
和良比はだか祭り
四街道市の和良比地区で行われる「和良比はだか祭り」では、裸衆によって赤子の厄除け泥付けや、田んぼの中での激しい泥の掛け合い、騎馬戦が行われます。当日はそれを見るために県外からも多くの人が訪れます。
・開催場所 : | 皇産霊神社(四街道市和良比692)など |
---|---|
・開催日時 : | 2月25日 |
・行事内容 : | 子ども参り、どろんこ祭り |
・備考 : | 2013年訪問 |
*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。
広告
* 和良比はだか祭り訪問記 *
・和良比はだか祭りについて

祭礼日には出店が並びます。
千葉市の北東に面して四街道市があります。ちょっと変わった名前ですが、昭和30年に千代田町と旭村が合併し四街道町が成立したのが始まりです。
この四街道市の和良比地区では毎年2月25日に「和良比はだか祭り」といったちょっと変わった行事が行われています。
和良比はだか祭りは和良比地区にある皇産霊神社の例大祭で、ふんどし姿となった男衆が神田に赤ちゃんを連れてきて、健やかな成長を祈って顔に泥を塗ったり、騎馬戦や泥の掛け合いを行います。泥だらけの裸祭りで、四街道のどろんこ祭りとも呼ばれています。
祭りの起源は明らかではないようですが、江戸末期から行われている伝統ある行事です。元々は神社と神田を往復する「お百度」の禊ぎ神事だったと言われ、それに幼児祭礼(子ども参り)が慣習化されたり、参加者が楽しむために騎馬戦や泥の掛け合いといったことが加わっていったようです。
人気の祭りとなっているようで、当日はカメラマンを中心に多くの見物人が訪れ、泥の掛け合いが行われる神田には始まる前から人垣ができていました。
・行事の様子

訪れた年は寒く、隅っこの方は薄い氷が張っていました。

抱かれた赤ちゃんが次々にやってきます。

やってきた赤ちゃんは顔に泥を塗られます。

抵抗する子、されるがままの子。様々です。
祭りの当日は11時から神社で神事が執り行われます。これは氏子のみで行われます。昔からの伝統なのか、カメラマンが押しかけて収拾がつかなくなったのか、後者のような気がしますが、一般の見学は不可となっています。
午後になると、カメラマンや見学者が大勢取り囲んでいる神社下の神田(御手洗池)で、幼児祭礼(子ども参り)が行われます。
着飾った満1歳未満の幼児をふんどし姿の親族などが抱えて神田に降りてきて、注連縄の藁で神田の泥を額に塗って厄よけをし、子供の成長を願います。
この時に褌衆が優しそうな表情で泥を塗っている姿が印象的でした。寒そうだけど温かく感じる瞬間です。

駆け足で裸衆がやってきます。
まだこの時は全身が白く、初々しい感じです。

まずは全員が池に集結します。
そして体を慣らすために軽く泥の掛け合いなどを行います。
子ども参りが終わると、一旦全員が神社に戻っていきます。そして、少し間が開いてからもう一つの顔である「どろんこ祭り」が始まります。
まずは裸衆がドドドと神社から走って神田にやってきます。まだ泥で汚れていないので、白い褌がまぶしい状態です。
田に入ると円になって集会。そして軽く泥かけを行います。体慣らしといった感じでしょうか。ちなみに訪れたときは神田に氷が張っていました・・・。
これが終わると再び神社に戻っていき、休憩。裸でじっとしていると寒いので、裸衆は社殿前の焚き火にあたっています。

2回目からは騎馬戦が行われます。

騎馬が崩れた後はルール無しの泥の掛け合いです。
かなり激しいです。
2回目も裸衆は走ってやってきます。今度は田に入ったら騎馬を組み始め、騎馬戦が始まりました。
泥の中の騎馬戦なので、崩れるのも早いです。もともとルールのない戦いなので、崩れても戦いは終わりません。むしろ崩れたら本当の戦いが始まります。
大人の泥遊び。いやいや壮絶な泥の掛け合いです。みんな真剣です。激しいです。そして全身泥だらけで真っ黒です。
泥の掛け合いが一段落すると、神社の方へ戻っていきます。

一段と泥の中の戦いは激しくなります。

泥を塗られると厄除けになるとかで、
見学に来ている小学生が顔に塗ってもらっていました。
3回目の登場でも騎馬戦が行われます。裸衆は寒さや雰囲気に慣れたのか、一段とヒートアップして戦いが激しくなります。訪れたときはこの2回目が一番激しかった気がします。
戻っていく際には観客にも泥を塗っていきます。塗られると厄除けになるようで、地元の人たちは喜んで塗ってもらっていました。

社殿前で胴上げが行われます。
えらく楽しそうな雰囲気でした。
3回目も騎馬戦が行われ、それが終わると神社に戻った際に社殿のところで総代を胴上げしていました。胴上げされる総代の人達のうれしそうな顔がとても印象に残っています。

最後に泥かけを行って、泥祭りは終了しました。
この後、裸衆は再び神田に向かい最後の騎馬戦を行います。これはエキストラウンドといった感じで、この頃になると池の周りに人垣ができていたのもなくなります。
そして一番最後、円陣を組んで締めの泥かけを行っていました。これはカメラマンへのサービスなのかもしれません。
・感想など

戦いの中で人間から泥の妖怪になっていく人もいます。
会場を訪れてあまりにも多くの観客がいることに驚きました。祭り好きな人たちにはとても人気のある行事のようで、早い時間から三脚を立てている人もいるようです。
大人が泥の掛け合いをしているのを見て楽しいのか。訪れるまではそういう気持ちもなくはなかったのですが、実際に訪れてみるとそんな杞憂は吹っ飛びました。
泥の掛け合いが激しく、泥遊びという想像の上をいっていました。大の大人が真剣なのです。氷が張るような寒い中、ここまで真剣に泥の掛け合いをされると、面白くて見入ってしまいます。
田の周囲からは歓声や声援が上がり、お返しとばかりに観客には泥が飛んできます。これぞ祭りといった感じです。
心から楽しみたければ顔に泥を塗ってもらい、祭りの雰囲気の中に溶け込むことです。単なる傍観者から祭りに招待された見物人になれます。
和良比はだか祭り 風の旅人 - 2013年訪問広告
* 情報、アクセス等 *
・和良比はだか祭りの概要
・開催日時 | 2020年2月25日(火) (毎年2月25日) |
---|---|
・開催場所 | 皇産霊神社(四街道市和良比692)、和良比ヶ丘公園(和良比192-23 ) |
・行事内容 | 子ども参り、どろんこ祭り |
・スケジュール | 午前11時祭礼(見学不可)、13~15時どろんこ祭り(見学可) |
・アクセス等 | JR総武本線四街道駅より1km程度 |
・備考 | 雨天でも開催 |
・関連サイト |
*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。
* 地図 *
広告