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亀崎の如意輪参り(匝瑳市)

匝瑳市の亀崎では、如意輪観音の子安信仰にもとづく安産祈願の仏教行事が地域の女性たちによって数百年続けられています。

・開催場所 :亀崎コミュニティセンター、稲生神社(匝瑳市亀崎130)
・開催日時 :2月19日直前の日曜日
・行事内容 :安産祈願祭、踊り
・備考 :2012年訪問 市無形民俗文化財

*このページは過去の訪問記録です。
*日時、場所、行事内容が変更されている場合があります。

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* 亀崎の如意輪参り訪問記 *

・亀崎の如意輪参りについて

稲生神社境内にある子安神社 亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社境内にある子安神社

当日は3つの掛け軸が祀られます。

毎年2月中旬の日曜日、厳密には2月19日直前の日曜日になりますが、匝瑳市亀崎地区の稲生神社で市の無形民俗文化財の如意輪参りという仏教行事が行われています。

如意輪参りは稲生神社の境内に祀られている子安神社にまつわる行事で、如意輪観音の子安信仰にもとづく安産祈願の行事となります。江戸時代から行われてきたと伝えられているので、数百年もの歴史があることになります。

当日は子安神社には「木花開耶姫命像」「子安観音像」「如意輪観音像」(左から)の三つの掛け軸が吊るされ、御神酒とおにぎりが供えられます。

この子安神社に着飾った女性たちが近くの亀崎コミュニティセンターから大杉囃子を踊りながらお参りし、社の前で安産祈願の踊りを行います。

・行事の様子

亀崎コミュニティセンターでの踊り 亀崎の如意輪参りの写真
亀崎コミュニティセンターでの踊り

まず亀崎コミュニティセンターの室内で踊ります。

楽器を演奏する男衆 亀崎の如意輪参りの写真
楽器を演奏する男衆

中は狭いので、外で演奏します。

如意輪参りは子安神社が祀られている稲生神社の近くにある亀崎コミュニティセンターで始まります。

13時頃になると、ぼちぼち始めようかといった感じで、お囃子の男性陣が外に出てきて太鼓などを叩き始め、行事が始まります。

まずは亀崎コミュニティセンターの室内で、「いそべ」「松かざり」「大漁節」の3曲を外で演奏する男性陣の音に合わせて踊ります。狭い室内での踊りなので、外で眺めているの方がいいかと思います。

この行事では色とりどりの着物に着飾り、揃いのたすきをした女性たちが踊りますが、踊り手達は地元の方々で、後世に行事や文化を残そうと結成された「如意輪まいり保存会」の方々になります。さすがにこのご時世では安産祈願する女性も少ないようです。

養浄寺前での踊 亀崎の如意輪参りの写真
養浄寺前での踊り

養浄寺前の広場を三周します。
踊りの先頭は大榊の払い役、そして万灯が続きます。

室内での踊りが終わると、ゾロゾロと女性陣が外に出てきて、楽器を演奏する男性陣は坂の下に移動します。

下の方から聞こえてくる「大杉囃子」に合わせて前庭で右回りに独特の振りで踊りながら3周します。先頭は清めのを大榊を持った女性で、その後ろは大きな万燈ですが、これは結構重いので順番に交代で持っていました。

稲生神社へ移動 亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社へ移動

一列になって踊りながら移動していきます。

緑と踊りの列 亀崎の如意輪参りの写真
緑と踊りの列

女性の着物や万灯が緑によく映えます。

稲生神社の鳥居 亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社の鳥居

少し階段を登らなければなりません。
万灯の人は大変です。

3周終えると下っていき、そのまま稲生神社までの道中を踊りながら進んでいきます。

数百メートルの距離なので、すぐに着いてしまうのですが、この練り道中が一番のびのびとした感じというか、自然な感じがして個人的には好きな部分です。

それに辺りは田んぼばかりの素朴な土地なので、着飾った女性たちがとても美しく見えました。

稲生神社境内で 亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社境内で

稲生神社の社を時計回りに三周します。

稲生神社境内での踊 亀崎の如意輪参りの写真
稲生神社境内での踊り

境内が狭く、足元も悪いため、少し窮屈な感じで踊っていました。
写真を撮っている人との距離が近いのもあるかもしれません。

子安神社前での踊り 亀崎の如意輪参りの写真
子安神社前での踊り

最後に子安神社前で踊り、安産祈願をします。

神社に到着すると、稲生神社の社殿を大きく回るといった感じで亀崎コミュニティセンターと同じく右回りに3周しながら踊ります。

それが終わると万燈はたてかけられ、踊り手全員が掛け軸やらお供え物が置かれている子安神社の前に並び、「いそべ」「松かざり」「大漁節」を踊り、最後に踊り手たちが集まり、御神酒を飲んで安産祈願をします。

全てが終わったら、来訪客にもお供物のおにぎりが配られて終了します。最初の踊りからだいたい1時間ぐらいです。短い行事ですが、踊り手の女性はずっと踊りっぱなしのようなものなので、結構大変そうでした。

・感想など

とても素朴に感じる行事でした。素朴の中にも地域の柔らかい優しさがあり、また女性が多く踊ることで華やかさもあり、見ていて心地よく感じました。

少子化や過疎化の中でこういった行事を続けてきたのはとても大変だったと思います。近年では保存会が結成されたり、文化財に指定されたりして、カメラマンを中心に訪れる人が増えてきたようです。

訪れる人が増えれば行事を行う人達のモチベーションも上がっていいことだと思いますが、狭い境内にあまりカメラマンばかり増えるのもそれはそれでうっと惜しいかもしれませんね。

亀崎の如意輪参り 風の旅人 - 2012年訪問

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* 情報、アクセス等 *

・亀崎の如意輪参りの概要

・開催日時2020年2月16日(日) (2月19日直前の日曜日)
・開催場所亀崎コミュニティセンター、稲生神社(匝瑳市亀崎130)
・行事内容安産祈願の踊り、練り行列
・スケジュール亀崎コミュニティセンターで12時から開始
・アクセス等JR総武本線八日市場駅、或いは飯倉駅からタクシーで15分
・備考市無形民俗文化財
・関連サイト

*訪れる際には最新の情報を入手されることをお勧めします。

* 地図 *

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