佐渡島一周ツーリング記2003 タイトル

佐渡島一周ツーリング記
#11 2日目始動、佐渡の南端へ

2003年8月、友人と2人、1泊2日の行程で佐渡島一周を試みた時の旅行記です。(全17ページ)

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19、2日目始動

さわやかな目覚めのイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

朝6時半に目覚ましの音で起床した。昨夜は早い時間に寝たので、早起きでも目覚めは良好。体調の方も良好。その他、体力、気力ともに充実した状態だった。

旅人に必須となるスキルの一つが、回復力。私自身、運動能力、体力などは平凡なものだが、回復力に関しては普通の人より自信があって、あまり翌日まで疲れを持ち越すことがない。

ただ、起きて動き回ると、少し肩や腕が凝っているようで、重たい感じがする。昨日は一日中バイクに乗っていたので、この程度はしょうがない。

レース用バイクのイメージ(*イラスト:フリーカットさん)

(*イラスト:フリーカットさん 【イラストAC】

一方、友人の方は、起きた第一声が「うっ、腰が痛い・・・」だった。友人が乗るのはレース用バイク。レース用バイクは空気抵抗を少なくするために普通のバイクよりも前傾姿勢が強く、腰への負担が大きい。

おまけに私よりもバイクに乗る機会が少ないし、乗ってもあまり長い時間乗らないので、昨日の強行軍はかなり身体への負担となってしまったようだ。

腰が痛いイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

起きてからも、「今日一日持つだろうか・・・」と、ちょっと不安そうな表情・・・。あまりにもひどくなったらバイクを交換して走るか・・・。って、慣れないバイクで走る方が負担になりそうだな。

車で旅行しているのなら、元気な方が頑張って運転すればいいだけの話だが、バイクの場合は両方とも運転手。条件が一緒なので、順調に走っている時は楽しいが、トラブルが起きたときや、こういった場合に困る。なんとか頑張って今日一日持ちこたえてもらうしかない。

民宿の朝食のイメージ(*イラスト:しかくまさん)

(*イラスト:しかくまさん 【イラストAC】

身支度を整えると、大広間に朝食を食べに行った。朝食はアジの干物や生卵といった民宿の定番料理。簡素ながらやっぱり民宿の朝食はうまい。何故うまく感じるのだろう。何時も疑問に感じるが、まあそれはそれ、理屈抜きってやつなのかもしれない。

今日もハードな一日になるので、エネルギーを蓄えておかないといけないな。それに食べれるときにしっかりと食べておくのが、旅での鉄則。合宿中の運動部の学生のように朝から何杯もご飯をお替りしていた。

今日は午前中に島の南側を観光して、午後一番の船に乗って新潟へ戻る予定にしている。昨日のうちに島の大部分を周ったので、行程的にはあまり頑張らなくても大丈夫だが、ここでゆっくりしていてもしょうがない。朝食後はすぐに出発の準備に取り掛かかった。

20、佐渡の南端へ

「事故のないよう気を付けて東京に帰ってね」「御飯がおいしかったです。また機会があれば来ます。」と宿の人に見送られながら出発した。

地理院の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

まずはここから少し西にある沢崎灯台が最初の目的地。ここは厳密に言うなら佐渡の南端ではなく、西の端になるのだが、下側の先っぽということには変わらない。島の一周を目標に掲げている以上、押さえておかなければならない大事なチェックポイントだ。

早朝のひんやりとした空気の中、バイクを西に向けて走らせた。時々サイドミラーに太陽がまぶしく反射し、背中は太陽の日差しを受けてほんのり温かい。

背後に朝日の存在を強く感じ、なんだか太陽に背中を押してもらっているかのようで、気分がいい。そんなことを思いながら走っていると、あっという間に灯台に到着した。

沢崎灯台 佐渡島一周ツーリングの写真
沢崎灯台

灯台は畑のど真ん中というか、バイクを停めるのに困るような場所にあった。まあバイクだし、早朝だし、そもそも車が少ないし、その辺に停めておくか・・・。

バイクを停めて灯台を訪れると、白くすらっとした塔が横から朝日を浴び、薄い青空と青い海によく映えていた。昨日訪れた北端の弾崎灯台と形がよく似ている。同じ設計者によって建てたのだろうか。

中に入れないので、適当に証拠写真を撮って佐渡の南端も制覇。早朝なので、清々しい気分であるが、達成感という部分ではちょっと微妙・・・かな。まあそういう目的のために造られたものではないのでしょうがない。

これで後は東海岸を北上していき、両津港に戻れば今回の旅の第一目標であった佐渡一周が完了する。

灯台付近の海岸 佐渡島一周ツーリングの写真
沢崎灯台付近の海岸

灯台から先は溶岩が流れ出たかのような荒々しい海岸が続いていた。磯遊びにはもってこいのようで、朝早い時間だというのに、もうすでに何人かの人が下の岩場に降りて遊んでいたり、散策していた。

朝のすがすがしい空気が「ちょっと行ってきなよ~」と誘っている気がしたが、下まで降りるとなると、それなりに時間と体力が必要だ。朝から疲れることもないか・・・と、少し歩いただけでバイクのところに戻ることにした。

失敗したなとモヤモヤしたイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

そういえばここは西の端だよな・・・。ってことは、朝日より夕日じゃないか・・・。昨日、夕日に合わせて訪れていれば感動的な風景が見れたのでは・・・。これは作戦失敗というやつでは・・・。

地球が丸く見えるような西側の水平線を見ながら思ってしまうのだが、今思い付いてもどうにもならない。次の旅への教訓にしよう。

佐渡島一周ツーリング記03'
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