風の祭事記 風の旅人祭り訪問記
おんじゅくまちかど「つるし雛めぐり」のパンフレット
風の旅人 祭り、イベント訪問記

おんじゅくまちかど
「つるし雛めぐり」

房総半島の外側、月の沙漠の像で知られるのが御宿です。ここで行われる「つるし雛めぐり」は海や砂漠にちなんだ展示が多く、他とは少し違った雰囲気を感じます。

・開催場所 :千葉県夷隅郡御宿町
・開催日時 :2月中旬~3月3日
・行事内容 :雛めぐり
・備考 :2013年訪問

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* おんじゅくまちかど「つるし雛めぐり」訪問記 *

・おんじゅくまちかど「つるし雛めぐり」について

月の沙漠の像の写真
月の沙漠の像(夏)

御宿の砂浜にあり、ちょっと異国情緒を感じられます。

房総半島の外側、外房にある勝浦の少し北に御宿の町があります。御宿といえば漁師や海女の町としても知られていますが、海岸には砂浜も広がっていて海水浴場のある町としても知られています。

その砂浜には知らないと「なぜここに・・・・」といったラクダに乗った王子と姫といったアラビアチックな像が建てられています。

月の沙漠の像の写真
月の沙漠の像(夏)

部分的に切り取れば砂漠の雰囲気です。

この像は月の沙漠記念像です。大正12年に加藤まさを氏によって発表した有名な童謡「月の沙漠」に因んで建てられたもので、この歌はここ御宿海岸が舞台となっています。砂浜にあるのでちょっと異国情緒を感じられ、訪れる人々の目に楽しませてくれます。

また像だけではなく、月の沙漠記念館も像のすぐ近くにあります。ロマンチックな外観を持つ建物で、作曲した詩人加藤まさをの作品や資料が展示されています。ちなみに砂漠ではなく沙漠の漢字があてられているところがこだわりのようです。

おんじゅくまちかど「つるし雛めぐり」のパンフレット
まちかど「つるし雛めぐり」のパンフレット

「ひと針一針に願いを込めて」と堂々と言えるところが展示に対する自信の表れですね。

御宿では平成19年からまちかど「つるし雛めぐり」が御宿町商工会女性部を中心に行われています。

御宿のひな祭りは毎年2月中旬から3月3日まで行われ、「まちかどつるし雛めぐり」とあるように、吊し雛が中心となります。2つのメイン会場、月の沙漠記念館と手づくりの蔵のほかに協賛店は20店ほどでつるし飾りが展示され、そのまま吊し雛を販売している店も多いです。

展示されている吊し雛は御宿町商工会女性部等が制作したもので、メイン会場ではつるし雛作成体験コーナーがあったり、つるし雛制作キットの販売も行われています。

すぐ南の勝浦のひな祭りは「かつうらビッグひな祭り」と名付けられて、雛人形の数で圧倒されるような大規模な展示がされていることから全国的に有名ですが、ここ御宿のひな祭りはその影に隠れてというか、規模からしても小さく、まだまだ無名の存在といった感じです。

・行事の様子

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり 青い吊し雛の展示の写真
青い吊し雛の展示

天井からつるされた青いつるし飾りは圧巻で、
まるで海の中といった感じでした。

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり 段雛と創作人形の写真
段雛と創作人形

テーマのある展示が多く、楽しみながら見ることができます。

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり 人形劇のような展示の写真
人形劇のような展示

この青のつるし飾りは月夜の砂漠を表しているのでしょうか。
御宿での展示は青の使い方がとても印象的です。

御宿で行われているまちかど「つるし雛めぐり」では、月の沙漠記念館と手づくりの蔵がメイン会場となっています。

私が訪れたときは「手づくりの蔵」ではなく、国道128号線沿いにある「おんじゅく屋」がメイン会場となっていました。ここでの展示が一番華やかで、多くの吊し雛、創作人形、そして段飾り雛も展示されています。

特に目を引いたのが青いつるし飾りです。つるし飾りといえば赤色系の色を中心とした暖色系が多く、ここの青が主体のものはもの凄く新鮮でした。天井からつるされている様子はとても迫力があり、まるで海の中にいるみたいというのは大袈裟ですが、ちょっとロマンチックな感じでした。

またここの展示はブースごとにテーマのある展示がされていて、まるで人形劇の一コマような展示となっています。これがとても美しく、分かりやすいテーマで制作されているので一つ一つ楽しみながら見ることができました。

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり 月の沙漠記記念館の展示の写真
月の沙漠記記念館の展示

ここにも多くの人形が飾られています。

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり 月の沙漠といった展示の写真
月の沙漠といった展示

雛人形とは関係ないけど、ここならではです。

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり エビのつるし飾りと大漁旗の写真
エビのつるし飾りと大漁旗

漁師町らしい展示もあります。

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり サザエやアワビを使ったひな人形の写真
サザエやアワビを使ったひな人形

妖怪っぽくちょっと不気味ですが、御宿らしい人形です。

もう1つのメイン会場の「月の沙漠記念館」でも大規模な展示が行われています。ここの特徴はやっぱり月の沙漠をテーマにした展示でしょうか。砂丘とかラクダとかとひな祭りが混ざるというのは面白くあり、新鮮でした。

会場内には多くのつるし飾りがつるされ、それとともに大漁旗が飾られていたり、海女の人形があったりと古くからの地元産業である海と関わりの深い展示となっています。吊し飾りでも魚や特産の伊勢エビの形をしたものが多く、このへんはちょっと勝浦に似ているでしょうか。

御宿を含め、外房は日本随一を誇るアワビの産地です。ここならではと感じたのがアワビの貝殻を利用したアワビ雛、サザエの貝殻を利用したサザエ雛です。ありそうであまり見ない人形で、可愛らしいようで、妖怪っぽく不気味でもあり、なかなか印象的でした。

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり 町中の商店の展示の写真
町中の商店の展示

つるし飾りだけだとちょっと入りにくいかもしれません。

メイン会場以外の商店などの展示は、国道沿いの店を覗いた感じでは小規模な感じの展示となっていて、それぞれの店にあった展示や趣向を凝らした展示が行われていました。

期間中に特別なイベントは行っていませんが、スタンプラリーを行っていて、展示会場を回ると記念品がもらえるようになっています。

・感想など

おんじゅくまちかどつるし雛めぐり 桜の妖精たちの写真
桜の妖精たち

素敵な展示が多く、勝浦に負けないぐらい印象に残るひな祭りでした。

勝浦のビッグひな祭りを訪れた後に御宿のひな祭りを訪れる人も多いことでしょう。勝浦の尋常ではない数の雛人形を見た後でここの展示を見ると、物足りなさを感じる人もいれば、逆にホッとするという人もいるかもしれません。

御宿のひな祭りのパンフレットには「ひと針一針に願いを込めて」と書かれています。実際に訪れてみると、その言葉の通り、人形にしても展示にしてもとても丁寧に作られていると感心しました。

展示の内容も生活に身近な海や地域の象徴である月の沙漠を意識したもので、地域愛とか、御宿らしさを感じ取ることができ、小さいひな祭りでありながら勝浦にも負けないぐらい印象に残るひな祭りでした。

おんじゅくまちかど「つるし雛めぐり」 風の旅人 - 2013年訪問

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* 情報、アクセス等 *

・おんじゅくまちかど「つるし雛めぐり」の概要

・開催日時2020年2月15日(土)~3月3日(火)
(例年2月中旬~3月3日)
・開催場所月の沙漠記念館(千葉県夷隅郡御宿町六軒町505-1)、手づくりの蔵など
・行事内容雛めぐり
・スケジュール9時~16時30分(展示場所により異なります)
・アクセス等JR外房線御宿駅から徒歩10分程度。無料駐車場有。
・備考公式サイトで散策マップなどをダウンロードできます。
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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