぎあげられていました。毛虫のような胴体を持ち、大きく口を開けて気持ち悪い舌をのぞかせる大蛇。子供たちにとっては恐怖の存在となるようで、今にも食べるぞといった大蛇の迫力に親に抱えられると嫌だ~と叫び、顔が引きつっていました。それを見て今年の出来もいいようだと造った人たちがにんまりしていたのが印象的でした。
白幡八幡大神 初卯祭 風の旅人 - 2010年訪問広告
* 情報、アクセス等 *
・白幡八幡大神 初卯祭の概要
・開催日時 | 2020年3月1日(日) (例年3月の初卯) |
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・開催場所 | 白幡八幡大神(川崎市宮前区平4-6-1) |
・行事内容 | 初卯神事と歩射 |
・スケジュール | 10時から |
・アクセス等 | 田園都市線宮前平駅、溝の口駅、小田急線登戸駅よりバス |
・備考 | ーーー |
・関連サイト |
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