風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
結城のひなまつりのポスター
風の祭事記 ~祭り、イベント訪問記~

結城のひなまつり

無形文化財の結城紬で知られる結城には、古くからの見世蔵や酒蔵が幾つもあります。毎年ひな祭りの時期には見世蔵にひな人形が飾られ、町歩きがより楽しくなります。

・開催場所 :結城市街地
・開催日時 :2月中旬~3月上旬
・行事内容 :雛めぐりなど
・備考 :2014年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

広告

* 結城のひなまつりの訪問記 *

・結城のひなまつりについて

見世蔵と紬問屋 結城のひなまつりの写真
見世蔵と紬問屋

古い蔵造りの建物が多いです。
現在も紬問屋や老舗の商店などで利用されています。

鬼怒川の西岸、国道50号沿いの栃木県との県境付近に結城の町があります。

鎌倉時代にお隣の小山を治めていた小山氏から分離した結城朝光がこの地を治めるようになり、以降は結城家の治める城下町として発展していくことになります。

江戸時代になると結城水野家が治める城下町となり、江戸時代末期頃には水運輸送ルートの拠点商業都市として繁栄していました。

現在でも市街地には結城氏が作り上げた城下町の区画がそのまま残り、その区画を中心に明治時代から大正期に建築された蔵造りの建物や見世蔵が31棟も残っています。また酒蔵や寺社も多く、歩いているととても歴史を感じる町です。

つむぎの館の結城紬の反物 結城のひなまつりの写真
つむぎの館の結城紬の反物

町には資料館なども幾つかあり、結城紬について理解を深めることができます。

結城と言えば結城紬。昭和31年に国の「重要無形文化財」に、昭和52年に国の「伝統的工芸品」に指定され、2010年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。世界に認められた伝統工芸品です。

昔からこの付近一体は常陸紬の産地でした。農閑期を利用して養蚕を行い、その絹糸を使った織物が盛んに行われていました。町の東を流れる鬼怒川は中世から近世には「衣川」とか、「絹川」と呼ばれていたことからもそのことが伺えます。

江戸時代になってから商圏が拡大したり、織り方に改良が加えられたりするうちに、特に結城で織られる結城紬の名が知られるようになります。

結城で織られた反物は結城紬になるのでしょうが、厳密に言う文化財としての結城紬は、「1、使用する糸はすべて真綿より手つむぎした撚りの掛からない無撚糸を使用すること。」「2、絣模様を付ける場合は手くびりによること。」「3、地機(じばた)で織ること。」の要件を満たしたものとなります。

手間がかかるものは値段が高くなるのは当然で、高級品として扱われています。こういったもの以外にも機械織されたものや、素材を今の時代に合わせたものなど、普通の結城紬も多く生産されています。

小西見世蔵と雛飾り 結城のひなまつりの写真
小西見世蔵と雛飾り

国登録有形文化財となっている建物です。

結城では2月中旬から3月3日まで店舗や蔵などに展示されたお雛様を見て回る結城のひなまつりが行われます。結城の町には文化財となっている見世蔵が多くあります。現在でも商店や問屋として利用されているものが多く、そういった蔵や酒蔵を中心におひな様が飾られるので、他の町にない雛巡りをすることができます。

イベント的には関連イベントでコンサートが行われるだけですが、町並みには文化財の建物が多く、結城紬関連のお店や資料館もあり、そして古くからの酒蔵もありと、普通に散策しても楽しい町なので、ひな期間中の雛めぐり散策はとても魅力的です。

・行事の様子

和菓子屋のお雛様 結城のひなまつりの写真
和菓子屋のお雛様

おいしそうな和菓子が提供されそうな雰囲気です。

休憩所のおひな様 結城のひなまつりの写真
休憩所のおひな様

空き店舗を利用した休憩所だったはずです。
散策途中でくつろげるようになっていました。

店舗に飾られるお雛様 結城のひなまつりの写真
店舗に飾られるお雛様

仕事場にそのまま飾った感じでした。
この時期は店が手狭になって大変そうです。

見世蔵が並んでいるのは結城駅の北側、市役所の南付近です。結城には蔵が多いのですが、特定の路地にまとまって並んでいるわけではなく、古い区画の中にビルに交じって点在している感じです。蔵が多いながらあまり蔵の町として知名度がないのはそのせいです。

散策は古い蔵造りの建物が見える方向へ歩き、見学し、また見えるほうへ歩いてといった感じになります。中に入れなくてもショーウインドウにお雛様が飾られていることが多いです。

結城藩主水野家の古今雛 結城のひなまつりの写真
結城藩主水野家の古今雛

道具を含めてとても立派なものでした。

一番の見どころは東側にあるつむぎの館がある区画です。ここは単なる結城紬の展示施設ではなく、中では問屋ともつながっていて、ここには結城藩主水野家の古今雛が置かれています。

江戸時代の結城は徳川家に信望のある水野家が治めていました。その水野家のおひな様で、江戸後期のものだとされています。

この付近は蔵が少し連続していて、雰囲気がいいし、反物や制作方法、織機の地機が展示してある資料館もあるので、結城紬についても知りたいという人にはお勧めです。

結城酒造の雛飾り 結城のひなまつりの写真
結城酒造の雛飾り

結城にある酒蔵の一つです。
ここでは酒粕も販売していました。

この他、西側にある結城酒造、武勇といった酒蔵もお勧めです。見学はできたりできなかったりするようですが、酒蔵にひな様はよく似合います。

結城には秋葉糀味噌醸造や小田屋醤油といった醸造元もあります。結城紬はお土産にするのには高すぎますが、結城で醸造された酒やしょうゆ、味噌などをお土産にしてみてはどうでしょう。

・感想など

河野商店のお雛様 結城のひなまつりの写真
河野商店のお雛様

明治後期の古今雛です。
昔ながらの品のある帳場に飾られていました。

古い町並みが残りながら商業が盛んな町。そして醸造元が多い。私の中では歩いた感じが千葉県の佐原とどことなくかぶります。雛人形もごちゃごちゃと飾るのではなく、見世蔵で通りに見えるようにシンプルに、また帳場などに粋な感じで飾っているところも通じるものを感じました。

結城へは結城紬を見に一度訪れたことがあったので、そこまで今回のひな祭りで感動することはありませんでしたが、古い町並みと風情ある雰囲気は何度歩いても心地よく、とても町歩きが楽しかったです。

欲を言えば目玉となるような結城紬で造られたおひな様でもあれば、結城でおひな様を見たぞといった満足感がより大きかったかもしれません。

結城のひなまつり 風の旅人 - 2014年訪問

広告

* 情報、アクセス等 *

・結城のひなまつりの概要

・開催日時2020年2月8日(土)~3月3日(火) (例年2月中旬~3月上旬)
・開催場所結城市街地
・行事内容雛巡り
・スケジュール各店舗の営業日、営業時間内
・アクセス等JR水戸線結城駅より徒歩圏内。無料の駐車場有。
・備考公式サイトでパンフレットや散策マップのダウンロードができます。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

広告

広告

広告