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五軒香梅ひな流し

水戸の五軒地区会の流し雛です。五軒女性会による手作りの雛が梅の咲く水戸偕楽園内の池に流されます。

・開催場所 :水戸偕楽園 吐玉泉下の池
・開催日時 :3月第一土曜日
・行事内容 :流し雛
・備考 :2012年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* 五軒香梅ひな流しの訪問記 *

・五軒香梅ひな流しについて

五軒香梅ひな流し 五軒香梅ひな流しの雛舟の写真
五軒香梅ひな流しの雛舟

五軒女性会と五軒小学校のPTAによって手作りされます。

五軒香梅ひな流しは水戸偕楽園内にある吐玉泉下の池で行われる流し雛行事です。

主催は水戸偕楽園の北東部に位置する五軒地区会(ふぁいぶたうんコミュニティ)で、2019年で28回を数えるといった伝統のある行事となっています。

行事の中心は五軒女性会と五軒小学校のPTAで、流し雛が行われる日までに手作りの雛舟を製作し、当日それを百円で販売します。この収益金は福祉事業に寄贈されています。

百円とお手頃な値段の雛舟ですが、舟には手をつないでいるような感じで可愛らしい内裏様が乗っていて、なかなか完成度の高いものです。

2つ購入して一つは流し、一つは持ち帰って部屋に飾っておき、翌年以降、機会があればそれを流して新しいものを購入するというのもいいかもしれません。

流し雛が行われるのは3月第一土曜日ころと、ちょうど梅の季節です。この時期は多くの観光客が訪れる水戸梅まつりが行われていて、夜間ライトアップイベントの夜・梅・祭の日に重なることが多いでしょうか。周辺観光をして夕方偕楽園に戻ってくるのもいいかもしれません。

また期間中、同じ場所で別の日に行われる水戸のひな流し(常陸和紙人形会主催)も知られています。こちらは船ではなく、お盆のようなプレートにお雛様が乗っています。

・行事の様子

五軒香梅ひな流し 常磐神社境内で出発を待つ雛舟の写真
常磐神社境内で出発を待つ雛舟

小型の宝船と少し大きめのおひな様が乗った雛舟が行事に使われます。

当日は朝10時から偕楽園横にある常磐神社の拝殿でお祓いを受けます。

この常盤神社は水戸黄門こと徳川光圀と常陸水戸藩の第9代藩主で江戸幕府の最後の将軍となった徳川慶喜の父である斉昭を祀っている神社です。

お祓いが終わると境内で記念撮影などを行い、偕楽園にある池に向けて出発します。

五軒香梅ひな流し 偕楽園内を進む様子の写真
偕楽園内を進む様子

雛舟やのぼりを持って偕楽園内を進みます。

道中は幟に小さい船、大きい船、着物を着た水戸梅大使、そして揃いの半纏を着た関係者が続き、ちょっとした練り行列のようでした。そして歩きながら観光客などに流し雛を行うことを告知し、参加できる人達に流し雛を子供達が売って歩きます。

梅の季節なので、梅爛漫な園内を進む様子は美しいと思われますが、あいにくと訪れた年は開花が遅く、ほとんど咲いていませんでした。

五軒香梅ひな流し 五軒小学校の生徒たちの写真
五軒小学校の生徒たち

子ども梅大使として偕楽園で名所案内をしています。
「偕楽園記」の一部を暗唱している様子です。

途中、偕楽園記碑前付近で休憩します。ここでは「子ども梅大使」となっている五軒小学校5年生の生徒たちが「偕楽園記」の一部を暗唱を行っていました。

同じ五軒地区の見慣れた顔が多いからリラックスできたのか、逆に緊張したのかわかりませんが、元気よく暗唱を行っていました。この週末は「子ども梅大使」として園内でこのような暗唱や名所案内などを行うそうです。

五軒香梅ひな流し 水面に浮かべられた宝船と雛舟の写真
水面に浮かべられた宝船と雛舟

舟は実際に池に浮かべられ、糸で引っ張って動かします。

五軒香梅ひな流し 梅大使の流し雛の写真
梅大使の流し雛

最初に着物を着た水戸の梅大使が行います。

休憩後は、吐玉泉下の池に下っていきます。結構急な階段を降りなければならなく、舟を持つ係の人や草履の梅大使は大変そうでした。

吐玉泉下の池では代表者の挨拶などが行われた後にお宝を載せた船とおひな様が乗った船が水面に浮かべられます。あまり流れのない池なので、釣り糸に引っかけ対岸からゆっくりと引っ張って動きを付けるといった感じです。

船が浮かべられると、まず梅大使の方々が代表で最初の流し雛を行います。着物姿の女性が行う流し雛は美しく、この行事のハイライトとなるでしょうか。

五軒香梅ひな流し 流し雛の様子の写真
流し雛の様子

地域の人や観光客が思い思いに願いを込めた雛舟を流していました。

梅大使が流した後は、参加者達が池の周りで思い思いに願いを込めてお雛様を流していきます。流れがほとんどないので、水面をゆらゆらとお雛様が漂っていました。

小さな小舟に仲良く手をつないで乗っているお雛様が、水面をゆらゆらと漂っている様子はとても可愛らしく、また楽しそうでもありました。

偕楽園 黄門様御一行の写真
黄門様御一行

水戸といえばこの人と納豆ですね。

偕楽園はちょうど梅のシーズン。水戸梅まつりが行われていて、園内には屋台が多く並び、様々な催し物も行われています。梅を楽しむだけではなく、黄門様や梅大使と一緒に写真を撮ったりと、いつもよりも賑やかな偕楽園を楽しむことができます。

その他、水戸黄門ゆかりの地を歩いてみたり、水戸藩の藩校だった弘道館(国の特別史跡)にも梅が約60種800本の植えられているので、偕楽園と合わせて訪れてみるのもいいかと思います。

・感想など

五軒香梅ひな流し 流し雛が行われた池の様子の写真
池の様子

ゆったりとした時間が流れていました。

全体的に手作り感あふれる流し雛行事でした。池の上のおひな様は急ぐことなくゆらゆらと水面を漂い、池の周囲もそういったお雛様のようにゆったりとした感じの雰囲気に包まれていたのが印象に残っています。

ちょうど梅の開花時期ともあって周囲はほのかに梅の香りも漂い、「五軒香梅ひな流し」という行事名とおりで、見ていてちょっとさわやかな気分になれる流し雛・・・というのは安直な感想になってしまうでしょうか。

五軒香梅ひな流し 風の旅人 - 2012年訪問

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* 情報、アクセス等 *

・五軒香梅ひな流しの概要

・開催日時2020年3月7日(土) (例年3月第一土曜日)
・開催場所水戸偕楽園 吐玉泉下の池
・行事内容流し雛
・スケジュール午前10時から常盤神社でお祓い、11時ころから吐玉泉下の池で流し雛
・アクセス等JR常磐線水戸駅下車、水戸駅北口バス乗り場から偕楽園方面バスで約20分。
※梅まつり期間中の土日、祝日はJR常磐線下り線に「偕楽園臨時駅」が開設されます。
有料の偕楽園駐車場が多数あります。
・備考・人形は当日販売されるので、行事に参加することができます。
・水戸の梅まつりのサイトでその他の行事や交通案内などパンフレットがダウンロードができます。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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