船橋漁港水神祭
東京湾の一番奥にある船橋漁港では、毎年4月3日に水神祭が行われています。当日は船上で神楽が舞われ、盛大に餅撒きが行われます。
・開催場所 : | 船橋漁港(船橋市湊町3丁目) |
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・開催日時 : | 4月3日 |
・行事内容 : | 神事、神楽 |
・備考 : | 2012年訪問 |
*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。
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* 船橋漁港水神祭訪問記 *
・船橋漁港水神祭について
東京湾の一番奥にあるのが千葉県の船橋市です。千葉県では千葉市に次いで人口が多い町です。
海岸には東京湾らしく工場が建ち並んでいますが、漁業が盛んな町でもあります。船橋の漁業は江戸時代から盛んで、船橋沖の海は魚貝の豊富な漁場でした。
元和元年(1615)、船橋に宿泊した徳川家康に地元の漁師が魚貝を献上した縁から、船橋の沖の漁場は徳川家に魚や貝を献上する御菜浦と定められ、課税免除や他村の漁師の入漁を禁止するなどの特権を得ていたほどです。
現在でも立派な漁港があり、千葉県は東京湾で捕れる代表的な魚、スズキの漁獲高が日本一番ですが、その中でも船橋港が一番となるようです。
また船橋で水揚げされた海苔やあさりは江戸前として市場でも人気があり、海苔の味と香りは全国でもトップクラスだと言われていたり、東京湾に残された貴重な干潟三番瀬で採れたアサリは粒が大きく人気があります。同じ東京湾にある川崎の方は工業化によって海苔の養殖が全滅したのと比べると、工業と漁業がうまく共存していると言えます。
船橋漁港では江戸時代から毎年4月3日に水神祭が行われてきました。この日は冬の漁の終わり、そして春の漁の始まりという節目で、神事や神楽で海の安全や豊漁を祈願します。
漁港に停留している船には大漁旗が掲げられ、岸壁につけられた船の上で神事や神楽が行われ、最後に盛大に餅撒きが行われます。
・行事の様子
水神祭は漁協の建物の前に接岸した船で行います。この船の周りには関係者が乗る船が並べてつけられ、船の橋状態。これぞ船橋といった感じの神事場です。
まず最初に神事が行われます。神事自体は普通の神事ですが、船という区切られた空間で行われるので、コンパクトですっきりとした印象を受ける神事でした。
神事が終わると神楽が4座舞われます。最初は巫女舞。巫女舞と聞くと、巫女さんが舞う浦安の舞いなどを期待してしまいますが、ここでは男性が舞います。この巫女舞では舞い手が幣束と鈴を手にし、舞台を清めます。
続けて猿田舞が行われます。日本神話に出てくる猿田彦命の舞で、槍と鈴を持って登場します。槍を持って踊りますが、途中で印を結んでいたのが珍しく感じました。
その次が恵比寿舞です。この恵比寿舞いでは途中で恵比寿と宇受売(ウズメ)が入れ替わります。
恵比寿は昔から漁村で福の神として崇められていた神様です。釣り竿を持って踊りますが、他でよくある鯛を釣る場面はありませんでした。
宇受売(ウズメ)は神話に出てくる女神で、女性らしい柔らかな舞いを舞います。
最後が山神舞です。青鬼が出てきて悪さをし、それを山の神の鐘馗が退治する話です。
青鬼を退治したあとは世の中が平和になった。みんなで喜ぼうと、餅を撒きます。
神楽の舞が終了すると、船からの餅まきが行なわれます。
かなり豪快な餅撒きでどさっといった感じで餅が空を舞います。豊漁を祈って撒く縁起ものなので、景気よくどんどんまくのがいいんだそうです。
・感想など
船の上で神事が行われ、神楽が舞われるといった珍しい祭りです。
普通の神事も船の上で行われると雅な印象が強くなり、雅楽が流れる中で舞われる神楽からもより非日常的なオーラを感じます。
船という区切られた空間が美しく感じ、この船の中だけ別の時間が流れているように感じた祭りでした。
船橋漁港水神祭 風の旅人 - 2012年訪問広告
* 情報、アクセス等 *
・船橋漁港水神祭の概要
・開催日時 | 2020年4月3日(金) (毎年4月3日) |
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・開催場所 | 船橋漁港(船橋市湊町3丁目) |
・行事内容 | 神事、神楽 |
・スケジュール | 10時より |
・アクセス等 | JR総武線船橋駅、京成船橋駅、大神宮下駅より徒歩で1kmぐらい。 |
・備考 | ーーー |
・関連サイト |
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